サブスクリプションビジネスで起こり得る「誤請求」での企業に及ぼす影響

デジタル系サービスをはじめ、さまざまな分野でサブスクリプションビジネスが取り入れられています。

インターネットの普及に伴い、商品やサービスの利用権で利益を得るビジネスが広がりを見せており、今後もさらなる市場拡大が期待されています。

サブスクリプションビジネスは、利用期間や利用内容に応じて料金を支払う、課金型のビジネスのことであり、月額料金を支払うことで、何度でも利用することができる定額制サービスなどが、サブスクリプションに当たります。

サブスクリプション拡大当初は音楽や動画、ソフトウェアなどのITサービスを中心に広がっていたのですが、IT化が進むにつれてさらにデジタル系サブスクリプションが成功をおさめ、それに伴いモノを売る業界にもサブスクリプションが導入されるようになっています。

サブスクリプションビジネスをスムーズに進める上で、あってはならない、絶対に注意しなければならないことは「誤請求」です。

誤請求をしてしまうと、企業の信用を傷つけてしまい、経営上の問題に発展してしまうリスクがあるのです。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスで起こり得る「誤請求」での企業に及ぼす影響について、詳しくお話させて頂きたいと思います。

サブスクリプションビジネスを確実に成功へ導きたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

ビジネスにおける誤請求

ビジネスにおいて、誤請求が起きてしまうと、経営部門だけの問題にも思えますが、そうではありません。

特にサブスクリプションビジネスの場合、さまざまな顧客ニーズに合わせた多様なプランが提供されており、請求管理のプロセスに関しても、複雑化の一途を辿っています。

誤請求は、企業全体の信頼を無くしてしまう大きな問題ですので、絶対に回避すべきです。

ですが現状は、消費増税や軽減税率導入などにより、表計算ソフトを用いた手作業の管理では、誤請求を完全に防ぐことが難しいのです。

手作業では複雑化するビジネス環境に対応することは難しい

請求管理は定期的に行う業務であるのですが、請求管理を効率化することは非常に難しく、どうしても万が一ミスをしてしまった場合の影響が大きいのです。

たとえば請求書の作成や、請求書の発送漏れ、宛先や請求金額の間違い、二重請求、入金消込の抜けなど、請求に関するリスクは非常に多くあります。

また、もし請求先の名義と振り込み者の名義が異なっていた場合や、複数の請求書を合算して支払われた場合など、請求先の都合に応じなければならないこともあるでしょう。

このような場合は、ミスを無くすために複数人で確認作業を行うことが多いので、経理部門での作業が煩雑になるのです。

企業によっては、簡易的な表計算ソフトを導入し、請求管理を行っていることもあるのですが、規模が大きくなるにつれて手作業での請求管理には限界が訪れるでしょう。

サブスクリプションビジネスも進化しており、料金体系がさらに複雑化し、顧客の利用状況に基づく料金計算や、顧客に応じた複数のプラン、割引なども積極的に導入されているので、請求管理の難易度も高まっているのです。

それに加え、キャッシュレス決済や暗号資産など、決済手段も増え、税制改正対応などもありますので、ビジネス関係に合わせて請求業務を変化させることも求められているのです。

誤請求は経営レベルの問題

誤請求は、ただ経営部門だけの問題ではなく、ビジネスそのものへ大きな影響を与えます。

誤請求は、故意に起こしてしまう場合もありますが、無意識に起きてしまう場合があります。

もし起きてしまった場合には、顧客への返金対応はもちろんのことですが、その規模が大きかった場合には、顧客や株主、メディアに対し謝罪会見を実施しなければならないことも、珍しくはありません。

そして返金や謝罪のみの対処だけではなく、なぜ誤請求が起きてしまったのか、その原因を追求し、再発しないような対策などを含めた説明責任が生じます。

顧客への影響が大きければ大きいほど、訴訟にまで発展する可能性があり、メディアにより広く報じられてしまえば、ブランドの価値が大きく低下してしまいます。

請求管理はシステムの利用でデジタル化に

誤請求は、担当者が防ぐことができるものだけではなく、業務プロセスや情報システムの整備なども含めて、企業全体で対応すべき問題です。

紙ベースの業務プロセスにて、十分に情報が共有されていなかったり、特定の個人に依存した業務がある場合は、誤請求を起こしてしまうリスクが高まります。

最近ではRPAによって、料金計算や請求書の享受だけでなく、商品契約や会計、分析などの複数の定型業務を自動化する取り組みが多くなっています。

請求管理を行うシステムやクラウドサービスを導入することで、業務の効率化と問題を未然に防ぐことに繋がるのです。

まとめ

以上、サブスクリプションビジネスで起こり得る「誤請求」での企業に及ぼす影響についてお話させて頂きました。

最近のサブスクリプションビジネスでは、顧客の満足度を高めるため、さまざまな料金プランを提供し、顧客によって料金割引を行っていることも多いのですが、このようなサービスを行う上では、誤請求には非常に注意しなければなりません。

自社サブスクリプションビジネスで誤請求を起こさないためにも、自社へのリスクをしっかり理解して、請求管理のデジタル化を検討してみてくださいね。