企業や個人が小売店舗や流通業者を介すことなく、自社Webサイトで直接消費者に商品やサービスを販売する、D2Cというビジネスモデルが多きな話題を集めています。
アメリカではここ数年ですでに多くのD2Cブランドが、巨額の資金調達を達成し、未上場のベンチャー企業に成長しており、その後を続くかのように日本でもスタートアップ企業を中心に、D2Cビジネスを始める企業が急増しているのです。
D2Cビジネスの特徴と言えば、世界観を伝える設計になっていること、ユーザーに対し利益還元があること、SNSインフルエンサーの拡散力が重要になってくることでしょう。
D2Cブランドの立ち上げ時、検討すべき選択肢のひとつに「クラウドファンディング」があることでしょう。
新規事業としてD2Cビジネスを始める場合、ブランドの知名度は当然低いので、ブランドのファンがいないことが当たり前ですよね。
だからこそ、商品が完成する前に、クラウドファンディングを行うことが重要なのです。
クラウドファンディングを行うことで、初期の新規顧客の発掘や想定していたニーズと合っているか、ということを確認することができますし、支援の金額はもちろんですが、顧客体験を重視するD2Cビジネスであるからこそ、顧客の声を聞くことができる大切な機会になるのです。
そこで今回は、クラウドファンディングで成功したD2Cブランドをご紹介していきたいと思います。
成功事例は、今後のビジネスにも非常に役に立つかと思いますので、ぜひ参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
しぐにゃるは、猫砂のD2Cブランドであり、猫の健康状態を知らせてくれる猫砂を開発し、クラウドファンディングで支援を募りました。
このクラウドファンディングが成功し、開始後わずか3時間程で目標としていた金額を達成し、さらに一週間後には目標達成率60%を記録したのです。
そして最終的に、931人もの支援者と480万円以上の支援金が集めることに成功したのです。
なぜこのような成功を収めることができたのか、それは、クラウドファンディングに対する理解と、消費者が自然と口コミでポジティブな情報を発信し、その情報を拡散したくなるようなPR戦略があったのです。
間違えてはいけないことが、クラウドファンディングは資金調達方法ではない、ということです。
もし資金調達の方法であるとするならば、そこにはお金の関係しかありませんので「支援」ではなく「購入」という表現が適切でしょう。
もちろん支援とは言っても、ユーザーはお金を投じますのが、クラウドファンディングでは購入ではなく、支援を募っており、「共感」が生まれなければ支援をされることはありません。
つまり、支援者となるユーザーは機能的価値だけでなく、情緒的価値に反応し、その行動心理は情緒的価値を重視しているD2Cビジネスと特に親和性が高くなっているのです。
上記の「しぐにゃる」に関しては、支援者が931人も集まったのですが、この支援者に共通して言えることが、「困っている猫を助けたい」という想いへの共感だったのです。
このように、クラウドファンディングを理解した上でのPR戦略こそ、クラウドファンディングで支援を集める方法なのです。
クラウドファンディングを成功させるためには、信頼することができるメディアの存在も欠かすことができません。
新商品のデビューの際は言い換えると無名の商品を販売することですので、クラウドファンディングにより、その無名の商品を応援される背景状況、そして信頼性も重要な要素になってくるのです。
新規ブランドの場合は信頼度が低いので、いかに顧客の信頼を得ることができるか、ということが重要であり、その信頼を得た後に共感するユーザーが波及的に情報拡散をし、それが成功すれば大きなメディアに取り上げられるので、支援者がさらに増加するのです。
このように、消費者にとってもブランドにとっても信頼することができるメディアの存在は非常に大きく、いかにして支援者を増やすことができるか、ということを考えた際にはメディアがいかに重要であるか、ということを理解することができるでしょう。
以上、クラウドファンディングで成功したD2Cブランドについて、詳しくお話させていただきました。
特にスタートアップとしてD2Cビジネスを行う場合、支援者や支援金を集めるのは難しいと思ってしまいますが、クラウドファンディングそのものの本質をしっかり理解し、信頼できるメディアとのPRへの取り組みこそ、D2Cビジネスを成功へと近づける第一歩なのです。
目的やテーマを明確に定め、それに対する人々の共感を集め、そして誰かに拡散したくなるようなストーリーを届け、しっかりクラウドファンディングで支援を集めるための土台を作りましょう。