限界が見えてきた?サブスクリプションビジネスの問題点とは?

サブスクリプションは、近年著しい成長を遂げているビジネスモデルであり、現在もその勢いは衰えていません。

市場は拡大化を続けており、ありとあらゆる業界がこのサブスクリプションビジネスに参入しています。

しかし、この何でもサブスクリプションというような状況が長く続くとは考えにくいことです。

そこで今回の記事では、サブスクリプションビジネスの限界について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

サブスクリプションとは何か?

サブスクリプションとは、そもそも定期購読の意味を持つ言葉であり、商品やサービスに対して代金を支払うのではなく、商品やサービスを一定の期間利用できる権利に対して代金を支払うビジネスモデルです。

世界中で広がりを見せているサービス形態であり、日本国内においては、ソフトウェア、音楽配信、動画配信などから広まりました。

これらは、月額の使用料を支払うことで、好きなだけ利用することができるというサービスであり、基本的にはサブスクリプションとはこのサービスのことを指しています。

ただし、サブスクリプションには、異なる形態のサービスも存在しており、物を売るサブスクリプションがこれに当たります。

この物を売るサブスクリプションは、従来から行われている販売方法である定期購入や頒布会の形態と同様、毎月継続して商品を購入する仕組みです。

また、物を売るサブスクリプションの中には、これらとは異なる特性を持つサブスクリプションコマースと呼ばれるサービスがあります。

このサービスは、毎月商品が定期的に届くという仕組みは定期購入や頒布会と変わりませんが、商品をサイト側がユーザーの趣味や嗜好を考慮してセレクトするサービスになっています。

サブスクリプションの現状

サブスクリプションは、近年で急激な成長を遂げたビジネスモデルですが、これほどまでに成長をした背景には、ユーザーの志向の大きな変化があると考えられます。

従来は代金を支払って物を購入し、それを所有すると言うのが一般的でしたが、それが物を所有せず好きな時だけ利用し、その期間の代金を支払うという考え方に代わってきているのです。

このユーザーの志向の変化がこのビジネスと上手く合致したことから、サブスクリプションは急速に広がりを見せ、この流れに遅れまいとあらゆる業界がサービスを提供し始めたのです。

現在でもサブスクリプション市場は拡大化を続けており、様々なサービスが提供されています。

そのサービスはありとあらゆるジャンルに及んでおり、何でもサブスクリプションと言うような状況になっているのが現状です。

しかし、すべてのサービスが成功しているわけではありません、成功例ばかりが目立ちますが、失敗例や撤退例も数多くあるのです。

前述のように、サブスクリプションが成長したのはユーザーの志向の変化とこのビジネスモデルの特性が合致したことが大きな理由と言えますが、それだけではここまで市場が拡大化することはありません。

サブスクリプションがユーザー側だけでなく、企業側にも大きなメリットがあるがために、多くの企業がこのビジネスに参入してきたのです。

従来のビジネスは、多くの企業が物を大量に作って売る売り切り型が一般的でしたが、商品が溢れかえる現在では、商品をいくら作っても、価格を下げても利益を上げることが難しくなってきたのです。

さらに、やっと商品を売ることができても売り切り型では一度購入すればそこで終わりですから、利益を得るためにはまた商品を作り、売り続けなくてはなりません。

多くの売り切り型の企業は、そのような状況に疲弊していたのですが、そんな時に全く反対の性質のビジネスモデルが現れました。

それがサブスクリプションビジネスであり、継続的に収益を得ることができる、企業にとって理想的とも言えるビジネスモデルだったのです。

こういった理由から多くの売り切り型の企業が、サブスクリプションに移行し始めたのですが、そのほとんどがサブスクリプションビジネスの本質を理解せず、ただ流れに乗っただけだと言えます。

そもそも、売り切り型ビジネスとサブスクリプションビジネスは、事業の構造から大きく異なる物であり、ただ課金システムのみを変えたところで、ビジネスとして上手く機能することはありません。

サブスクリプションビジネスは、必要な要件を満たす必要があり、その要件が揃って初めて機能するのです。

そして、現在提供されているサブスクリプションサービスのほとんどが、サブスクリプションの要件を満たしていないサブスクリプション的なものになってしまっているわけです。

こういった、サブスクリプション的な事業は遅かれ早かれ行き詰まるであろうと考えられます。

結果として、将来的にはサブスクリプションからの撤退が相次ぎ、サブスクリプション的な事業は淘汰されることが予想されます。

そうならないためには、サブスクリプションを正しく理解し、劇的にビジネスを変革する必要があります。

また、参入を検討している段階であれば、サブスクリプションが自社に最適なビジネスモデルであるかどうかを今一度見直すことが大切です。

まとめ

サブスクリプションは、上手く機能すれば継続的な収益をもたらす理想的なビジネスモデルです。

実際に成功を収めている企業もありますが、そういった成功例ばかりがもてはやされているため、安易に参入する企業が相次いでいるのです。

サブスクリプションビジネスは、そのような安易な考えで成功できるものではなく、成功するためには、サブスクリプションの本質を正しく理解することが重要なのです。