リスティング広告は、数ある広告の中でも費用対効果が高いことで知られており、ECサイトを運営していくならば、ぜひともうまく活用していきたい広告です。
しかし、この広告はすべての商品やサービスにおいて効果が出るわけではなく、中にはいくら運用を続けても効果が出ないケースも少なからずあります。
これは、リスティング広告と商品やサービスの相性が悪いと考えられ、こういった場合には、何らかの対策をとる、もしくは他の広告に切り替えると言うことも必要になります。
そこで今回の記事では、リスティング広告と商品の相性について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
リスティング広告とは、検索連動型広告とも呼ばれ、検索エンジンにおいてキーワードに連動し検索結果画面上の最上部と下部に表示される広告のことを指します。
ユーザーが検索しているキーワードに連動するため、ユーザーの関心が高いときに広告を表示することができ、高い効果が期待できます。
また、キーワード単位での出稿が可能であるため、比較的早く効果を得ることができると言う特徴もあります。
検索エンジンに関する集客施策であるSEO(検索エンジン最適化)と比較されることが多いですが、SEOは検索アルゴリズムによって順位付けされるオーガニック検索枠に対する施策であり、自身で順位をコントロールすることはできません。
一方で、リスティング広告はキーワードの入札価格や広告の質によって順位づけられて表示されるため、費用を掛ければ上位表示が可能となります。
どちらも重要な集客施策であり、SEOは費用が掛かからないと言う利点がありますが、上位表示されるために膨大な手間と時間がかかりますので、すぐに効果を得たい場合にはリスティング広告の方が効果的です。
リスティング広告には上記のような特徴があり、うまく活用することができれば比較的早い段階で高い効果が期待できます。
しかし、商品やサービスの特徴によっては、この広告では効果が得られない場合があります。
この広告と相性が悪い商品やサービスとしては、まず、ユーザーのニーズはあるが認知度が低い、ブランド力がない商品が挙げられます。
具体的に言うと、アパレル、家具、インテリア、食品などがこれに該当します。
この中でアパレルを例にとった場合、ユーザーの冬物の暖かい服が欲しいというニーズはあるものの、認知度の高いブランド物ではない商品、いわゆる特定できない商品のことになります。
こういった商品は、ネットモールなど大量の商品の中から探すユーザーが多くを占めており、商品名など特定のキーワードで検索される可能性は低いですので、キーワード検索に対応するリスティング広告には不向きだと言えます。
次に挙げられるのは、同一商品が多く出回っている商品です。
具体的に言うと、書籍、CD、ゲーム機、家電、大手メーカーの食品などがこれに該当しますが、これらの商品は同一商品を扱う競合が数多くあり、比較対象が多すぎるためリスティング広告であっても効果は出ないと考えられています。
また、低価格商品のため利益が少ない商品、リピート購入が期待できない商品もリスティング広告に不向きな商品として挙げられます。
これらの商品は利益が少なすぎるため、広告費用に見合う効果が得られず、赤字になる可能性が高くなってしまいます。
上記の商品やサービスは、リスティング広告を活用しても十分な効果が期待できないと考えられます。
必ず失敗するというわけではありませんが、何らかの対策をとらなければ失敗する可能性が高いですので、これらの商品やサービスにリスティング広告を活用する場合には必ず事前に対策を取ることが重要です。
まず、ユーザーのニーズはあるが認知度が低い、ブランド力がない商品の場合、リスティング広告を活用する前に、まずネットモールなどに出店し顧客を増やし、商品やブランドの認知度を高めていくブランディングを行うことが優先されます。ブランディングにより、ある程度のブランド力がついてから、リスティング広告を活用するのが賢明です。
次に、同一商品が多く出回っている商品では、価格を下げる、特典を付けるなど競合との差別化を図ることで顧客を増やし、それによって競合よりも明らかな優位に立つことが必要です。優位に立つことで、リスティング広告を活用しやすくなりますので、効果を得られる可能性も高くなります。
以上の2点については、事前に対策を取ることでリスティング広告で効果を得ることも可能となりますが、利益が低い、リピート購入が期待できない商品については、対策をとったとしても効果を得るのは難しいと考えられます。
そのため、この商品に適した施策を活用する方が賢明だと言えます。
リスティング広告は、ECサイトの運営には欠かせない重要な施策ではありますが、相性の悪い商品やサービスでは、この広告を活かすことができません。
事前に対策を取ることで、相性の悪さを改善することは可能ですが、広告の運用には費用が掛かりますので、自社の商品やサービスと相性の良い広告に切り替えることも必要です。