通信販売には配送がつきものであり、その配送料を無料や割引きにすることで集客を行うサイトも多く見られます。
しかし、近年物流コストが高騰しており、配送費の負担が大きくなっているため、そうした送料無料や割引きと言ったサービスを見直すサイトも出始めています。
そこで今回の記事では、配送コストを削減する方法について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
通販市場は年々拡大化し、通販を利用するユーザーも増加を続けています。
そして、この通販には配送がつきものですから、利用者が増えているということは、配送する荷物の数も増加しているということになります。
このように、荷物が増え、配送会社の負担が大きくなりすぎたことから、2017年頃より大手の配送会社が続々と値上げを行っています。
それに伴いECサイトでも、配送料の値上げや送料無料や割引きと言ったサービスを廃止するところが増えてきました。
しかし中には、送料無料や〇〇円以上は送料無料、〇〇円以上は送料割引と言うようなサービスで集客を行っていたサイトもあり、配送料の値上げによってユーザー離れが深刻となっているケースもあります。
だからと言って、送料無料や割引きのサービスを継続すれば、値上げされた配送料の負担が重くなり、事業全体に影響が出てしまうのです。
このような状況の中で、考えていかなければならないのが、配送コストの削減です。
配送にかかるコストは、配送会社に支払う費用だけではありませんので、他の部分で削減していくことが必要となります。
配送コストは、送料のことと思われがちですが、返品時に発生する送料や商品輸送費なども該当しますし、配送するまでに行われる梱包の費用も含まれます。
この商品の梱包には梱包資材だけでなく、作業をするスタッフも必要でありこの人的コストも配送コストに含まれます。
上記のように、商品を配送するには様々なコストがかかります。コストを削減するには、それらをすべて洗い出し、一つ一つ確認することが必要です。
まず、送料ですが、資金力のある企業であれば、物流の拠点を設けると言ったことでコストを削減することも可能ですが、小さなサイトではなかなか真似することはできません。
そこで、注目すべきなのが商品を梱包後の大きさ、サイズの問題です。
知っている方も多いと思いますが、配送料は梱包した荷物の大きさや重さで変わります。
知っていたとしてもなかなかそこまで手が回らないというサイトも多いようですが、数㎜の差で300円近くも送料が変わるケースもありますので、1日に何十個もの荷物を発送する場合にはかなりのコスト削減となるのです。
そのため、商品を発送する前にどれだけコンパクトに梱包することができるかを確認し、適切なサイズの段ボールなどの資材を使用することが重要となります。
また、自社開発の商品であれば、初めから配送料のことを考えて商品の包装を決定するというのも有効な方法です。
ただし、ただ荷物を包んだだけと言うような雑な梱包は、顧客に不快感を与えることもありますので注意が必要です。
次に考えるべき点は、作業にかかるコストです。
このコストを削減するためには、まず作業工程を洗い出し、改善点を見つけていくことが必要になります。
梱包作業に時間がかかりすぎているようであれば、ワンタッチ式の段ボールを採用し、時間を短縮するなど作業効率を上げるための工夫を行うことで、作業の時間を短縮しコストを下げることが可能となります。
次に考えるべき点は、梱包に必要な資材にかかるコストです。
コストを削減するということから考えると、前述のようなワンタッチ式の段ボールと言うのはコストがかかりすぎてしまいます。
しかし、一般的な段ボールでは作業効率が上がらないですし、梱包用のテープが倍以上必要になるなど、段ボールのコストは下がったとしても、他の面でコストが上がってしまうということもあります。
さらに、コスト削減と言う点では、使用済の段ボールを使用するのが最もコストがかからずに済みますが、これは先ほどのように、他の面でコストが上がるというだけでなく、配送する商品によっては顧客に悪印象を与えることも考えられます。
そういったことから考えると、コストを削減するには、一つの資材コストを下げることだけを考えず、配送コスト全体を見て総合的に判断することが必要となります。
また、段ボールのコスト削減を考える場合、段ボールの製造工場の場所を確認することも重要です。
製造工場が遠い場合、輸送コストがかかりすぎてしまうことがあります。
できる限り近い製造工場に発注することで、輸送コストの削減が可能となり、実際に1枚2~3円ほど安価になるケースもあるようです。
上記のように、配送料の負担を減らすためには、配送コストの削減が必要であり、配送コストの削減には、現在配送にかかっているすべてのコストを洗い出し、確認していくことが必要となります。
配送コストを細かく分類し、改善すべき点を明確にすることで、配送業務全体を最適化することができるのです。
そしてそれが総合的なコストの削減に繋がっていきます。