今さまざまな企業が注目している「サブスクリプション」
ここ数年で一気に成長を遂げているビジネスモデルであり、数年前までであればデジタル商材を取り扱う企業こそ、サブスクリプションビジネスに成功すると考えられていましたが、今では非デジタル商材を取り扱う企業までもサブスクリプションの浸透が始まって来ています。
今では国内大手企業もどんどんサブスクリプションへとビジネス転換をしており、今国内で非常に流行を見せているビジネスモデルと言え、大きな成長を見せる企業もありますが、まだまだま日本に確定的な戦略がないからこそ、撤退せざるを得ない企業も多くあります。
サブスクリプションとして提供できる商材を保持しているにも関わらず、なぜ失敗に終わってしまう企業があるのでしょうか。
「会員数が増えない」「ターゲット設定が間違っていた」など、さまざまな理由が考えられますが、それ以外にそもそもビジネスに対しての「誤解」があるのではないでしょうか。
そこで今回は、誤解から生まれるサブスクリプション事業の失敗について、詳しくお話ししていきたいと思います。
サブスクリプションビジネスが上手くいかないと悩まれている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
まず第一の誤解としては、サブスクリプションは月額定額制サービスと同様に考えているということです。
実際にも企業の多くが既にサブスクリプションと名乗り、既存商品やサービスを月額定額制で〇〇し放題という形で提供していることが多いのですが、決して定額利用や定額販売がサブスクリプションではありません。
厳密に言うと、サブスクリプションというものは定期的な利用、そして得たデータが活用されている商品やサービスの身のことを言います。
ですので、都度毎に利用する状態や、データを活用できていない状態ではサブスクリプションとは言えません。
たとえば、昔からある定期販売のビジネスモデルであれば、新聞や雑誌、健康食品の定期通販、もしくは毎月異なった商品が届けられる頒布会のことを言います。
この定期販売ビジネスが求められていた理由には、時代背景が関係しています。
当時は電話やハガキ、FAXなどで商品を注文していましたのでその手間が無くなり、そして毎回個別に購入するよりも安く手に入れることができるということでしょう。
ですが時代が変わり、今ではインターネットを利用するといつでもどこでも1クリックで欲しい商品を購入することができますし、さらに実店舗や期間契約で購入するよりもはるかに安い金額で購入することが出来るようになりましたので、顧客は単なる定期販売に対してメリットを感じにくくなってしまったのです。
商品を使い切っていなくても次の商品が届いてしまったり、他の商品を試してみたいと思ってもバリエーションが不足していたりするので、顧客のライフスタイルや需要にあったものを使用することができなかったので、解約に繋がるのです。
そこから新たに生まれたビジネスであるサブスクリプションでは、同じような思考を持ってしまうとビジネスに失敗してしまう可能性があるのです。
顧客減少を回避するのであれば、広告を配信して集客を行い、新規顧客を増やせば良いのではないか、と考える方もいらっしゃるかと思いますが、今の時代は広告の影響度が下がってしまっていることを忘れてはいけません。
なぜ広告の影響度が下がってしまったのか、それには商品やサービスの差別化が難しくなったことが挙げられるでしょう。
企業にとってみれば、広告を配信せずとも商品やサービスが購入されることが理想の形ではありますが、実際それを叶えるには他社にはない独自性、そしてそのサービスを利用することの大きなメリットが必要になるでしょう。
従来では、商品やサービスに独自性を持たすことが出来ない場合には、広告のみでその独自性を訴えることができましたが、今では製造や生産ルートも多様になり、ヒット商品はすぐに真似をされて似た商品が出現するようになってきました。
そうなると顧客は企業からの一方的な発信である広告に何かを求める事は無くなり、信用がなくなってしまったので、自分自身で情報を得るためにSNSや友人の口コミを信頼するようになってきました。
もちろん、広告配信は全く効果ないというわけではありませんが、他社との差別化をアピールするだけの広告はもはや無意味になっている、ということが重要なのです。
以上、誤解から生まれるサブスクリプション事業の失敗についてお話しさせていただきました。
サブスクリプションビジネスは今、次々に多くの事例を出し、予想外のサービスまでもがサブスクリプション業界に参入してきています。
だからこそ、このような誤解をすることなく、サブスクリプションらしいビジネス戦略を立てている企業こそ、サブスクリプションビジネスに成功するのです。
この機会にぜひ一度初心に戻ってサブスクリプションそのものを学んでみてはいかがでしょうか。