あまり売れ行きが良くない商品の中には、どんな人がこれを使うのだろう?と疑問を感じるような商品が多く見受けられます。
そういった商品は、そもそも誰がどんな状況で使用するのか?と言うことが明確になっていないケースが多いようです。
このような状況を防ぐためには商品のコンセプトと言うものが必要となります。
これを明確にすることにより売れる商品を作ることができるのです。
そこで今回の記事では、商品コンセプトについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
コンセプトとは、概念と言う意味を持つ英語を語源とする言葉で、日本では、一般的に全体を通した基本的な考え方と言う意味合いで使用されています。
マーケティングにおいては、商品コンセプトなどと言う形で使用されます。
この商品コンセプトとは、誰がどんな状況で使用するのかということを表している言葉です。
つまり、商品を開発するための計画の基本となる考え方となります。
一般的に、新しく商品を開発する場合、まずその商品コンセプトを設定することが重要となります。
その後のマーケティング施策もこの商品コンセプトに沿って行われて行くのです。
一方で、商品コンセプトを設定していない場合、いくら新製品を開発しても思うように成果を得られることはありません。
良い商品を開発し、その商品を売りたいのであれば、商品コンセプトをしっかりと設定することが大切なのです。
商品コンセプトは、前述の通り、商品を誰に、何を、どのようなと言う3つの要素に分けて考えていきます。
まず初めの「誰に」は、誰のための商品なのか、どのようなターゲット層に向けて販売するのかということです。
この時、できるだけ詳細なターゲットを描く必要があります。
例えば、「30代女性」と言うような大きなくくりではなく、「30代前半の女性、会社員、独身、一人暮らし」と言ったように、具体的な人物像を描けるような設定にすることが大切です。
ターゲットを具体的にすることにより、どのような商品を求めているかということが想像しやすくなるのです。
ただし、あまりに細かい設定にすると、市場規模が小さくなりすぎてしまいますので注意が必要となります。
また、ターゲットは1つの括りだけでなく、複数のターゲットを設定しても問題はありません。
次の「何を」は、そのターゲットがどのような商品を求めているのかと言う、ターゲットのニーズをどのように満たすのかということを考えていきます。前述の「30代前半の女性、会社員、独身、一人暮らし」の例であれば、この女性がどのような商品に満足感を覚えるかということを考えていくのです。
この時注意しなければならないのは、商品の価値を機能や性能と言った面だけで考えないということです。
商品の価値は必ずしも機能や性能と言ったもので得られるわけではありません。
その商品によって得られる体験や感動など抽象的なものも商品の価値を上げていく要素の一つなのです。
そのようなことも含めて、最終的にターゲットとなる女性が、商品によって満足感を得ることができるかということが重要なことなのです。
最後の「どのような」は、具体的にどのような状況で使用されるのかと言うことを考えていきます。
「30代前半の女性、会社員、独身、一人暮らし」の例であれば、その女性がどのような状況でその商品を使用するのかと言うことを詳細に考えていくのです。
具体的には、日常的に使用するのか、特別な時に使用するのか、自宅で使用するのか、会社で使用するのかと言うようなことです。
使用する状況を考えることにより、その女性が必要とするものが導きだされていくのです。
商品コンセプトは、上記のように設定していきますが、その中で、特に注意しなければならないのが、ターゲットの視点で考えていくということです。
その商品を購入することでターゲットがどのような価値を得ることができるのかを優先的に考えていくことが大切なのす。
実際に商品を使用するのは、ターゲットとなる消費者なのですから、ターゲットが必要なものを提供するのは当然のことです。
これは、マーケティングにおいて基本となる考えであり、常に念頭に置いておく必要があります。
商品コンセプトを設定するに当たっても、ターゲットが得ることのできる価値と言うものを最優先に考えていけば、自ずとその商品の価値は上がっていくのです。
実際の商品の中には、誰に向けた商品なのか、需要があるのかと思わざるを得ない商品が存在しています。
そういった商品は、商品コンセプトがしっかりと設定されていないことが考えられます。
コンセプトもなく商品を開発した場合、マーケティングにおいても適切にターゲットが設定できなくなりますので、誰に向けた商品なのか曖昧なまま、ただ販売されていることになります。
これでは、商品が売れるわけはないですから、せっかく作り出した商品を無駄にすることになってしまうのです。
また、売り上げが伸びない商品の中には、商品コンセプトがターゲットの視点で設定されていないケースも多くみられます。
このケースで多いのが、自分が欲しいと思う商品を作れば売れると勘違いしているケースです。
自分が欲しいと思う商品を作るというのが間違っているわけではありません。
同じようにその商品を欲しいと思っている消費者も存在するはずです。
しかし、ビジネスとして商品を開発するのですから、売り上げを考えなくてはなりません。
実際にその商品を欲しいと思う消費者が少なければ、ビジネスとしては成立しないのです。
ビジネスとして商品を開発するのであれば、自分本位な考えは捨て、ターゲットの視点に立って考えることが重要となるのです。
商品コンセプトは、商品を開発するうえで欠かすことのできない重要なものです。
そして、その商品コンセプトを設定する際には、誰のために商品を開発するのかと言うことを忘れてはいけません。
商品は自社や自身のために作るものではないのです。
商品はあくまでも、購入してくれる消費者のものであり、商品コンセプトはその消費者の視点に立って考えていかなくてはならないのです。