近年の通信販売では、インターネットが広く普及したことにより、顧客一人一人と直接コミュニケーションをとることが容易にできるようになっています。
そのため、マーケティングにおいても、従来のように不特定多数に対して行うのではなく、個々に合わせたマーケティングが重要視されているのです。
このような状況の中で、現在注目されているのがリレーションシップマーケティングという手法です。
そこで今回の記事では、リレーションシップマーケティングについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
リレーションシップマーケティングとは、長期間に渡り顧客と友好な取引を継続し、収益を最大化することを最終目的とするマーケティング手法であり、関係性マーケティングとも呼ばれています。
売り切り型ビジネスのように、一度の取引で顧客との関係を終了させ、その利益を積み上げていくのではなく、商品やサービスに満足している顧客との取引の継続を重視し、顧客のロイヤルティを向上させ、商品やブランドの価値を上げていくことを目的としています。
リレーションシップマーケティングが重要視されるようになった背景には、近年通販市場において、継続して安定した収益を上げることが難しくなってきているという現状があります。
通販市場は年々拡大化し、商品があふれかえる飽和状態となっており、収益を上げるためには、顧客の視点に立つということが最重要事項となってきているのです。
つまり、顧客のニーズに合った商品やサービスを提供し、顧客との関係性を強化することで長期的に有効な関係を築いていくということが最も重要であると考えられているということです。
そして、この顧客との関係性の強化のために、リレーションシップマーケティングが求めらいるのです。
このリレーションシップマーケティングは、近年注目されているLTVと深く関係しています。
LTVとは、顧客生涯価値の略称で、ビジネスにおいて個々の顧客の単発的な売り上げの積み重ねではなく、同一の顧客の継続的な売り上げを重視し、利益を最大化させることを目的としており、これはリレーションシップマーケティングの概念と根本的に違いはありません。
そのため、リレーションシップマーケティングで利益を最大化することができれば、必然的にLTVも向上するということになります。
リレーションシップマーケティングを効果的に行うためには、自社で蓄積したデータベースを活用し、顧客の属性や嗜好などを詳しく分析することが必要です。
その分析された顧客情報に合わせたアプローチや販促、キャンペーンなどを行い、顧客満足度の向上を目指します。
具体的には、誕生日に合わせて特典付きのメールを送信する、顧客の嗜好に合った商品の情報を定期的に配信する、購入後には必ずお礼のメールを送り、商品使用後を見計らってフォローメールを送信する、優良顧客に対し特典やクーポンなどを用意する、ファン化した顧客をイベントに招待するというようなアプローチ方法があります。
また、リレーションシップマーケティングは、インターネットの活用が効果的であり、特に、SNSやブログなどで顧客と直接コミュニケーションをとることが重要となります。
具体的には、顧客のコメントなどに個別に対応することで親近感を持ってもらうことができますし、丁寧な対応を心がけることで、そのやり取りを目にする他のユーザーに対しても良い印象を与えることができます。
この顧客への個別対応はこの手法において重要ですので、一時のものにせず、継続して行うことが大切です。
リレーションシップマーケティングを導入することによるメリットとしては、まず、顧客のニーズに合ったマーケティングが行えるため、顧客満足度の向上が見込めるという点です。
顧客満足度を高めることができれば、長期的に継続し利用してもらうことが可能となり、安定した収益を上げることができます。
また、既存の顧客に対する施策は、コストがかからないという点も大きなメリットとして上げることができます。
現在の市場では新規の顧客獲得は困難であり、広告運用などを行う場合多額の費用がかかります。
しかし、既存の顧客に対するアプローチであれば、大々的な広告などの必要はなく費用は抑えることができますし、既存の顧客はそもそも商品に対する関心が高いわけですから、施策に対する効果も得られやすくなります。
さらに、長期的に取引のある優良顧客は、商品やブランドに対し愛着を持っているケースが多く、口コミでの集客も期待できます。
実際に、満足度の高い顧客は、その情報を3人に口コミで伝えることが多いというデータもあるそうです。
そもそも通販では、購入を迷っている場合、口コミやレビューを参考にするケースが多いですから、優良顧客の評価は高い効果を期待することができるのです。
近年の通販市場では顧客重視の考えが広まっており、その中でこのリレーションシップマーケティングは非常に有効な手法と言えます。
現在はスマートフォンなどの端末が広く普及しており、顧客個人とコミュニケーションをとることが容易ですので、これをうまく活用し効果的にマーケティングを行うことが重要となります。