今商品やサービスの販売を行っている企業とって、「サブスクリプション」は見逃すことのできないビジネスモデルであると言えるでしょう。
サブスクリプションとは、そもそもは新聞や雑誌の定期購読、定期購買という意味で用いられていましたが、そこから派生し今では商品やサービスを一定期間利用したことに対してユーザーが金額を支払う購買方式のことを言うようになっています。
ソフトウェアや音楽配信、動画配信といったデジタル系サービスを中心に、ファッションや家電、車などにもその市場を広げていることでしょう。
サブスクリプションでももちろんあることなのですが、「安くても契約されないサービス、購入されない商品」と「高くても契約されるサービス、購入される商品」がありますよね。
もちろん、サブスクリプションビジネスを展開しているどの企業においても「高くても契約されるサブスクリプション」を目指しているかと思います。
そこで今回は、「高くても契約する」サブスクリプションユーザーの心理について、詳しくお話ししていきたいと思います。
サブスクリプションビジネスにご興味のある方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
世の中がデフレ経済であっても、消費者すべてが低価格指向というわけではありません。
あるアンケート調査によると、全体の70%以上の人が「自身がこだわるものであれば少し高くても購入する」という心理であることが分かっています。
ですが、こだわりのないものであれば、できるだけ安く済ませたいと考える方が多く、1人の消費者であっても考え方が二極化されていることがわかっています。
価格が高くても購入してもらうためには、こだわりを持った商品やサービスを提供し、モノや機能自体を高精度にし、消費者の心を動かすような品質、コンセプト、デザインが非常に重要になるのです。
消費者とのあらゆる接点において「このような考えのもと、こんな工夫をしていますよ」というストーリーを伝えることも非常に重要で、この傾向は今後も変わらないと考えられるでしょう。
生活定点から見た調査によると、「普及品を購入するより、値段が上がってもちょっと良いものが欲しい」と考える方は3割程度で男性の方が多く、「値段が高くても気に入れば購入する」と考える方は4割程度で20代の女性が多くなっています。
さらに最近では「こだわり」そのものの中身に変化が見られるようになってきており、「これでなくてはならない」という頑固なこだわりではなく、もっと軽くライトで移ろいやすいものになっているのです。
これもシチュエーションが大きく関わっていることが考えられるでしょう。
消費者の「所有」から「使用」へ、価値観が変わっていることこそ、サブスクリプションが主流になっている理由と考えられています。
つまり社会的に見てもオーナー志向よりもユーザー志向へ、そしてモノ経済からサービス経済へ変わりつつあるのです。
従来であれば、憧れのモノを自分だけのモノとして所有することに大きな喜びを感じていましたが、今の現実社会のさまざまなシーンにおいて、この価値観とは異なる行動が観られているのです。
ファッションであれば、ひとつのブランドでひとつの趣向のみでファッションを仕上げるのではなく、自分の気分やスタイル、シチュエーションに合わせて、その場に応じたファッションの決め方が好まれるようになってきているのです。
車であっても「いつかはクラウン」と考えられていた時代とは違い、自動車は単なる交通手段と捉えるユーザーが多く、若年層が無理をして車を購入するよりも、利便性を最重視し、自身の経済状況や生活状況に合わせて、合理的に使い分ける、などといった価値観が広がっているのです。
このように、新しい時代の環境において、新しいプライジングがされ始めているのです。
そして、サブスクリプションビジネスこそ、「高くても買う」という消費者心理の根底を突いたビジネスを行うことができる、と考えられているのでしょう。
以上、「高くても契約する」サブスクリプションユーザーの心理について、詳しくお話しさせていただきました。
自社ユーザーは何を求めているのか、そしてサブスクリプションとして何を解消したいのか、そのことをしっかり把握し、プレミアムな対応を提供することで、「高くても契約されるサブスクリプション」にすることができるのです。
サブスクリプションビジネスは、ユーザーが納得して、喜んで利用し続けてもらうための最高の値段を見抜くことが重要です。
「高くても契約する」消費者の心理を理解した上で、顧客にとって最も最高だと感じるサブスクリプションサービスを提供してくださいね。