単品リピート通販の記事をメインに書いていますが、今回はそれに似たビジネスモデルとして注目を集めているサブスクリプションについて書いていきたいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
日本語では「定額制」や「継続課金」と訳される「サブスクリプション」というビジネスモデルは、新聞や雑誌などのメディアが登場した頃から存在していましたが、近年このビジネスモデルを導入する業界が急激に増えています。
この現象の最も大きな要因は情報革命などによる新技術の発展といわれており、モノやサービスの利用・提供が簡単になったことによりサブスクリプションを導入できる業界が増えているのが実状です。
このようなビジネスモデルの変化は日常生活においても実感する場面が多いのではないでしょうか?
以前まで映像作品を自宅で鑑賞するためにはDVDやブルーレイを購入・レンタルしていたのに対し、現在NetflixやHulu、Amazon Primeなどの定額制配信サービスの利用者は年々増加の一途を辿っています。
スマホサービスでもアプリを使うときに、月額数百円で課金をしていくようなビジネスモデルで少額でも継続課金をしていくモデルは事業として安定しているため、大企業も続々と参入をしているのです。
このようなサブスクリプションの導入により最も影響を受けている業界の一つに音楽業界が挙げられます。
SpotifyやApple Musicなどの定額制配信サービスを既に利用している方も多いかと思いますが、2016年の段階で、ストリーミングの急成長によりアメリカの音楽業界は10年ぶりの売り上げを記録しています。
CDはもちろんのこと、とダウンロードの売り上げも下降しており、これらの売り上げは産業の総収入の21.8%にしか当たりません。
この割合は2016年以降も下降の一途を辿っており、日常生活においてサブスクリプションサービスを利用することは最早当たり前の光景と言っても過言ではありません。
近年ではフォトショップなどのソフトウェアを提供するアドビが、一切のハードウェア(CDなどの実物の商品)の販売を停止し、クラウド上での定額制アプリによるソフトウェアの提供(Adobe Creative Cloud)に移行したことも記憶に新しいですね。
Adobeのフォトショップなどは高額な商品で1つのソフトが10万円以上して完全にプロ仕様として定着していましたが、今では月額5000円前後で利用できるということで、利用者が大きく増えて、それにより売上は飛躍的に増加しました。
このように現在多くの企業ではソフトウェアはもちろんのこと、電気通信、印刷、人材紹介、消耗品、工業薬品などありとあらゆるモノやサービスの購入方法の見直しが進んでいます。
しかし、サブスクリプションモデルへの移行は必ずしも収益のみの問題ではありません。
会員制のシステムにも同様のことが言えますが、サブスクリプションは本来顧客との長期的な関係を保つためのものです。
さきほどソフトウェアの例であげましたが、1回で10万円回収するよりも、長期的に良好な関係を築いて月額5000円だとしたら2年以上の長期で利用してもらえるように企業側もアップデートを繰り返して価値を提供していくのです。
情報化社会という言葉が叫ばれて久しい昨今、企業はこのサブスクリプションをめぐって熾烈な競争を繰り広げています。
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ここではサブスクリプションの広がりによってどのように業界が変化し、一部で混乱が生じているかソフトウェア業界の一例をご紹介します。
テクノロジーの業界では、ソフトウェア業界がサブスクリプションへの移行を先導しました、ソフトウェアはデータをダウンロードすることができれば簡単に使うことができるからです、デジタル時代がもたらした恩恵だといえます。
ソフトウェアをネット経由で提供するサービス(SaaS)を利用すれば、わざわざ実店舗に行きソフトウェアのパッケージを購入する必要もなく、アプリの管理やアップデートの手間も省くことができます。
日本国内でも広まりつつあるセールスフォースは法人向けのSaaS市場のパイオニアとして、CRMソフトウェアを大小問わずどの規模の企業にも導入できるように提供を開始し、今や年間売り上げは80億ドルを超えています。
年間で80億ドルを超えているというのは、日本円で1兆円レベルの売上をあげていることになり、ますますこれから拡大が期待できる市場であるといわれています。
