美味しいだけでは売れない!食のD2Cを成功させるには?

D2Cブランドと言うと、アパレルブランドや日用品ブランドが多いと言うイメージが強くありますが、D2Cには、他のジャンルからも多くのブランドが立ち上げられています。

その中でも、最近になって急速に増えているのが食品を扱うD2Cブランドです。

しかし、そもそもECにおいて食品を取り扱うのは難しいとされており多くの食品D2Cブランドがこの難しさに直面しているのです。

そこで今回の記事では、食品D2Cの難しさについて説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

食品D2Cが増えている理由

D2Cビジネスは、ここ数年と言う短い間に急速に成長し、年々市場を拡大し続けています。

市場には、様々なジャンルのD2Cブランドが誕生しており、現在も続々と新たなD2Cブランドが立ち上げられています。

その中で、最近になって特に注目されているのが食品を取り扱うD2Cブランドです。

この食品D2Cが注目されているのは、食品を扱うEC市場全体が勢いを増していることが背景にあります。

昨年より続く新型コロナウイルスの流行により、店舗型の飲食店を利用する人は激減しました。

その状況は現在においても改善されておらず、多くの飲食店が厳しい状況に置かれているのです。

そして、その飲食店を以前のように利用できない消費者の多くが求めるようになったのが、食品ECなのです。

このコロナ禍は、EC市場全体の利用者を大幅に押し上げており、それに伴い食品ECの利用も急激に増えているのです。

その食品ECの成長の影響受け、加速度的な成長を見せているが食品D2Cなのです。

また、苦境に立たされている飲食店側もこの食品D2Cビジネスに期待をかけています。

店舗に訪れてくれる人が大幅に減っているわけですから、飲食店が生き残るためには、早急に他の販売チャネルを開拓しなければならない状況となっているのです。

食品D2Cの難しさ

しかし、一般的なECと比べ、食品を扱うECはそう簡単に上手くいくものではありません。

飲食店においてその場で食事を提供するのと、食品を自宅まで配送するのでは大きな違いがあるのです。

特に問題となるのは、美味しければ売れると簡単に考える事業者が意外と多いということです。

確かに、料理が美味しい飲食店は多くの人を集めることができます。

しかし、料理は美味しいのにあまり人が入っていない飲食店も実際にありますし、料理はいまいちなのに人が集まる飲食店もあるのです。

これは、料理の美味しさだけでなく、宣伝や店舗の立地、店舗の雰囲気など様々な要因が複雑に関係しているのです。

そして、それは食品D2Cでも同じなのです。

いくら取り扱う食品の味に自信があっても、それだけでは消費者の目に止まる可能性は低いですし、関心を引くことはできないのです。

また、ECならではの事情も大きく影響しています。

その事情と言うのは、ECでは、食品はすぐに食べるものではなく、自宅まで配送するものであると言うことです。

店舗であれば、出来立ての料理をすぐに食べてもらうことができますが、ECで食品を扱う場合には、食品が消費者の手元に届くまでに時間がかかります。

そのため、どのようにすれば、食品が届いた時に最も美味しく食べてもらえるかを考えなくてはならないのです。

食品の場合、常温で配送できるものは日持ちのするものに限られています。

多くは、冷蔵や冷凍で配送する必要があり、それを状態を保てるように保存しておく方法も考えておかなくてはならないのです。

そのため、食品D2Cにおいて、まず大切なのは、その状況において、ECでの販売に適した食品は何かを考え、最も適した食品を販売することなのです。

また、常温配送ができない食品は、冷蔵や冷凍便を利用するため、配送料が高くなることも、食品D2Cの大きな問題です。

日本の消費者は、送料無料に慣れてしまっており、多くがその概念を強く持っています。

商品には関係なく、送料が無料ではない、送料が高いと言ったことで購入を断念してしまうケースも多いのです。

そのため、多くの事業者が送料を自社で負担し送料無料としたり、送料を値引きするなどの対応で消費者を集めています。

しかし、その配送料の負担と言うのは、考えているよりも事業全体に影響を及ぼすものなのです。

そもそも飲食店は原価率が高く、利益が上げづらいビジネスと言われています。

いくら売り上げが良くても、原価が高いのですから、利益はそれほど上がらないのです。

その食品をECで取り扱うわけですから、食品D2Cも同様に利益が上げづらいのです。

そして、ECでは、それに加えて配送料の問題が関わり、さらに利益が上げづらい状況になってしまうのです。

まとめ

これらのことから、食品D2Cを成功させるためには、まず、美味しければ売れると言う考えを捨て、ECでの販売に適した食品を選ぶこと、そして、常温配送ができない場合に、送料をどこまで負担するかを解決しておくことが必要となります。

目先の売り上げだけに気を取られずに、原価や送料のことを十分に考慮し、利益を残すことを考えることが重要なのです。