D2Cは、現在最も注目されているビジネスモデルであり、多くの企業が高い関心を示しています。
しかし、その多くはスタートアップ企業であり、一般的な知名度は全くありません。
そのため、ブランド立ち上げ時には、まず一般の消費者にブランドを認知してもらうことが重要となるのです。
そこで今回の記事では、D2Cビジネスにおける認知度について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
D2Cは、商品の企画段階から販売に至るまでを内製する仕組みのビジネスモデルであり、全てをデジタルで完結できると言う特徴があります。
このビジネスモデルは、現在では広く知られていますが、その歴史は意外と浅く、誕生したのは2010年とほんの10年前のことであり、日本国内に普及し始めたのは2013年頃からと言われています。
その後、数々のD2Cブランドが誕生し、様々なメディアで取り上げられるようになり、現在市場は急速に拡大化を続けています。
今後もD2Cビジネスに参入する企業は増加していくと考えられていますが、D2Cが流行っているからと言った安易な考えで、D2Cビジネスに参入すると言うのはいささか問題があります。
D2Cビジネスとは、考えているほど簡単なビジネスではなく、それどころか、従来よりも難易度が高いと言われているビジネスなのです。
特に問題となるのが、ブランドのスタート時には、そのブランドや会社自体に全く知名度はなく、デジタルを駆使したマーケティングにおいて、一からブランドを築き上げていかなくてはならないと言うことです。
そして、このデジタルマーケティングと言うのは、マーケティングの中でも難易度が高く、活用していくのが難しいとされているのです。
実際に、現在成功しているD2Cブランドの中でも、認知度を上げ顧客を獲得するまでに、かなりの時間がかかっているケースが多くあります。
これらのブランドは、ブログやSNSなどをうまく活用し、長い時間をかけて地道に顧客とコミュニケーションをとり続けることにより、顧客からの支持を得ることに成功しているのです。
つまり、それほど、D2Cのマーケティングは難しいのです。
それと言うのも、D2Cにおいてマーケティングとは、従来のように、不特定多数の消費者に広くアピールするものではないからなのです。
従来では、とにかく広告を打ち、できるだけ多くの消費者に認識してもらうことが重要とされてきました。
しかし、D2Cのターゲット層は、細かくセグメント設定されているため、それほど広くアピールする必要はないのです。
D2Cの場合、いくら高いコストをかけて広告を打っても、有名なメディアに取り上げられても、それを見た消費者の中から、自身のブランドの顧客になり得るのはほんのわずかでしかありません。
いくら広くブランドを知ってもらっても、それらの消費者が、自社の顧客になってくれなければ何の意味もないのです。
つまり、従来のような派手なPRはD2Cには全く必要ないのです。
D2Cでマーケティングを行い、認知度を上げるためには、自身のブランドのターゲット層にアピールしなければ意味がないのです。
そして、そのためには、そのターゲット層についてできる限り詳しく知る必要があります。
有名なメディアに取り上げてもらうにしても、自身のブランドの顧客になってもらいたい層が、どのようなメディアを利用しているのかを調べ、その特定のメディアを活用しなければ、ターゲットにアピールすることはできないのです。
そのターゲット層の嗜好、関心、行動、ライフスタイルなど、詳しい情報をできるだけ多く入手し、それを徹底的に分析して、効果的にリーチすることがD2Cマーケティングにおいて最も優先されることなのです。
そして、これによって、自身のブランドを本当に使ってもらいたいターゲット層を確実に獲得していくことが可能となるのです。
D2Cと言うビジネスは、ブランドを築いていくビジネスです。
自社でこだわりぬいて作り上げた商品を、それを必要とする顧客に提供し、商品に満足してもらい、繰り返し使ってもらうことが大切であり、それを繰り返すことで、ブランドの価値を高めていくのです。
これは、従来のビジネスとは全く異なる考え方でであり、それ故に、認知度を上げるための方法も全く異なるものとなるのです。
国内のD2Cブランドは、そのほとんどが、素材から製法までこだわりぬいた品質の良いものを取り扱っています。
そしてそれらを、その品質に見合った適正な価格で販売しているのです。
しかし、いくら良い商品であっても、まず知ってもらわなくては意味がありません。
自社ECで商品を販売しても、名も知らぬブランドを探し当てて訪れてくれる消費者はいないのです。
どのようなサービスであっても認知してもらわなくては先へは進めないのです。
しかし、そのための方法は従来の方法とは異なります。
今回説明したように、D2Cには、その特徴に合わせた方法が必要となるのです。