日本のD2Cブランドに足りないモノとは?

D2C市場は、昨今のECの需要拡大を受け、順調に成長していると言われています。

しかし、海外のD2Cブランドと比べた場合、日本のD2Cブランドの成長は、それほど目覚ましいものではないのです。

その理由はいくつかりますが、中でも大きな理由が、日本のD2Cブランドには足りないモノがあると言うことなのです。

そこで今回の記事では、日本のD2Cブランドに足りないモノについて説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

なぜ日本のD2Cブランドは大きく成長しないのか?

D2Cは、製品の企画段階から販売に至るまでを自社内で内製し、消費者に直接販売をするビジネスモデルです。

このビジネスモデルは、アメリカから世界中に広まり、日本国内にも数年前から普及し始め、数多くのD2Cブランドが誕生しています。

既に、アメリカでは、ユニコーン企業と呼ばれるほどに大きく成長するブランドがいくつも出てきており、もはや主流のビジネスとなっているのです。

一方、日本でも、D2C市場は拡大し、消費者からの支持を集めるD2Cブランドも出てきていますが、アメリカほどに大きく成長するケースは見受けられません。

これは、日本とアメリカの新しいビジネスを取り巻く環境に大きな違いがあることが大きな理由ですが、日本の文化や日本人の性質も影響していると考えられているのです。

日本は、そもそもものづくり大国とも呼ばれるほど生産技術の優れた国です。

しかし、技術は一流であっても、アメリカのように、コミュニケーションをとることや素早い意思決定が苦手とされているのです。

コツコツとモノを作ることが日本人の得意分野であり、何かを伝えることが上手くできないのです。

このような性質が、日本のD2Cビジネスにも大きな影響を与えているのです。

D2Cビジネスが、デジタルを活用して消費者とコミュニケーションをとることやメッセージを伝えていく事が重要であるとは分かってはいても、良い商品を作れば売れると言う旧態依然の考え方がいまだに根強く残っているのです。

日本のD2Cブランドに足りないものとは?

しかし、現代は、既に良い商品を作れば売れる時代ではなくなっています。

商品やサービスの品質の水準は向上しており、消費者は既に十分満たされているのです。

その中で、いくら良い商品を作っても、競合の商品との差別化は難しく、多くの商品の中に埋もれてしまいます。

現代は、商品の品質や魅力だけでは、消費者の支持を得ることができないのです。

商品の品質が良いことや魅力があることは、現在では当然のことであり、前提条件であるのです。

それよりも、その商品の魅力や、なぜその商品がうまれたのか、ブランドがどのような理念を持っているかなどを消費者に伝え、商品やブランドに付加価値を与えることが重要となっているのです。

日本のD2Cブランドが成長していくためには、消費者に積極的にメッセージやストーリーを伝えていく必要があるのです。

そして、そのストーリーに求められるのが、分かりやすく理解しやすいことです。

消費者の多くは、難しい話や難しい表現が含まれている情報に関心を持ってはくれません。

より多くの人に伝えるためには、誰にでも分かるストーリーを作り出すことが必要なのです。

現代は、インターネット上に膨大な情報が溢れており、誰でも簡単に情報を入手することができます。

消費者は、その多くの情報の中から、自身に必要な情報を選択しているのです。

その取捨選択に、分かりやすいことは重要な役割を果たします。

また、このストーリーの分かりやすさは、ブランド側にとっても役立ちます。

消費者に、ブランドのストーリーを伝えていくためには、まず、ブランドに関係するスタッフがこれを正しく理解し、魅力を感じていなくてはなりません。

伝える側がきちんと理解していないものを、いくら伝えても、消費者に伝わることはないのです

そして、その伝える側の理解を深めるためにも、分かりやすいことが重要なのです。

ブランドや商品の魅力を、分かりやすい優れたストーリーで伝えることができれば、例え競合が多く存在していても、消費者の心を掴むことが可能となります。

商品の品質や性能などで勝負することが難しくなっている現代では、ブランドが存在感を示すためには分かりやすいストーリーが必要なのです。

まとめ

日本は、世界的に見ても、商品の品質が高く、優れた技術を持っています。

しかし、時代は変わり、既に、それだけでものが売れる時代ではなくなっているのです。

現代の消費者は、今回説明したように、商品そのものよりも、その商品やブランドのストーリーに強い関心を示すようになっています。

海外のD2Cブランドは、このストーリーの訴求が重要であると理解しており、分かりやすい優れたストーリーをいくつも生み出しているのです。

日本には、世界とは異なる性質が多くありますが、それを踏まえた上でも、優れたストーリーを生み出すことは欠かせないことであるのです。