「サブスクリプションビジネス」とは、新たなビジネスモデルとしてIT業界を中心に注目を集めているものです。
サブスクリプションビジネスとは、企業がユーザーに商品やサービスを売り切るのではなく、商品やサービスを提供し、それらを使用するための「権利」を売る、というビジネスモデルです。
環境問題や人の価値観によって、モノを利用することへの意識が大きく変わり、モノを所有することに利点を感じるよりも、モノを利用することのほうに利点を感じる方が増えたことで、このサブスクリプションは非常にその価値観の変化に合っていると言えるでしょう。
このサブスクリプションサービスは年々拡大を見せており、そのサービス拡大と共に注目を集めているものが、「チャーンレート」です。
サブスクリプションビジネスを行うする上で、このチャーンレートは必要不可欠になるものですが、それはなぜなのでしょうか。
そこで今回は、サブスクリプションビジネスにおいて知っておくべき「チャーンレート」について、詳しくお話ししていきたいと思います。
サブスクリプションビジネスにご興味のある方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
チャーンレートとは、顧客維持に関する指標であり、「解約率」のことを意味します。
今どれくらいの数の顧客を維持し、それにはどれくらいの価値があるのか、ということを知るデータになります。
チャーンレートを正確に把握しておくことで、今現段階での事業分析や今後の課題に対する対策を考案することができるのです。
サブスクリプションビジネスにこのチャーンレートが必要不可欠である理由は、3つあります。
サブスクリプションビジネスを成功させるために重要であることが、「ユーザーニーズを正確に把握すること」そして「ユーザー満足度を向上させること」にあります。
サブスクリプションで売り上げを上げるには、有料会員の数が影響します。
いかに長く利用し続けてもらうか、いかに新規顧客獲得をし、そしていかに離脱率を下げておくことができるか、ということが大きく関わってきますので、チャーンレートを用いることでそのような分析に必要となるデータを数値化することができますので、今後の事業計画を組み立てることに非常に重要となるのです。
どんなビジネスモデルであっても、既存顧客と新規顧客の獲得を比べてみると、どうしても新規顧客の獲得にコストが必要になってしまいます。
とくにサブスクリプションビジネスにおいては、他ビジネスと比べるとそのコストの差は約5倍にもなると言われているのです。
ですので、いかに既存顧客を守り続けるか、ということが重要なポイントになるのです。
チャーンレートにより既存顧客を守るために必要なデータを把握することができるので、確実な戦略を立てることができるのです。
LTVとは、顧客生涯価値という意味があり、チャーンレートはこのLTVに大きく影響します。
前述した通り、新規顧客の獲得にコストがかかるということの視点を変えると、これにはユーザーのLTVが減少することを意味しています。
収益を上げるためには重要なポイントと言えるでしょう。
継続してサブスクリプションサービスを利用してもらうことで、ユーザー満足度の向上にも繋がりますし、サブスクリプション料金プランをいくつか設けたり、オプションプランを提案することができるのであれば、より売り上げを増やすことができるでしょう。
チャーンレートには、「カスタマーチャーンレート」「レベニューチャーンレート」の二種類あり、この二つは目的が異なります。
まずカスタマーチャーンレートは、ユーザーを対象としており、契約期間内にサービスを解約したユーザー、もしくは有料会員から無料会員へと移行したユーザーの割合を出す目的です。
そしてレベニューチャーンレートとは、収益を対象としており、契約期間内にどれほどの損失があったのかを出す目的です。
カスタマーチャーンレートは、「(期間中に解約したユーザー数/期間前の全ユーザー数)×100」で割り出すことができ、レベニューチャーンレートは、「(サービス単価×期間中で解約したユーザー数/期間中の総収益)×100」とういう計算式です。
この計算式でそれぞれの数値が現れると、実際にはどれくらいの割合を目安にするべきなのか、ということに疑問を持つことでしょう。
チャーンレートの目安は「3%」ということを覚えておいてください。
カスタマーチャーンレート、レベニューチャーンレート両方ともに、3%が目安であり、これよりも高い数値が出てしまう場合には、提供サービスの改善を検討する必要があるでしょう。
以上、サブスクリプションビジネスにおいて知っておくべき「チャーンレート」とは何かということについてお話しさせていただきました。
チャーンレートを計算し、高ければそれだけユーザーが離れていってしまっているという認識を忘れないでください。
サブスクリプションビジネスに取り組む上では、このチャーンレートを継続的に算出し、今の現状をしっかり把握するようにしてくださいね。