ネットショップビジネスは今非常に注目されているビジネスモデルですよね。
誰でも簡単にネットショップを開業することができるようになっていますので、本業としてはもちろん、サラリーマンの副業や主婦の方の在宅ワークとしても人気が高くなっているでしょう。
特にネットショップビジネスを本業として考え、をされている方は、ビジネスの準備を行っていく段階でもさまざまな用語を目にすることがあるでしょう。
ネットショップビジネスだからこそ、あまり現実では見かけることが少ない言葉や、インターネット上でしか使用されない言葉がありますので、覚える必要があるでしょう。
ネットショップ用語だからこそ、それらをしっかり理解した上でなければ、十分な知識とノウハウを学ぶことはできませんよね。
そこで今回は、ネットショップ用語である「シュリンクフレ―ション」について、詳しく解説していきたいと思います。
ネットショップビジネスを行う上で用語を覚えたい、理解したいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
まずは「シュリンクフレ―ション」という言葉の意味を開設していきたいと思います。
シュリンクフレ―ションという言葉は、アメリカの経済学者である「ピッパ・マルムグレン」の造語であると考えられており、経済用語であるスタグフレーションの対語として提唱されたことが最初であると言われているのです。
シュリンクフレ―ションとは小売りにされている商品の価格はそのままであるにも関わらず、内容量が少なくなるという経済現象のことを言います。
この経済現象を、時に「値上げ」や「隠れ値上げ」という言い方をされることもあり、消費者が分かりにくいように内容量を収縮し、結果的に値上げという形をとることを「ステルス値上げ」とも言われることがあります。
主に食料品が当てはまり、価格は据え置きのまま内容量をごく微量減らすことで値上げをするということ、つまり価格を上げない代わりに容量を減らすことを言います。
最近、日本でも多くシュリンクフレ―ションに踏み切った商品が多くなりましたので、この言葉の認知度が高まって来ているのです。
ネットショップとして取り扱う商品でも、このシュリンクフレ―ションが多くなってきているのですが、最も分かりやすい事例としては、身近なスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどでの商品を挙げてみましょう。
コンビニエンスストアで販売されているお弁当やおにぎりを思い浮かべると、数年前と比較すると明らかに内容量が少なくなっているように感じたことはありませんか?
時に、表面上から内容量の減少を悟られないようにするために、お弁当の容器の底を底上げされていることもありますよね。
増税や原材料コストが上がり、企業の出費コストが増えることを値上げとして対応してしまえば購買の減少に繋がってしまうことが考えられます。
だからこそ、商品価格はそのままで、内容量を微妙に減らすという手法によって、実質的な値上げをしているのです。
さらにシュリンクフレ―ションのもうひとつの事例として、ある「クッキー」を挙げてみましょう。
美味しくて非常に人気の高いクッキーですが、2005年以降徐々に内容量に変化が見られています。
2005年は30枚入り(1枚10.5g全330g)でありましたが、2007年には28枚入り(1枚10.5g全294g)、2008年には24枚入り(1枚10.5g全252g)、2011年には22枚入り(1枚10.5g全231g)、2014年には20枚入り(1枚10.5g全210g)、2016年には20枚(1枚10.0g全200g)となっています。
全体的に見ると、2006年には内容量が30枚入りであったのですが、2016年には20枚入りになり、10枚も減っていることが分かるでしょう。
さらにクッキー1枚当たりの重量も、11.0gから10.0gに減っているので、内容量は130gも減っているのです。
ですが、値段は2005年から一切変わっていません。
このように微量を長く続けることで、消費者にそんな気持ちをさせないようなシュリンクフレ―ションが行われているのです。
食品関係や小売業界では一般的にシュリンクフレ―ションが行われていますが、ネットショップ業界においても珍しいことではありません。
2017年の物流運賃一斉値上げにより、シュリンクフレ―ションに踏み切る企業が多くなり、送料コストを補うために、商品の内容量を減らした対応をしているネットショップがあります。
「送料無料」と表示していても、実際にはメール便や郵送にかかる送料を価格に反映させている、という場合もあるでしょう。
以上、ネットショップ用語である「シュリンクフレ―ション」について、詳しくお話しさせていただきました。
今、シュリンクフレ―ションはどの業界においても話題になっていますので、もちろんネットショップは無関係というわけではありません。
競合ネットショップとの価格競争から、値上げに踏み切ることができない、という場合はこのシュリンクフレ―ション手法を用いるネットショップも多いのですが、消費者にとってはクオリティの劣化や内容量の減少に不満を感じている場合があることも忘れてはいけません。