サブスクリプションビジネスにおけるVOC分析のポイント

現代のビジネスシーンにおいて、さまざまなジャンルの企業がサブスクリプションサービスの導入を始めています。

サブスクリプションビジネスとは、課金提供型ビジネスであり、一度の料金支払いで商品を売り切るのではなくユーザーがその商品やサービスを利用したい期間に応じて課金する仕組みです。

従来までのビジネスモデルでは、商品やサービスに対する対価は、購入時に一度だけ支払われる、という売り切り型が主流であったのですが、現代のような情報化社会においては、ネットワーク技術が発達しているため、さまざまな商品やサービスを簡単に管理することができるようになり、継続して商品やサービスを利用してもらうことができる環境が整っているのです。

サブスクリプションビジネスだけでなく、どのビジネスにおいても顧客との接点が非常に多様化しており、FAQやチャットボットなどのWebチャネルをはじめ、LINEやSNSなどオムニチャネル化している社会において、VOCがより重要度を増しています。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスにおけるVOC分析のポイントについて、詳しくお話させて頂きたいと思います。

今後サブスクリプションビジネスをより確実に成功へ近づけたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

VOCを活用できない現状

サブスクリプション企業の多くはコールセンターを運営していることが多いかと思いますが、このコールセンターに寄せられるものがVOC(顧客の声)です。

電話やメールの問い合わせ内容などの応対履歴が主なものであるのですが、この履歴をどう残すか、ということは企業によって方法が異なるかと思います。

すべてのデータを残しているかいないか、コールワークコードが設定されているかどうか、という観点からみても、企業によって異なります。

そして最近は、音声をテキスト化している企業も多くなっていたり、それぞれの企業によってデータ蓄積方法が異なりますし、VOCも種類が多くなっていますので、分析や活用する難易度も上がっているのです。

専用の分析ツールの導入が追いついていなかったり、担当者が分析業務に集中できない環境であったりと、VOCの重要度を認識していても、そのための体制や知識、技術が追いついていない、ということが課題としてよく上がるのではないでしょうか。

サブスクリプションビジネスにおけるVOC分析のポイント

効果検証の方法

まず最初のポイントは、VOCを活用することの効果検証を、どのような方法で行うか、ということです。

一見当たり前のようにも思えますが、忘れがちなことではないでしょうか。

特定の問い合わせのボリュームが減り、VOCを活用した先にどのような効果があったのか、ということを測定することができるようにしておくことが大切です。

AIの活用

テキストマイニングツールはあくまでも「発せられた言葉」の分析であり、文脈を読み解くことは難しいでしょう。

また、オペレーターの暗黙知、もしくはカスタマーインサイトには、言葉にされていない「思い当たる節」が文脈として隠されています。

この文脈に意味を付けるためには、マーケターやサービス開発の担当者、施策の企画者などからの視点が必要ですが、AIを活用することによって、必要な情報のみを抽出することができるのです。

AIを活用することによって、今の時代にあったビジネスの進め方を効率よく行うことができますので、これらさまざまな視点を持ってAIを活用するとより有効なツールになるでしょう。

VOC以外の情報収集ルート

集まったVOCの中に、活用することができるような有効なデータがない場合、どれだけそこを探しても見つかることはないでしょう。

この場合は、収集する対象や、方法を変えることを考えなければなりません。

たとえば通話時間が長くなってしまい、対話することを重視する取り組みや顧客評価の悪い顧客に能動的にコンタクトを取ることで、その理由を聞く、もしくは顧客同士が思っていることをなんでも対話することができるコミュニティを形成する、などの取り組みが良いでしょう。

まとめ

以上、サブスクリプションビジネスにおけるVOC分析のポイントについてお話させていただきました。

ビジネスがどんどん進み、行動データのアクセスが容易になる一方で、顧客の価値観の多様化をカスタマーインサイトにて把握することは非常に難しくなっています。

だからこそ、顧客接点をもつ企業者は、VOCを武器と考え、VOCをもとにビジネス戦略の方針を牽引していかなければならないのです。

サブスクリプションビジネスにおけるVOCは、非常に重要なものですので、ぜひこの機会にVOCに関する知識を得て、ポイントをしっかり抑え、ビジネスに役立つVOCを活用してくださいね。