現在の通信販売では、新規の顧客の獲得が非常に難しく、コストに見合う効果が得られなくなっています。
そのため、既存の顧客の維持に注力し始めるケースが増加しています。
このような状況の中で、注目を集めているのが、顧客の囲い込み背戦略です。
この戦略は、既存の顧客を維持し、固定客に育てていく戦略であり、現在の状況においては非常に有効な戦略と考えられています。
そこで今回の記事では、囲い込み戦略について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
囲い込み戦略とは、既存の顧客を維持しながら、固定の顧客とするための戦略のことであり、競合他社に顧客が流れないように囲い込むように施策を行うことからこの名で呼ばれています。
この戦略により、顧客を固定することができれば、継続的に商品やサービスを利用してくれることになり、安定した収益を上げることが可能となります。
すなわち、これにより、経営を安定させることができると言うことです。
また、この戦略が重要視されているのは、現在の市場の動向も影響しています。
近年、市場は拡大化を続け、商品は飽和状態となっています。
そして、それにもかかわらず、消費活動は減少しているのです。
つまり、たくさんの商品が販売されているのに、消費者は商品を買わなくなってきているということです。
このような状況において、新規の顧客の獲得は困難であり、さらに、新規顧客獲得にはコストがかかります。
コストをかけても、顧客が獲得できれば良いですが、コストに見合う効果を得ることは現状では難しいのです。
一方、この戦略は、一度購入した顧客に対する戦略であるため、新規顧客獲得のように労力やコストがかからず、それでいて、経営を安定化させることができるという利点があるのです。
このようなことから、この戦略を重要視する企業は多くなっているのです。
事業を運営していくうえで、この囲い込み戦略は非常に重要となる戦略であり、いくつもの利点があります。
その利点としてまず挙げられるのが、前述にあるように、収益を安定させると言うことです。
この戦略により、顧客が固定されれば、商品を継続して購入してくれる可能性は高くなるわけです。
つまり、安定した収益を上げることができることになり、経営も安定させることができるのです。
次に挙げられるのが、新規顧客獲得のコストを削減できると言うことです。
しかし、すべての顧客は、そもそも新規の顧客であるのですから、新規の顧客獲得を辞めることはできません。
事業を行っていくうえで、新規の顧客獲得は欠かせないことであり、その一切を辞めると言うことはできないのです。
つまり、新規顧客獲得に全くコストをかけないというのではなく、囲い込み戦略により新規顧客獲得のコストを削減することができるということなのです。
実際に、新規顧客獲得のコストは、この戦略にかかるコストの5倍以上かかるとも言われています。
この戦略では、これを大幅に削減することが可能なだけではなく、少ないコストで多くの収益に繋げることができるのです。
また、この戦略により顧客の継続利用が増加すると、顧客データが収集できるという点も利点として挙げられます。
事業を行っていくうえで、顧客のデータは非常に貴重な情報であり、データが多ければ多いほど、その精度が上がるのです。
そして、そのデータは、新しい商品の開発や今後のマーケティング戦略など様々な用途に活かすことができます。
また、顧客の詳細なデータから、顧客それぞれのニーズに合わせた対応ができるようになるため、さらなる囲い込みも可能となるのです。
さらに、この戦略により、客単価を上げることができるということも利点の一つです。
顧客を囲い込むということは、他の商品やサービスに顧客が流れていかないということだけではなく、囲い込んだ中でさらに顧客を客単価の高い優良顧客へ育成することもできるのです。
優良顧客は、商品やサービスを継続して購入してくれるだけでなく、より高額な商品を購入してくれる可能性が高くなります。
つまり、顧客を囲い込んで優良顧客に育成すれば、客単価が上がり、収益の向上が期待できるのです。
実際に、この戦略を行っていくには、顧客を組織化していくことが必要です。
具体的には、顧客だけで構成される組織を作り、そこへ顧客を誘導していくのです。
その際には、新しい情報を早く入手できる、ポイントが付与される、割引制度があるなど、そこに属することで得られるメリットを提示することが大切になります。
このように、他の顧客よりも優遇数遇することで、顧客はさらに企業に対し愛着や信頼を高めていき、優良顧客となる可能性が高くなるのです。
また、顧客は、他の顧客よりも優遇されていることを喜ぶものですから、一人一人とコミュニケーションをとることも必要です。
そして、さらに重要なのは、それらを継続して行っていくことです。
顧客は、いくら優良顧客になったからと言って、自身にメリットのない組織にいつまでも属していてはくれません。
有益な情報の発信やコミュニケーションをとることを怠れば、せっかく囲い込みに成功しても、すぐに顧客は離れていってしまうのです。
そのようなことにならないためには、それらを継続して行っていくことが重要となるのです。
現在の拡大化し続ける市場においては、この戦略による既存の顧客の維持が必須となります。
競合が増え、新規の顧客の獲得が難しくなっているのですから、既存の顧客を大切にしていかなければ、経営を安定させることはできないのです。
また、この戦略は、今回説目したように、企業にとってもメリットが多く、取り組みやすい戦略と言えます。
新規顧客獲得にかかる労力やコストが削減される分、この戦略に注力することで、安定した収益を確保することが可能となるのです。