サブスクリプションは、近年注目を集めているビジネスモデルであり、現在では、一般の消費者にも広く普及しています。
しかし、市場が拡大化するにつれ、集客に苦労するケースが多くみられ、事業から撤退するケースも相次いでいるようです。
この状況の中で、生き残っていくためには、消費者から高い支持を得ることが必要であり、そのポイントとなるのが、サービスに設けられる制限です。
そこで今回の記事では、サブスクサービスにおける制限について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
サブスクリプションは、一定の金額を支払うことで、一定の期間商品やサービスを利用できる権利を得ることができる仕組みのビジネスモデルであり、近年目覚ましく成長を続けています。
現在では、あらゆるジャンルのサービスが提供されていますが、そもそも、このサブスクリプションは、ソフトウェアの配信サービスから広く普及し、一般の消費者には音楽、動画などの配信サービスが広く知られています。
現在、日本国内におけるサブスクリプション市場は参入する企業が相次ぎ、年々拡大化している状況です。
そのため、収益を上げられず苦労しているサービスも多く、撤退するケースも増加しています。
そのような状況の中で、結果を出していくためには、競合との明確な差別化が必要となり、そのポイントとなるキーワードがサービスに設けられる制限、そして、制限を設けない無制限です。
サブスクリプションの代表的なサービスである、配信サービスは、月額使用料を支払うことで音楽が聞き放題、動画などのコンテンツが見放題となる仕組みとなっています。
この際に、制限を設けることなく「無制限」にすることができるかどうかが重要なポイントとなるのです。
この無制限を取り入れているサービスには、音楽配信サービスのAppleMusicやSpotify、動画配信サービスのNetflixなどがあり、どのサービスもユーザーの高い支持を得ることに成功しています。
人はサービスに制限を設けられることに反発を覚え、制限のないサービスに価値を感じるものです。
同じようなサービスで、無制限のサービスと制限のあるサービスがあれば、無制限のサービスを選択するものなのです。
この無制限のサービスと言うのは、配信サービスだけに限られたものではありません。
今話題となっている、飲食店のサブスクサービスでも無制限を謳っているところも存在しています。
しかし、飲食店のサービスは、原価がかかるため、無制限とした場合に赤字となってしまうことが多いのです。
例えば、ラーメン店で無制限のサブスクサービスを提供した場合、一人のお客様が1日に何杯もラーメンを食べ、それを毎日続けられてしまったら、大赤字となってしまいます。
さらに、そういったいわゆる大食いのお客様が何人も見えたら、経営が立ち行かなくなってしまうのです。
そのため、飲食店のサブスクでは、1日にラーメン一杯までと言ったような制限を設けているのです。
お客様一人に対し、原価がかかる場合には、無制限を取り入れることは非常にリスクが高くなってしまうのです。
これは、飲食店でなくても同様であり、たとえ物質的なコストがかからない場合でも、人的コストがかかる場合には、同様に高リスクとなるのです。
それに対し、前述の音楽配信や動画配信などのコンテンツビジネスは原価がほとんどかからないものであるため、無制限サービスを取り入れやすいのです。
サブスクで無制限サービスを展開するのであれば、コンテンツの販売が最も適しているのです。
このようなことから、サブスクリプションで無制限を売りにするのならば、コンテンツビジネスを行うのが有効であると考えられます。
しかし、無制限ではリスクの高い飲食店など原価のかかるサブスクリプションにおいても、制限をなくすことは困難ですが、制限を少なくすることは可能です。
ビジネスを展開するうえで、収益を上げなくてはならないのは当たり前のことですから、サービスの利用に制限やルールを設けるのは仕方のないことです。
利用するユーザーも多少のことならば、受け入れてくれます。
しかし、制限の数が多く、サービスを提供する側の都合ばかりを押し付けるような設定では、ユーザーに選択してもらうことはできませんし、仮にユーザーを獲得できたとしても、すぐに離脱されてしまう可能性が高くなります。
例えば、話題となっている車のサブスクでは、契約期間が長く設定されている、中途解約には違約金が発生する、走行距離に制限がある、契約満了時に車両の状態に問題がある場合、実費支払いが発生する、カスタマイズ、喫煙、ペットの乗車の禁止、任意保険料が一定額で請求されるなどの制限があり、このほかにも多くの制限が設けられています。
自動車と言う高額な製品を提供するわけですから、ある程度は仕方のないことですが、月額の使用料もそれなりに高額であるため、自身で購入したほうが良いと言うユーザーの声も多く聞かれています。
実際に、TOYOTAが提供しているサブスクサービスは、消費者の支持を得ることができず、集客に苦労しているようです。
この事例は極端な例になりますが、サブスクサービスとは、従来よりも手軽にお得に利用できるサービスのはずです。
いくら高額な商品だからと言って、制限を設けすぎてしまえば、手軽に利用することなどできませんし、それならばいっそ購入したほうが良いと考えるユーザーが多くなるのは当たり前のことなのです。
従来のように、商品を購入し、それを所有するのではなく、必要な時に必要な分だけ利用できると言うのが、サブスクサービスの利点であるはずです。
しかし、多くのサブスクサービスでは、サービスに多くの制限を設けることにより、利用のハードルを上げ、自ら消費者を遠ざけるような行為を行っているのです。
今回説明したように、無制限と言うのは、原価のかかるサービスで取り入れるのは困難ですが、できる限り制限を減らすことは可能です。
あまりに制限が多すぎては、消費者の支持を得ることはできないのです。
しかし、制限を減らすことで、事業が立ち行かなくなってしまっては元も子もありません。
そのあたりをバランスを見極め、消費者の立場に立ってサービスを見ることが重要なのです。