サブスクリプションWebサイトを運営する上で知っておくべき法律

数年前と比較すると、消費者の価値観に大きな変化が見られます。

「モノ」から「コト」へ、「所有」から「利用」へ変わってきており、「買うこと」を重視するのではなく「すること」を重視するようになってきました。

この時代の流れを牽引しているビジネスモデルこそ、「サブスクリプションビジネス」でしょう。

サブスクリプションビジネスでは、顧客ニーズに合う内容や要望、異なるプランが用意されていますので、利用した分や利用期間に応じて自動的に課金され、商品やサービスが提供される仕組みです。

今大手企業をはじめ、続々とサブスクリプションを導入する企業が多くなり、その市場は拡大していますので、サブスクリプションビジネスに取り組みたいと考えられている方も多いのではないでしょうか。

サブスクリプションビジネスを行うには、多くの場合Webサイトを立ち上げ、そのWebサイトを運営しながらサブスクリプションサービスを提供していきます。

このWebサイトを運営するにあたって、知っておかなければならない法律があることをご存じでしょうか?

そこで今回は、サブスクリプションWebサイトを運営する上で知っておくべき法律をお教えしていきたいと思います。

今後サブスクリプションビジネスの展開を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

知的財産権

知的財産権とは、Webサイトのみに限らず相手に何かを提供する際には必ず知っておくべき法律です。

自身が知的財産権に反しないためにはもちろん、自身が生み出した資産を悪用されないためにも、必ず理解しておきましょう。

知的財産権では「知的創造物についての権利」と「営業上の標識についての権利」に分けられ、その中でさらに細かく権利が分けられています。

Webサイトを運営する際には、「著作権」「著作人格権」「意匠権」「特許権」「不正競争防止法」「商法兼」の理解が必要でしょう。

著作権は、著作財産権のことであり、著作物の利用に関するものであり、複製、上映、上演、放送、展示、譲渡、付与などの与作物の財産的利用を行う権利です。

著作人格権は、著作者自身に対する権利であり、著作者委人格権は譲渡することができません。

その中でも細かく公表権、氏名表示権、同一性保持権、があります。

そして意匠権は、物のデザインを独占的に所有できる権利です。

「工業上利用できること」「新規であること」「創作が容易でないこと」という条件を満たす必要があり、特許庁に出願しなければなりません。

特許権は、国が特定の個人や方針が発明したものに対し、特定の権利を与えることです。

その発明を公開する代わりに一定期間独占的に利用することができます。

不正競争防止法は、意匠権や特許権のように特許庁に申請し認可される必要がなく、知的財産権を主張することができます。

商品の形態をコピーしたり、機密情報を不正に入手された場合、商品を誤認させるような行為が行われた際にはこの権利が適応されます。

そして商標権は、自社商品と他社商品の区別を図るための、記号や文字などのマークを独占的に使用できる権利です。

特許庁に出願し、認められた場合には、事業の資産として保護されるのです。

景品表示法

景品表示法は、不当な景品を提示したり不当な表示を制限することができる法律です。

顧客を誘引する手法として、付加価値を提供することが多いと思いますが、その付加価値は過大な景品の提供が禁止されています。

また、消費者に対し提示する商品やサービスの品質や価格などを掲載した広告やパッケージにおいて、不当に良いと思わせるような記載や不当に競合と比較し自社商品をよく見せる行為は禁止されています。

迷惑メール防止法

迷惑メール防止法は、インターネットやスマートフォンの普及により、迷惑メールが社会問題になったことで施行されました。

今現在は、原則としてあらかじめメール送信に対して同意したユーザーにのみメール送信を行うことができる「オプトイン規制」や「送信者情報を偽った送信の禁止」、「送信拒否したものへの送信の禁止」、「送信者の氏名や名称など特定情報の表示義務」が定められていますので覚えておきましょう。

不正アクセス禁止法

不正アクセス禁止法では、他人のIDやパスワードを盗み無断で使用する「なりすまし行為」、Webサービスにおけるセキュリティの弱点であるセキュリティホールを攻撃し、本来では制限のあるサービスのアクセス制御を突破し、そのサービスを使用する行為、そして「不正アクセスを助長する行為」、「他人のIDやパスワードを保管する行為」「他人にIDやパスワードを入力させる行為」は禁止されており、罰則対象になります。

プロバイダー責任法

プロバイダー責任法は、インターネット上で名誉棄損や著作権侵害があった場合、その場を提供したプロバイダーと管理者に対する責任を規定する法律です。

プロバイダーとは主に、Webサイトや掲示板、アプリなどのWebメディアに適応されます。

個人情報保護法

個人情報保護法は、個人情報を取り扱うすべての事業者の義務として定められている法律です。

「生存する個人の情報」「個人データ・保有個人データ」「利用目的の特定と制限・通知」「正確性の確保」「安全管理」「開示と訂正」が適用されています。

サブスクリプションをはじめ、オンライン上で提供されるサービスが充実し、消費者の生活の利便性が高まる一方で、得ることができる個人情報の種類や量も各段に多くなっています。

個人情報保護法に関する対応と理解は、企業全体で進める必要があるでしょう。

まとめ

以上、サブスクリプションWebサイトを運営する上で知っておくべき法律についてお話させていただきました。

Webサイトを運営するということは、常にあらゆるリスクにさらされ、世界中の法律を意識する必要があります。

良いと思って行ったことが法律違反であったり、悪意のある第三者によって知らぬ間に違法行為に加担していたということもあります。

「知らなかった」では済まされませんので、Webサイトに関する法律は絶対に理解しておいてくださいね。