現在、D2Cビジネスでは、ペットに関連した市場への関心が高まっています。
これは、消費者のペットに対する考えが、従来とは大きく変化していることが背景にあります。
ペットをただのペットではなく、家族の一員と考える消費者が増えているのです。
このニーズの変化を受け、多くのブランドがペット関連の市場へ参入してきているのです。
そこで今回の記事では、そこで、ペット関連市場に進出するD2Cブランドについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
ペット関連市場は、僅かではありますが、年々増加の傾向にあります。
しかし、実際に、犬や猫と言ったペットの飼育頭数が増えているわけではありません。
それにもかかわらず、関連市場が成長を続けているのは、ペットを家族と考える人が増えているからと考えられます。
ペットに長生きしてもらうために、健康に良いものを選ぶ人が増え、人間と同じように、ペットにも良い環境を与えたいと考えるようになっているのです。
そのため、ペットの飼育に関連する、フードやおやつ、マナーグッズ、エチケットグッズ、ペットの洋服など様々なペット関連商品の需要が高まっているのです。
これは、D2Cビジネスにおいても同様であり、国内外で多くのペット関連のD2Cブランドが誕生しているのです。
その中で、特に需要が高まっているのが、ペットの食に関するD2Cブランドです。
ペットにも良質なものを与えたいと言うニーズが増えたことから、人間が口にするものと同等の材料、同等の製造方法(ヒューマングレード)で作られたペットフードに関心が集まっています。
この流れは、ペット先進国であるとともに、D2Cの先進国でもあるアメリカでは、数年前から始まっており、今だその勢いは衰えていません。
そんなアメリカのペットフードのD2Cブランドの中で、人気を博しているのが「The Farmer’s Dog」です。
このブランドが提供しているのは、ペットそれぞれに合わせて作られたドッグフードです。
ヒューマングレードの素材を使用し、防腐剤などの添加物を一切使用していないため、健康志向のオーナーから圧倒的な支持を得ています。
また、同じペットフードのD2Cブランド「NomNomNow」も高い支持を集めることに成功しています。
このブランドも、前者と同様にヒューマングレードの素材を使用したペットフードがカスタマイズできるのが特徴ですが、こちらのブランドでは顧客のデータを基にレシピが提案され、その中から顧客が選択をすると、そのレシピのペットフードキットが届くと言うサービスを提供しています。
この自身のペットのためにレシピを考案してもらえると言う意外性が、ペットを家族と考えるオーナー達から高い評価を得ているのです。
このアメリカの流れを受け、日本国名でも様々なペットフードのD2Cブランドが立ち上げられています。
その中でも、注目すべきであるのがドッグフードのD2Cブランド「Regalie・レガリエ」です。
多くのドッグフードブランドは、全ての犬種に対応していますが、このブランドは、室内で飼育されている10㎏以下の小型犬に特化したフードを提供しています。
このブランドも、もちろんヒューマングレードの素材だけを使用し、無添加で作られていますが、注目されているのは、穀物不使用(グレインフリー)という点です。
最近では、アレルギーなどの理由から、グレインフリーに関心が高まっており、その点においても高い評価を得ているのです。
このように、アメリカだけでなく、日本国内においてもペットフードやペットに関連したD2Cブランドが増えてきています。
従来では、ペットフードや関連商品はホームセンターなど購入するのが一般的でした。
現在では、スーパーやドラッグストア、コンビニなどでも手軽に購入できるようになっていますが、それらの商品は大手メーカーが販売している商品ばかりです。
そして、それらの商品は、上記のD2Cブランドの商品のようにこだわって作られたものではないのです。
これまでは、ペットフードはペットの餌と認識されていました。
しかし、現代ではペットは家族の一員であり、そのフードは、人間の食事と同じように、ペットの体のことを考えた食事だと考える人が増えているのです。
そのため、既存のペットフードメーカーも素材にこだわった無添加フードなどを販売していますが、実際には、それらにはヒューマングレードの素材が使用されているわけではありません。
前述のD2Cブランドのようなペットフードを大手のメーカーが作る場合には、原価コストがかかるため、高価格で販売せざるを得ないのです。
例え高価格帯であっても、安全な素材で作られた商品であれば、需要はあると考えられますが、そもそも大手メーカーには、既存のペットフードブランドがあるため、それを否定するようなブランドは出しづらいのです。
つまり、大手メーカーは、D2Cブランドのようなこだわりの強いペットフードの分野には参入したくてもできないのが現状なのです。
一方、D2Cビジネスでは、いくら素材や製造方法にこだわっても、原価コストを抑えることが可能であり、適正な価格で販売することができるのです。
そのため、このペット関連D2Cの流れは今後ますます勢いを増していくと考えられているのです。
今後も、ペットにも良質で安全な食事を与えたいと言うニーズは増えていくと予測されています。
そして、そこは、今回説明したように、既存の大手ペットフードメーカーでは踏み込めない領域なのです。
そのため、安心安全な商品を適正な価格で提供できるペット関連D2Cブランドが続々と増えていくと考えられるのです。