単品リピート通販のマーケティングオートメーション導入が進まない理由とは?

マーケティングオートメーションは、近年注目を集めているツールであり、導入している企業も増えてきています。

しかし、関心があっても導入していないケースが多く、導入率がなかなか上がらないというのが現状でもあります。

そして、そのような企業が導入をためらうのには共通した理由があるのです。

そこで今回の記事では、マーケティングオートメーションの導入が進まない理由について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

マーケティングオートメーションとは?

マーケティングオートメーション(略してMA)は、マーケティング活動において、従来、人の手で行っていた定型的な業務や、人の手で行うには時間とコストがかかりすぎてしまうほど煩雑で大量の業務を自動化することで効率を高める仕組みであり、それを実現するツールのことを指します。

具体的には、マーケティング活動で獲得した見込み客を育成し、それを精査した質の高い顧客リストを営業に送ると言う、企業のマーケティング活動の流れを自動化することを可能とします。

このMAが必要とされるようになった背景には、消費者のライフスタイルの変化やマーケティング手法の複雑化があります。

消費者のライフスタイルが変化したことで、消費行動が多様化し、それに対するマーケティングにおいても様々な手法を取り入れなくてはならなくなったのです。

つまり、従来のマーケティング手法では、消費者が商品を購入してくれなくなったために、マーケティング手法を大幅に変更する必要が生じたということです。

そして、そのためにマーケティングが複雑になり、大量の煩雑な業務が発生してしまったのです。

そのような状況の中で、必要とされ始めたのがマーケティングを効率化することであり、マーケティングオートメーションなのです。

マーケティングオートメーションの機能

実際に、MAツールで行える代表的な機能は、リードスコアリング、ターゲティング、リード管理(顧客情報管理)、WEB解析、メール配信、フォーム作成・分析、キャンペーン管理、、A/Bテストなどがあります。

ただし、MAは、各ベンダーが提供しているツールによって、搭載している機能が異なります。

そのため、導入する際には、自社に必要な機能を搭載したMAツールを選択することが重要となります。

また、搭載している機能をすべて使う必要はありません。

自社に必要な機能を見極めてツールを選択していれば、使わない機能があっても問題はないのです。

実際に、MAで成果を上げている企業の中には、一部の機能しか使用していないケースも多く存在しています。

重要となるのは、MAツールが実際にマーケティング業務に活かされていることであり、使用している機能の数ではないのです。

ただし、あまりに、使用している機能が少ない場合には、コストを下げるために、搭載している機能の少ないツールに変更することも考慮する必要があります。

マーケティングオートメーション導入が進まない理由

上記のように、MAは現在のマーケティングにおいて必要とされ、誕生したものではありますが、日本国内では、いまだにあまり浸透していないというのが現状です。

世界的に見た場合、MAを導入している企業は5割以上とされていますが、日本では1割程度しか導入している企業はないのです。

その理由としては、まず、導入費用、運用費用が高いという費用面に関すること、次に専門知識がなく、使いこなす自信がない、また導入してもリソースがないという活用面に関することが挙げられます。

そして、実際に導入した場合でも、使いこなしている企業は少なく、ほとんどの企業が全く使いこなせていないか、メール配信など簡単な運用しかできていないのです。

しかし、それ以前に、MAを認知していない企業が現在でも多く存在しているのです。

実際に行われたMAに関する意識調査では、「MAを知っていますか?」と言う質問に対し、知っていると答えた企業が55%、名前を聞いたことがあると答えた企業が14%、知らないと答えた企業が31%となっています。

このことから分かるのは、半数の企業はMAについて詳しいことを知らないということであり、すなわち、MAに関心がなく導入する予定もないということです。

前述の費用や活用面に関し不安があるため導入をしていないというケースでは、それらの不安が解消される提案があれば導入する可能性もあります。

しかし、導入している企業の多くが、その機能を持て余している現状では、その可能性も低くなります。

そして、MAに関心がないどころか、MAの存在を知らないケースでは、今後導入される可能性は無いに等しいと言えるのです。

MAは、導入することで担当者の負担を軽減することができる便利なツールであり、導入している企業の中には、実際に一定の効果を得られているケースもあるのです。

しかし、上記のように導入するためには大きな壁がいくつも存在しています。

まず、一つ目の壁は広く認知されていないこと、二つ目の壁は費用面の問題、3つ目の壁は専門知識がないと言った活用面の問題です。

また、認知度が低く、専門知識がないケースが多いということは、MAの種類を選択する際にも、どのMAを選ぶべきか分からないと言った問題が生じてきます。

このように、MA導入にはいくつもの大きな壁があり、そのために導入がなかなか進まないと言えるのです。

まとめ

MAはマーケティングを効率化する便利なツールですが、今回説明したように、導入するには大きな壁がいくつも存在しています。

また、導入した企業でもなかなか使いこなせていない運用の難しさと言うのも、導入が進まない理由の一つと言えます。

これを解決するには、MAを広く認知させ、専門知識を持つスタッフを増やすこと、また、専門のコンサルティング会社やベンダーを上手く利用することが重要となります。