近年の通信販売市場では、新規顧客の獲得よりも、顧客と良好な関係を築くことに重きを置く傾向が高くなっています。
これは、顧客との関係性を築くことにより、安定した収益を上げることが可能になるためですが、だからと言って、この関係性は簡単に築けるものではありません。
顧客と良好な関係を築いていくためには、様々な工夫が必要となるのです。
そこで今回の記事では、顧客との関係性を築く方法について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
通販事業を行っていくうえで、新規の顧客の獲得は欠かせないものではありますが、現在の市場の状況では、新規の顧客を獲得するのは非常に困難です。
そのような状況の中で、注目されているのが、顧客との関係性を構築し、優良顧客やリピーターに育成していくことです。
しかし、個人の間であっても、一から関係を構築していくのは時間がかかるものであり、企業対個人であればそれは尚更です。
まず、自社について顧客に知ってもらい、そのうえで信頼を得られるように工夫していくことが必要なのです。
顧客との関係性を築くことができれば、企業にとって顧客を深く理解することができると言う大きなメリットがあります。
現在では、ビジネスにおいて顧客重視の考えが一般的となっており、顧客の情報を基に、顧客それぞれのニーズに合わせたサービスを提供することが求められています。
しかし、ここで収集できる顧客の情報と言うのは、上辺だけの情報であり、顧客の本心ではありません。
市場調査やアンケートなどを、いくら行っても、顧客との信頼関係が成り立っていなければ、顧客は自身の本心を表してはくれないのです。
そしてそのような情報を基にマーケティングを行っても、顧客の心を掴むことはできません。
顧客の情報を得たいのであれば、顧客と実際にコミュニケーションとり、信頼関係を築いていくことが大切なのです。
顧客からの信頼を得ることができれば、顧客は本心を見せてくれますので、本当の顧客のニーズや求めているものを把握することができます。
そして、その情報は、商品の開発やサービスの改善などに役立てることができ、結果的には収益の安定に繋がっていくのです。
顧客との関係性を築くことが、企業にとって大きなメリットではありますが、無理強いするには問題があります。
これは、個人の間でも同様ですが、相手の気持ちを考えずに気持ちを押し付けるのは、逆効果になってしまうことも考えられます。
相手に信頼してもらうには、まず、自社のことを深く理解してもらうことが必要なのです。
自社にはどのような魅力があるのか、自社がどのような理念を持っているのか、自社の強みは何か、と言うようなことを顧客に知ってもらい、そのうえで、関係を築いていくことが大切なのです。
そもそも、一般的には、顧客の側から関係を構築することを求めることはありません。
顧客は、その企業のことを知り、自身のニーズに合っていると判断すれば、企業に関心を持ってくれます。
よって、アプローチはその時点から始めることが大切なのです。
ただし、いくら関係性を構築したいからと言って、顧客の要望のすべてに従うような行動をするのは間違いです。
関係性の構築と言うのは、信頼関係を結ぶということであり、どちらの立場が上であるかと言う問題ではないのです。
顧客によっては、お客様である自身のほうが立場が上であるということを押し付けてくることがあります。
信頼関係を結ぶためには、これに従ってはいけないのです。
他の顧客のためにも、企業の価値を落とさないためにも、無理な要望には毅然とした態度で断ることも必要となるのです。
また、顧客との関係が構築できたからと言って、油断してはいけません。
顧客が企業を信頼してくれるのは、顧客がメリットがあると判断したからなのです。
そのメリットと言うのは、質の良い商品やサービス、丁寧な顧客対応と言ったものであり、それらの恩恵を受けることができて初めて、顧客は企業に信頼感を感じるのです。
そして、そのメリットを感じることができなくなったり、他に良い商品やサービスを見つけたら、顧客は簡単に他に移行してしまいます。
このような信頼関係である以上、長く付き合いがあるからと言ったことでは、顧客は動かないのです。
どちらにとってもメリットがなければ、関係が長く続くことはありません。
関係を長く継続させるためには、顧客にとってのメリットを提供し続けていかなければならないのです。
現在の市場の状況では、顧客との関係性を築き、継続して商品やサービスを購入してもらうことが重要となっています。
しかし、今回説明したように、関係性を築くことは、簡単なことではありません。
自社に興味を持ってもらい、顧客にメリットを提示し、それを顧客が受け入れることで初めて信頼関係を結ぶことができるのです。
ただし、この関係はメリットがあることを前提として成り立っているものであるため、それを提供し続けることも求められるのです。
そのため、関係を継続したいのであれば、質の高い商品やサービス、丁寧な顧客対応と言った、顧客のメリットを提供し続けることが必要となります。