シニア層は、経済的に余裕があることから、現在マーケティングにおいて最も注目されている年代です。
しかし、すべてのシニアに余裕があるわけではありません。
シニアと一口に言っても、年代にも開きがありますし、健康状態、ライフスタイルによっても大きく隔たりがあるのです。
経済的に余裕があり、活動的とされるのは、シニア層の中でも比較的若く、仕事に就いている場合が多いシニアであり、このようなシニアはアクティブシニアと呼ばれています。
そして、シニア層にアピールする場合、このアクティブシニアをターゲットとするのが最も効果的と言われているのです。
そこで今回の記事では、アクティブシニアへのアプローチ方法について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
シニアとは、何歳からと明確に定義されているわけではなく、50歳以上をシニアととらえる場合もありますし、定年退職をした60歳以上をシニアととらえる場合もあります。
また、WHOの定義では、65歳以上がシニアとされています。
そのため、マーケティングにおいては、必要に応じて、それぞれ柔軟に判断することになりますが、一般的には、60歳以上をシニアとしているケースが多いようです。
このシニア層が、マーケティングにおいて重要とされ始めたのは、団塊の世代の定年がきっかけだとされています。
団塊の世代とは、1947年(昭和22年)から1949(昭和24年)の日本における第一次ベビーブームに生まれた世代のことを指し、この世代が60歳に達し、多くが定年退職を迎えた際には、シニア層の需要が大幅に拡大すると早くから期待されてきたのです。
しかし、この読みは当たらず、前評判ほどに需要が拡大することはありませんでした。その期待が外れた理由は、団塊の世代全てが大きな消費をもたらすアクティブシニアだととらえてしまったからだと考えられています。
このアクティブシニアと言う言葉は、前述の団塊の世代が60歳を迎えるにあたり生まれた言葉であり、還暦後や定年退職後も、趣味や様々な活動を意欲的に行う行動的なシニアのことを指します。
シニア層と同様に明確に定義されているわけではありませんが、一般社団法人日本アクティブシニア協会では、アクティブシニアを65~75歳の前期高齢者が該当すると定義しています。
上記のように、シニア層と一口に言っても、その実態は様々であり、年齢や性別、ライフスタイルなどによっても大きく異なります。
よって、マーケティングにおいて、シニア層をターゲットとする場合には、この点に注意し、適切なターゲティングを行うことが大切です。
上記のように、シニア層と言ってもその実態は様々ですが、その特徴に応じて4段階に分類することができます。
まず1つ目の層は、前述のアクティブシニアと呼ばれるシニア層です。
この層は、就労健常者とも呼ばれ、名前の通り健康状態に問題はなく行動的であり、仕事に就いているため購買力も高くなります。
次に2つ目の層は、非就労健常者と呼ばれるシニア層です。
こちらも名前の通り、健康状態に問題はなく行動的ですが、仕事に就いてはおらず年金生活であるため、購買力はアクティブシニアよりも低くなります。
3つ目の層は、介護予備軍と呼ばれるシニア層で、要介護者、要支援者となる可能性が高く、健康増進や予防医療に関心が高いですが、年金生活者であり、購買力は低くなります。
4つ目の層は、要支援・要介護者のシニア層で、何らかの介護サービスや支援を受けながら生活をしているため、購買力はほとんど無いと言えます。
以上のように、シニア層は4段階の層に分類することが可能であり、この中でターゲットとするべきは、購買力のあるアクティブシニアとなります。
このアクティブシニアの特徴は、仕事に就けるほど健康であり、趣味にも積極的で行動力があること、自身の価値観を大切にしこだわりが強いということが挙げられます。
実際に、アクティブシニア層を対象に行ったアンケートでは、「現在の楽しみは?」と言う質問に対し6割以上が旅行と答え、3割が運動やスポーツ、2割が買い物と言う結果が出ています。
このことからわかるのは、アクティブシニアは、積極的に外出することを好み、経済的にも余裕があるため、消費にも積極的だということです。
そのため、この層にアプローチすることは、マーケティングにおいて非常に効果的となるのです。
ただし、この世代は、若い世代と同様のマーケティング手法でのアプローチでは効果が得られないことが多くなっています。
近年、シニア層のインターネット利用率は上がってはいますが、商品を購入するとなると、いまだ、インターネットを避ける傾向が高いのです。
従って、通常のWEBマーケティングでは成果はあまり期待できないのです。
アクティブシニアにアプローチするには、この世代に最適な媒体や訴求方法を選択することが必要となります。
アクティブシニアが、従来から利用することが多い媒体は、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4大マスメディア、いわゆる4マスです。
アクティブシニアはこれらから得られる情報を高く信頼する傾向があり、中でも、特に信頼が高いのが新聞であり、定期購読率も他の世代と比べて高くなっています。
よって、アクティブシニアの獲得を狙うのであれば新聞を中心とした4マスの利用が効果的と言えるのです。
通販業界では、近年シニア層が注目を集めており、多くの企業がシニアに対するマーケティングに注力しています。
中でも注目されているのが、今回説明したアクティブシニアであり、シニア層にアプローチを行うのであれば、購買力のあるこの層に行うのが効果的なのです。
ただし、アクティブシニアはあくまでもシニアであるため、通常のWEBマーケティングでは効果が得られないケースが多くなっています。
効果を最大限にするためには、アクティブシニアの特徴を正しく理解し、それにあった訴求方法を選択することが重要となります。