現在のEC市場は、拡大化により競合が増加し、商品が溢れかえってます。
このような状況でありながら、消費者の購買活動は縮小の傾向となっており、商品はあるのに売れないというのが現状です。
そのため、ECの各サイトの売り上げは伸び悩み、方向転換を検討するサイトも増えているようです。
このようなサイトにお勧めなのがギフト市場への参入です。
ギフト市場は、現在では衰退しているように思われがちですが、近年拡大化を続けている市場であり、今後も成長が期待できるのです。
そこで今回の記事では、ギフト市場への参入について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
近年では、従来のしきたりや慣習を重んじるお中元やお歳暮と言った儀礼的なギフトの文化が衰退の傾向にあり、そのため、ギフト市場全体が衰退しているように考えられています。
しかし、一方で、家族や友人と言った身近な人へ手軽に贈るカジュアルギフトの人気は高まっており、ギフト市場全体としては、ここ5年で10兆円を超える規模に拡大しているのです。
特に、高い支持を集めているのが、e-ギフトと呼ばれるソーシャルギフトです。
これは、パソコンやスマートフォンなどから簡単に贈ることができる新しい形のギフトであり、このサービスを提供する企業も年々増加しています。
サービスの開始された2016年の予測では、2年後の2018年に574億円の市場規模を見込んでいましたが、実際には1.167億円を突破、そして、サービス開始から5年で14倍と言う急成長を遂げているのです。
このサービスがここまで支持されたのは、ギフトをわざわざ買いに行くという手間をかけることなく、家にいながらにして気軽に商品を購入して贈るということができるためであり、これが、ギフトを選ぶ時間のない忙しい現代人に即したサービスであったからだと考えられています。
上記のように、ギフトビジネスは衰退した市場ではなく、今なお成長を続けている注目の市場なのです。
このギフトビジネスは、一般的なECとは消費者の視点が全く異なります。
一般的なECでは、消費者は自身のために商品を選択するため、商品そのものよりも価格を重視し、できるだけ価格が安い商品を選んだり、競合店舗を比較し少しでも価格が安い商品を選択すると言った行動をとることが多く見られます。
しかし、ギフトの場合、人に贈るためのものであり、あらかじめ予算を決めていることが多いため、価格が安いからと言う理由で商品を選ぶということにはならないのです。
つまり、ギフトは予算通りに商品を選択するため、サイト側からすると商品の無駄な値引きの必要がなくなるのです。
そのため、競合との価格競争に巻き込まれにくくなり、安定した利益を確保することが可能となるのです。
一般的なECにおいても、「ギフトにも最適」などと言う謳い文句で、ギフト購入を促しているサイトは多くあります。
しかし、ギフトだけに特化したサイトと言うのは、現状ではまだそれほど多くは見られません。
これには、通常の販売においてギフトでの利用が少ない、ギフト向けの包装や梱包に手間やコストがかかる、ギフト向きの商材を扱っていない、ギフトのアピール方法が分からないというような理由があるようです。
しかし、そもそも一般の商品の売り上げが悪く、方向転換を図りたいと考えているのであれば、これまでのターゲットとは全く異なる層をターゲットとするギフト商品に特化することで、新たな顧客を獲得することも可能となるのです。
ただし、ギフトビジネスに転換を図ったからと言って、すぐに成果を得られるわけではありません。
すでに安定して売れるギフト商品を持っているのであれば、すぐに成果につなげていくことが可能ですが、多くの場合、まず安定して売れるギフト商品を開発する必要があります。
一般のECで扱っていた既存の商品をギフトに転換するというのは無理な話ですし、先を急ぎ安易に作り出した商品では消費者の支持を得ることはできません。
ギフトと言うのは、消費者が自身で使用するものではなく、人に贈るものであるため、一般の商品よりも、安心感、信頼感と言った付加価値が重要となるのです。
従って、ギフトビジネスにおいては、ユーザーから信頼される価値のある商品を作り出し、それに強いブランド力を持たせるため、ブランディングを行うという長期的な視点を持つことが大切なのです。
ギフトビジネスは、成長を見込める有望なビジネスではありますが、一般的なECよりも簡単に行える訳ではなく、商品開発から行わなければならないことを考えると、難しいビジネスであるとも言えます。
しかし、価値のある商品を作り上げ、ギフトビジネスの仕組みを理解することができれば、今までのビジネスとは全く異なる事業を展開することが可能となるのです。
そして、そこから、実店舗での販売と言った新たな事業へと広げていくこともできるのです。