セールスフォースが先導したこの動きは瞬く間に広まり、テクノロジー業界では「クラウド」が主流になりました。マーケットシェアが変わり、技術革新により市場に混乱が生じた結果、既存の大企業も生き抜くためにクラウドベースのサービスへの参入をはじめました。
クラウドサービスを提供する企業を買収したマイクロソフトは、オフィス製品(WordやExcel等)を定額利用できる「Office365」を始め、デベロッパー向けのクラウドプラットフォーム「Azure」も提供しています。
クラウドコンピューティング(クラウド)は、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由して、コンピュータ資源をサービスの形で提供する利用形態です。
以前はWordやExcelはパソコンを買う際に高額なソフトとして、事前に入っているものでしたが、今では月額500円程度で複数のパソコンにダウンロードすることができる時代になりました。
またWordやExcelはバージョンが変わるごとにソフトを新しいものを買い換える必要がありましたが、ネットを通じてバージョンアップすればいいだけなので、こういった手間もなくなりました。
この記事をお読みの方も、Office365を使っているよって人が多いのではないかと思います、月額500円前後という価格だと、継続課金でも満足度を得られるし、パソコンの中に入っていないと不便だと感じるので、ずっと課金を続けられるわけです。
企業側にとっても非常にメリットがある、売上予測ができるということで、大手企業も経営の安定にサブスクリプションがあるのです。
単品リピート通販も物販に関して、サブスクリプションということができると思います、こういった継続課金モデルはこれからも成長市場といわれているのです。
ソフトウェア業界でクラウドとサブスクリプションが広がった一方、小売業界ではアマゾンがいち早くサブスクリプションモデルを導入しました。
現在動画配信サービスとしても知られているアマゾンプライムは、当初配送料が無料になるサービスとして始まりました。
その後アマゾンプライムはコンテンツの拡充やスピーディな対応、利便性の向上によって売り上げを飛躍的に増加させましたが、アマゾンは具体的にどのような方法でプライム会員を増やしていったのでしょうか?
答えはサブスクリプションに価値を付加する手法です。ここでは大きく分けて3つの付加価値を紹介します。
このようにアマゾンは顧客のニーズを見越して、サブスクリプションサービスに次々と価値を付加することでプライム会員数を増やしてきました。
Amazonのケースでは、早く届けること、便利に検索をできること、そして無料で動画を提供することでサイトへの滞在時間を長くすることで企業として顧客に満足度を常に提供をしているのです。
Amazonの場合にはプライム会員だけで数百万人といったレベルで会員がいます、月額数百円を各お客様からいただくと、毎月ストックビジネスとしてあり得ないほどのお金がAmazonへは収益として計上されるのです。
既にお気づきの方もいるかもしれませんが、ここには単品リピート通販にも適用できる点が多々ありますね。
商品自体の満足度を向上させることは大前提として、同梱物やメールによるアプローチ、コールセンターのオペレーション業務の効率化など商品を購入した顧客の満足度を上げるためには様々な付加価値を用意することが重要です。
先ほどWordやExcelなどが仕事などの効率化に役立ついうツールであることで、月額で500円という価格であっても、さらにバージョンアップを繰り返すことで将来にわたって何年も課金続けるモデルであると説明しました。
単品リピート通販でも顧客の声をベースにして商品のバージョンアップをして価値を提供し続けることができれば、何年にもわかって継続してリピートしてもらうことができるのです。
女性にとって化粧品や健康食品は今では生活必需品として浸透してきています、通販で買い物をするというネット通販市場も年々市場規模が大きくなってきているのです。
一昔前まではネットで商品を買うというのに抵抗がある世代というのがありましたが、今ではなんでもネット通販でしかもすぐに手元に商品が届き、安心して買い物ができる時代になったのです。
物流の進化やネット決済の進化、そして商品が届いてからの後払いサービスの充実、キャッシュレスで電子マネーでの支払いもできる、まさにこれから単品リピート通販はもちろんのこと、このサブスクリプションの経済はますます成長をしていくことは間違い無いでしょう。