サブスクリプションビジネスは、従来のビジネスとは異なる点が多いビジネスです。
これまでのビジネスの常識が通じないことも多く、意識の改革が重要になります。
また、ビジネスにおいて重要視するべき点にも違いがあり、中でも注意しなければならないのが、サービスの価格設定です。
たかが価格の設定と安易に考えるケースもあるようですが、初めの価格設定が、その後の収益にも影響を及ぼすことがあるのです。
そこで今回の記事では、サブスクの適切な価格設定について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
サブスクリプションビジネスにおいて重要となるポイントはいくつもありますが、その中でも、特に注意しなければならないのが価格の設定です。
同じようなサービスがこれくらいの価格だからと言った価格設定をするケースもあるようですが、そのような安易な設定ではその後のビジネスが成立しなくなる恐れがあります。
サブスクのようなサービスでは、初めの価格設定によって収益は大きく変わります。
また、そのサービスに顧客がどの程度価値を感じてくれるのかということを価格に反映させなければ、その後なぜ顧客が離脱したのかと言った検証が難しくなってしまうのです。
そのため、初めの価格設定は、十分に検討を重ねたうえで、慎重に行っていく必要があるのです。
サブスクビジネスは、新しいビジネスモデルであるため、スタートアップ企業が多いと言う特徴があります。
これらのスタートアップ企業の多くは、経験が少なく、初めの価格設定には保守的になりがちです。
競合との差別化を図るために、初めにあまりにも低い価格設定をしてしまうケースもあるようですが、そうしたケースでは、その後の値上げは通常よりも難しくなります。
価格の安さにつられて契約をした顧客は、値上げをすればそのほとんどが離れてしまう可能性が高くなります。
しかし、いつまでもそのままの価格では、収益を上げていくことは困難なのです。
価格の値上げや規約の変更など、顧客側に不利となる変更に対して、顧客から反発があるのは当然のことです。
価格が安いから契約をしたのにと顧客が考えるのは仕方のないことなのです。
しかし、そういった顧客がいる一方で、サービスの内容や機能が明らかに向上し、サービスの価値が上がっているのであれば、価格が上がっても仕方がないと考える顧客も多いのです。
従って、事業者側も初めに提供していたサービスから、明らかに向上したサービスを提供できていると判断できるのであれば、その分価格もしっかりと上げていくべきであるのです。
そもそもサブスクは、顧客に長く継続して利用してもらうために、常にサービスの価値を上げていくことが求められるビジネスです。
そのために、顧客とコミュニケーションをとり、顧客の情報を収集し、それを基に、顧客に最適なサービスを提供していくのです。
これは、顧客がサービスを利用する限り継続され、利用する期間が長くなるほどに情報の精度は上がり、提供するサービスの内容も最適化されていくのです。
このように、サービスの価値を向上させ続けることができているのであれば、それに相応する価格を求めるのは当然のことです。
サービスにその価格に相応する価値があると判断すれば、顧客は継続して利用してくれるのです。
ただし、十分な予告もなく価格を上げるのは、顧客の信頼を失う行為です。
サブスクは、従来のビジネスよりも、顧客との関係性を構築することを重要視しているビジネスです。
そのため、サービスの内容や機能を変更した、また、向上させた場合には、どのような点で変わったのか、どのように便利になったのか、どのような価値が提供されたのかということを、その都度しっかりと伝えていかなくてはなりません。
価格の変更は、このように顧客に対して十分な説明を行い、顧客が納得したうえで、行うことが重要なのです。
また、大幅な価格の変更も、顧客の信頼を失ってしまう恐れがあります。
顧客は、前述のように、その価値があると考えれば、値上げすることも仕方がないと受け入れてくれますが、あまりにも大きな変更は反発を招いてしまいます。
どうしても価格を大幅に上げる必要があるのであれば、時間をかけて徐々に上げていくことが望ましいですが、このような事態を招かないためにも、初めの価格設定を慎重に行うことが重要となるのです。
このような理由から、サブスクサービスにおいては、初めの適切な価格設定が重要となります。
初めに価格を低く設定してしまうと、その後の価格の値上げの際に、問題が発生する恐れがあるのです。
顧客は、安いことを求めてはいますが、同時に良質なサービスを求めています。
そして、良質なサービスであれば、多少価格が高くても仕方がないと考えてる消費者も多いのです。
そして、その後、サービスの内容が明らかに向上しているのであれば、その価値に見合った価格に変更するべきであるのです。
その際に、離れてしまう顧客もあるかもしれませんが、サービスの価値を理解してくれる顧客は、継続して利用してくれるのです。