サブスクリプションビジネスに有効な「感情マーケティング」

今、「サブスクリプションビジネス」がビジネス業界で非常に流行しており、大手企業をはじめ、多くの企業が導入を開始していることでしょう。

サブスクリプションとは、企業が顧客に一定期間商品やサービスを提供し、月額や年額として利用料金を回収するビジネスモデルです。

特にIT業界では大きな広がりを見せていたのですが、今では製造業や小売業での新しいビジネス形態としてサブスクリプションが主流になりつつあります。

なぜここまで大きな広がりを見せているのか、それには顧客の価値観の変化が大きく関わって来ているでしょう。

従来の売り切り型ビジネスであれば、モノの価値を「保有」することから、モノの価値を気軽に利用することができることに変わってきているのです。

サブスクリプションサービスを提供している企業は、自社商品やサービスの認知度を向上させるため、さまざまな方法でメッセージを発信するかと思いますが、「感情マーケティング」が非常に有効であることをご存知でしょうか。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスに有効な「感情マーケティング」についてお話ししていきたいと思います。

今後サブスクリプションビジネスを展開しようと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

感情マーケティングとは

感情マーケティングとはその名の通り、顧客の感情の働きかけ、購買意欲を刺激するマーケティング方法です。

感情マーケティングを行うには、人間はどんな時どんな風に気持ちが動くのか、ということを知っておかなければなりません。

顧客の欲求をかき立てることで、商品やサービスの購買率が向上します。

感情マーケティングの概念を理解する上では、顧客の「欲しい(want)」という気持ちを刺激することであり、「必要性(need)」を刺激するのではないことを理解しておきましょう。

欲しいという感情は、人間の本能でありますので、購入判断の際にニーズを越えた強い影響力を及ぼします。

人の購買行動の大きな要素となっているのは「感情」です。

「話題の商品やサービスを試したい」「美味しそう」「憧れ」などの感情こそ、商品に強い興味を抱かせる原動力になるのです。

感情マーケティングは、人の根源的な欲求を理解し、それに応えることで利益に繋げることができるのです。

サブスクリプション感情マーケティング事例

感情マーケティングの事例として、「洋服の青山」を挙げてみましょう。

洋服の青山はスーツの販売を行っているBtoC企業であり、リクルーター向けからシニア層まで幅広く取り扱われています。

この洋服の青山が、「わかりにくくてすみません。」と大きく書かれ、人が謝罪をしているメールマガジンを配信したのです。

このメールマガジンを配信した最終的な目的としては「消費増税」なのですが、消費増税の話は一切せず「これまでの料金表示のわかりにくさ」「スーツ業界特有の複雑さ」を、「日本で一番スーツを打っている我々」「社長自ら」「我々もその一端を担ってきた」「社長の私がいちばん大切なことを見失っていた」「申し訳ありません」と謝罪をする、ということです。

これは多くの洋服の青山ユーザーの目を惹き、「面白いことをするな」⇒「潔いな」⇒「応援したくなった」⇒「今度またお店に行ってみよう」という感情に変化したのです。

これこそ感情マーケティングであり、今サブスクリプションビジネスにおいても必要とされているのです。

ネットマーケティングのジャンルを見ると、もうすでに感情マーケティングが実施されており、消費者を揺り動かす効果があると考えられているため、重要視すべきだと言えるでしょう。

「機能⇒課題解決⇒快適」という流れの「快適」の中には、「感情(emotion)」に訴えかける手法が必要なのです。

ですが、感情マーケティングはやりすぎてしまうと、あざといと捉えられたり、欺瞞に感じられることがありますので、少し難しいのですが、取り入れるべきマーケティングだと言えるでしょう。

感情マーケティングに関係する価値観

感情マーケティングを実践する場合、どんな価値が顧客の感情に働きかけることができるのか、ということを想定しなければなりません。

顧客の購買意欲をかき立てるためには、ポジティブな感情だけではありません。

感情の種類を見極めた上でのマーケティング戦略が大切なのです。

話題性やトレンド感があるものは、新しいものや流行に敏感な人の心を動かし、有名や老舗である場合は、信頼や実績を求める人の心を動かし、おしゃれやかわいいかっこいい場合は、好みのスタイルを実現したい人の心を動かし、芸能人や著名人が使っている場合は、憧れの人に近づきたい人の心を動かし、特殊性や専門性が高い場合は、機能性以上の特別感や信用を求める人の心を動かします。

これらの価値は、性能や性質の属性とは異なりますので、これに加えて感情マーケティングを行うことで、購買意欲の後押しに繋がり、利益に大きく貢献するのです。

まとめ

以上、サブスクリプションビジネスに有効な「感情マーケティング」についてお話しさせていただきました。

サブスクリプションビジネスでは、顧客の心理をいかに理解し、先回りをして課題を解決することが求められています。

この感情マーケティングを理解し、有効活用して戦略に取り入れてみてくださいね。