高齢化が進む日本において、近年高い注目を集めているのがシニア市場であり、それに伴うマーケティングです。
実際に、多くの企業がシニア市場にチャンスを見出し、参入しているのです。
しかし、シニア市場の規模は拡大化を続けており、簡単に成功することは難しくなっているのが現状です。
現在のシニア市場では、多くの競合と同じことをしていても成功することはできません。
ほかの企業とは違う発想が必要となるのです。
そこで今回の記事では、シニアマーケティングの発想法について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
周知の通り、現在の日本は高齢化社会であり、今後も高齢化の割合は増え続けていくことが予想されています。
そのため、マーケティングにおいても、近年シニア市場が重要視される傾向が高く、市場規模は年々拡大しているのです。
実際に、多くの企業がシニア市場に参入していますが、成功しているケースはそれほど多くはありません。それらの多くは、シニアを正しく理解しておらず、シニア層の心を掴むことができていないのです。
つまり、シニアの市場規模は拡大し競合は増えていますが、シニアを正しく理解していれば、これから参入する場合でも成功するチャンスがあるということなのです。
上記のように、シニア市場で成功するためには、シニアを正しく理解することが大切です。
これは、すなわち、シニアとは何歳の人を指すのか、シニアとはどういった人たちなのか、どんなことに関心を持っているのか、どのようなライフスタイルなのかと言ったことを突き詰めて考えていくことです。
この中で、特に注意しなければならないのが、シニアとは何歳の人を指すのか?ということですが、これには明確な定義はありません。
一般的には、定年退職を迎える60歳からをシニアと呼ぶケースが多いですが、55歳から、もしくは65歳からと言うケースもあります。
そして、この60歳前後のシニアと呼ばれ始める世代と75歳以降の後期高齢者と呼ばれる世代では、ライフスタイルから趣味嗜好に至るまで、全く異なると言うことにも注意が必要です。
この点を考慮せず、シニア層を一括りとして考えても、シニアマーケティングが成功するはずはないのです。
よく考えて見ればわかることですが、同じシニアでも55歳と75歳では20歳も歳の差があるのです。
これを一括りに考えるということは、20歳と40歳のターゲットを一括りに考えているのと同じことであり、これには無理があります。
シニアにはシニアの中での段階があり、分類して考え訴求していく必要があるのです。
シニアマーケティングで失敗するケースでは、このシニアの分類を行っていないことが原因である場合が多くみられます。
また、シニアは保有している資産が多ことを見込んでいるケースも多い様ですが、資産が多いからと言って積極的に消費活動を行うわけではありません。
収入が年金だけになっている場合では、資産があっても消費には消極的なことが多いのです。
また、健康であれば、日常的に行動も活発になりますが、健康に問題がある場合にはそうはいきません。
日常の行動も制限されますし、その健康の問題にかかる費用を考え、消費の規模は縮小されてしまうのです。
こういったことから、シニアをマーケティングのターゲットと考える場合に重要となるのは、年金以外に収入があり、健康なシニアということになります。
これは、年代から言うと60歳前後から70歳前後のシニア層であり、このような層はアクティブシニアと呼ばれています。
アクティブシニアは、前述のように、年金以外の収入があり、健康に問題のないシニア層です。
そのため、行動も活発で、スポーツや旅行、趣味などに積極的に取り組んでいることが多いのが特徴です。
自身にかける時間や資産に余裕があるため、新しい情報にも敏感です。
そのため、この層にアピールするには、若い世代に流行している商品をシニア向けに提供するという発想が効果が期待できます。
具体的な事例では、若い世代を中心に流行したポケモンGOと言うゲームアプリが、シニアマーケティングを実際に行っています。
このゲームは、スマホの位置情報を利用したものであり、外を歩き回る必要があることから、シニアの健康促進に役立つという形で訴求を行ったのです。
この事例では、まず、シニア層は、若年層よりも健康に対する関心が高いことに着目をし、次に、シニア層も流行のものに関心があるということに着目したのです。
シニア層は流行しているからと言っても、ゲームやスマホの操作に自信がなく、自ら積極的に利用することはなかなかありません。
そのため、この事例では、使用方法などを丁寧に解説し、さらに、未経験者を集めてイベントを行うなどし、利用者を増やすことに成功しています。
この事例の成功のポイントは、シニアの健康志向に上手くはまったこと、若者と同じようにゲームを楽しむことができるとシニア層に訴求できたことです。
シニア層の多くは、シニアと呼ばれるのを嫌がるように、年を取っていることを認めたがらないものです。
しかし、ゲームやスマホを若者のように自由に操ることもできません。
この事例は、このシニア特有の心理をうまく利用し、ゲームは若者のものと言う発想を転換させ、マーケティングを成功に導いたと言えます。
このように、シニアマーケティングは、ただシニア向けの商品を提供するだけでなく、シニアの心を刺激する何かが必要となります。
上記の事例では、若者向けの商品を利用することでシニアを刺激することに成功しましたが、他にも、シニアが若い頃に流行した物を利用し、懐かしさでシニアの心を刺激すると言った方法なども考えられます。
シニア向けの商品を開発することも必要ですが、実際に現存する商品を、どのように訴求すれば、シニアに受け入れてもらえるかと考えることが、今後のシニアマーケティングにおいて重要になっていくのです。
シニアマーケティングだけでなく、マーケティングにおいて大切なのは、ターゲットを良く知ることです。
自社のターゲットが、どのような人物で、どのようなことに関心があり、どのような商品を求めているのかを突き詰めていくことが重要なのです。
しかし、シニアマーケティングでは、年例に幅があり、ライフスタイルが大きく異なるシニア層を一括りに考えてしまいがちです。
このような状況で、マーケティングが成功するわけもなく、シニア層に受け入れられるはずもないのです。
シニアマーケティングを成功させたいのであれば、まずシニアを深く知り、正しく理解していくことが必要なのです。