ターゲティングは、マーケティングに携わっていなくとも、よく耳にする言葉です。
マーケティングの基本として、どの企業でも行っていることですが、すべての企業がターゲティングに成功しているわけではありません。
良く知られているからと言って、簡単に行えることではなく、成功するには正しい方法で行う必要があるのです。
そこで今回の記事では、ターゲティングについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
ターゲティングとは、マーケティングの基本であり、自社の商品やサービスを販売する際に、どの市場で売り出すのかを明確にすることです。
この市場とは、すなわち消費者のことであり、さまざまな層に分かれて存在しています。
しかし、この市場全てをターゲットとしても、現在の状況では、ビジネスとして成功することはありません。
自社に適した市場を絞り込み、その市場におけるニーズに合わせた商品やサービスを提供していくことが、現代においては重要となるのです。
そして、この市場を絞り込むことがターゲティングと呼ばれています。
ターゲティングは、マーケティングを行う際に不可欠な工程ですが、それだけを単体で考えるわけではありません。
マーケティングの戦略を立てる一連の流れの中で、ターゲティングを行っていくのです。
このマーケティング戦略は、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングと言う流れで行い、これらはそれぞれの頭文字をとりSTP分析と呼ばれます。
STP分析は、まずセグメンテーションから行います。
セグメンテーションは、市場を把握するために、細分化していくことであり、すなわち、市場をグループ分けするということです。
このセグメンテーションを行い、細分化された市場の中からどの市場を選択するのかと言う工程が、ターゲティングです。
ターゲティングでは、自社の商品やサービスの強みを生かせる市場を選択することが重要となります。
このターゲティングにより選択された市場において、自社の商品やサービスをどのような位置に置くのかを明確にするのかを決定するのがポジショニングです。
ポジショニングでは、自社の商品やサービスを競合他社とどのように差別化していくかが重要となります。
上記のように、ターゲティングは、マーケティング戦略を立てる上で軸となる、STP分析の流れの中に位置している工程です。
どの工程も欠かすことのできない重要な工程ではありますが、中でも特に重要となるのがこのターゲティングなのです。
このターゲティングを間違ってしまったり、的外れであった場合、商品やサービスが売れないと言うだけでなく、マーケティングにかけたコストが無駄になってしまうのです。
それほど、ターゲティングは重要なものであり、的確に行わなければならないのです。
的確なターゲティングを行うためには、選択したターゲットが適切かどうかを検証する必要があります。
そして、その際に用いられるのが6Rと呼ばれるフレームワークです。
これを用いることにより、ターゲティングが適切かどうかを検証することができます。
6Rとは、Realisticscale、Rival、Rateofgrowth、Rank、Reach、Responseからなり、すべての頭文字をとり6Rと呼ばれています。
初めの、Realisticscaleは市場規模のことを指しています。
市場規模は、その商品ごとに異なり、市場規模が大きければ売り上げも上げやすくなります。
しかし、資本の小さい企業が、いきなり規模の大きい市場を選択するのはリスクが大きくなります。
例えば、家電であれば、大容量の冷蔵庫は市場規模が大きく、競合に名だたる企業が揃っています。
競争が激しいため、ここにいきなり勝負をかけると言うのは、無謀としか言えません。
一方で、電子レンジであれば市場規模はそれほど大きくなく、ベンチャー企業であっても勝ち目があります。
ただし、市場規模が小さいほど、利益を出すのが難しくなりますので、その見極めが重要となります。
2つ目のRivalは、その名の通りライバル、つまり競合他社のことを指しています。
自社の商品やブランドの強みを生かすことができる市場であっても、競合が多数いる場合、マーケティングも困難となります。
そこで、まず、市場の競合他社を分析し、その市場において差別化が可能か、優位性を持つことができるかを確認することが重要となるのです。
3つ目のRateofgrowthは、市場の成長性を指しています。
競合が多すぎるのも問題ですが、競合が全くいない市場も問題となります。
競合が全くいないということは、その市場には今後の成長の見込みがないということが考えられるのです。
ただし、誕生したばかりの市場であれば、競合が少なくても、今後の成長が期待できる場合もあります。
このように、市場が今後成長するかどうかを分析することが必要となるのです。
4つ目のRankは、何を優先するかと言う、優先度を表しています。
セグメンテーションを行う際に、複数の市場を順位付けし、優先度の高い順に検証を行っていくと言うことです。
この市場の順位を付ける際には、ユーザーの男女比率や嗜好関心、分布情報などの情報を把握することが大切です。
SNSなどの影響で注目を集めている市場は、マーケティング効果も出やすく、優先順位が高くなる傾向がありますが、大切なのは市場のユーザー層と自社の商品やサービスが合致していることです。
いくら注目を集めている市場であっても、自社の商品やサービスにあっていなければ、成果に繋げることはできないのです。
5つ目のReachは、到達する可能性を表しています。
これは、選択した市場のターゲット層に確実に商品やサービスを届けられるのかと言うことです。
いくら他の条件が優れている市場であっても、商品やサービスを届けられなければ意味がありません。
届けられない要因には、地理的要因などがありますが、ターゲットに到達することができるかということを、事前に確認しておくことが重要なのです。
6つ目のResponseは、市場の反応のことを表します。
選択した市場に参入した際に、市場に存在するターゲット層はどのような反応をするのかを予想していきます。
意外性を狙っての参入の場合、拒絶されることも考えておく必要があるのです。
そのため、事前にターゲットの反応を測定することが重要となります。
その反応によって、改善策を考えることができますし、今後の施策に活かしていくことができるのです。
このように、的確なターゲティングを行うためには、この6Rと言うフレームワークに沿って考えていくことが必要なのです。
また、この6つの指標は、どれか一つに注目するのではなく、総合的に判断することが重要です。
市場規模が大きくても、差別化ができなければ意味がないですし、自社にあった市場規模でも、成長性がなければ意味がないのです。
つまり、1つの指標だけが優れていると言うのではなく、6つの指標全てにおいてバランスが優れていなければ、効果的なターゲティングは行えないのです。
ターゲティングは、マーケティングを行う上で行わなければならない重要な工程です。
実際に、マーケティングを行っている企業のほとんどがターゲティングを重要視しています。
しかし、そのすべてが的確なターゲティングを行えているわけではありません。
確度の低いターゲティングを行っているケースも多いのです。
そうならないためには、今回説明したフレームワークを活用する方法が有効です。
この6Rを使用することにより、効果的なターゲティングを行うことができるのです。