通信販売において収益を安定させるには、リピート購入や定期購入と言った長期的な継続購入が重要となります。
しかし、ユーザーはいったん定期購入に申し込んだとしても、商品を使用しなくなった、サイトの対応が悪いなどと言った理由で簡単に解約することも多いのです。
そのため、多くのサイトでは、コールセンターやカスタマーサポートなどの専門部署を設置し、顧客満足度を下げないように顧客対応を行っていますが、ただ専門部署を設けただけでは解約を防ぐことはできません。
そこで今回の記事では、定期購入の解約を防ぐ顧客対応について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
定期購入は、通販事業の収益を安定させる重要な要素であり、そのためユーザーをどのように定期購入に誘導するかと言うことに注力するのが一般的です。
しかし、首尾よくユーザーを定期購入に誘導できたとしても、その後も長期的に継続購入をしてもらわなければ収益の安定には繋がりません。
つまり、すぐに解約されてしまっては意味がないのです。
ユーザーが定期購入を解約する理由は様々ですが、その多くはサイトの対応が悪いと言った、顧客対応に関する不満が占めています。
商品に不満がなくても、サイトの対応が悪ければユーザーはそのサイトから離脱してしまうのです。
また、サイトの対応の悪さを理由に定期購入を解約した場合、このユーザーが再度購入する可能性はほとんどありません。
こういったことから考えると、解約を防ぐには常に顧客への対応に注意し、顧客満足度を高めていくことが重要であると言えます。
上記のように、顧客対応に注力し、顧客満足度を高めていくには、ユーザーそれぞれに合わせた対応が必要になります。
ユーザーが求めるニーズはそれぞれ異なりますので、それに合わせた対応をとる必要があるのです。
そして、それを実行するためには、コールセンターやカスタマーサポートと言った顧客対応を専門に行う部署も必要なのです。
しかし、こういった専門の部署を設置しただけでは解約を減らすことはできません。
しっかり戦略を練って顧客対応を行っていくことが重要なのです。
定期購入の解約を防ぐためのポイントとしてまず挙げられるのは、顧客の解約を引き留めることに成功した事例をデータベース化し、解約を受け付けるオペレーターの間で共有すると言うことです。
解約に関する会話の中で、何をきっかけとして顧客が解約の意思を翻したのか?その時オペレーターはどのような提案をしたのか?と言ったことを詳細に分析し、このような顧客に対しては、こういった提案が有効と言うようなことをマニュアル化するのです。
つまり、顧客を細かく分析することで、顧客の求めるものは何かを導き出し、それを提案することで解約を防いでいくと言うことになります。
このデータベース化はコストもかかるため、大規模なサイトでなければ構築が難しいかもしれません。
その場合は、上記の施策を実践できる範囲で行っていくことも有効ですが、異なる施策が効果的な場合もあります。
ユーザーはサイトの対応の悪さに不満を抱くことにより解約をするケースが多いのですから、とにかく常に丁寧に対応するということもポイントの一つであると言えます。
解約を申し出てくるユーザーは不満を抱えていますので、そのユーザーの不満などマイナスな感情に寄り添い、ユーザーの意見をまず肯定することも必要です。
そのうえで、ユーザーが知らない情報などを提供し、ユーザーの不満な点を1つずつ解消する提案をしていくことが重要になります。
ユーザーそれぞれとしっかりと向き合うことができれば、ユーザーの不満を解消することができますし、結果として解約を阻止すると言うことも可能となる訳です。
ただしこれらの施策には、オペレーターのコミュニケーション能力が重要となりますので、定期的に研修をする、情報共有のためのミーティングをまめに行うと言ったことが必要となります。
一方で、解約を申し出たユーザーを無理に引き止めない、つまり気持ちよく解約を受け付けるということも結果として解約を防ぐことに繋がります。
これは、無理に引き止めることで、さらにサイトや商品の印象が悪くなってしまうことを防ぐという狙いもありますが、この方法を行う大きな理由は、商品自体に自信を持っているため、解約をしても戻ってきてくれる自信があるからです。
ユーザーは定期購入をしている商品自体に不満はなくても、他の商品も試してみたいと考えることもありますし、商品の消費量と定期購入のサイクルが合わず商品が余ってしまっていると言うこともあります。
こういった理由で解約を申し出ていることもありますので、解約は気持ちよく受け付け、「また機会がありましたらいつでもご利用ください。」と言うような一言を添え、印象の良いまま会話を終えることが大切になります。
ユーザーの希望通りに気持ちよく受け付けをしておけば、ユーザーはまた商品を使用したいと思った時にすぐに戻ってきてくれるのです。
定期購入の解約を防ぐことは、収益を安定させるために必要なことですが、無理に引き止めるのは逆効果になることがあります。
そのため、今回説明したように、無理強いではなく解約を阻止できる施策を行うことが重要なのです。
そして、これらの施策を実行するには、顧客の立場に立ち、顧客と密なコミュニケーションをとることが必要となるのです。