現代は、消費者のニーズが多様化し、モノが売れない時代と言われています。
多くの消費者はこれまでのように積極的にモノを購入することがなくなり、モノを増やすことを嫌がるようになったのです。
しかし、そのような状況の中でも、D2Cブランドは多くの消費者から支持され、モノを売り続けているのです。
そこで今回の記事では、モノを増やしたくない消費者を取り込むD2Cの魅力について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
現在は、市場にモノが溢れ、モノが売れない時代と言われ、ヒット商品と言うものもあまり生まれなくなっています。
しかし、そのような中でも、売れている商品はありますし、大ヒットとは言えないながらもヒット商品も誕生しています。
それらの商品は、これまでのヒット商品のように作り出されたものではありません。
物が売れない時代ならではの、これまでにはない切り口で生み出された商品なのです。
ヒット商品を生み出すには、消費者のニーズやトレンドの変化を敏感に捉えることが重要です。
これは、従来のビジネスでも同様であり、これを捉える感覚に優れた企業やメーカーがヒット商品を作り出していたのです。
しかし、現代は、従来から消費者のニーズが大きく変化しています。
そのため、消費者は、従来のように企業やメーカーがトレンドを予測し、大量に生産、流通させていた商品の中から商品を受け入れなくなり、その結果としてモノが売れなくなっているのです。
現代の消費者は、従来のように簡単にモノを購入し、モノを増やすことに抵抗を感じています。
自身が、商品をよく吟味したうえで本当に必要なものだけを購入したいと考えるようになっているのです。
これは、特にこれからの消費を担う若い世代に顕著となっています。
現代の消費者にモノを買ってもらうためには、この変化した消費者のニーズを理解することが必要なのです。
例えば、男性用のビジネスバックのブランドの例では、従来では、ビジネス用、プライベート用、出張用と分けて購入するのが一般的でした。
出張用のバック一つでも、長期用、短期用、海外旅行用と分けて購入するケースも多くあったのです。
しかし、近年このように○○用と、用途を制限するような商品が売れなくなってしまったのです。
この状況を重く見たブランドは、顧客の実際の意見を参考にするため、聞き取り調査を行いました。
その結果、出張や海外旅行などのイレギュラーな事象のためにわざわざ商品を購入することはなく、普段利用しているバッグで代用する人が多いということが分かったのです。
この意見を参考にこのブランドでは、ビジネスにもプライベートにも使用できる商品、長期出張にも海外旅行にも対応できる商品と言った、これまでにない切り口で商品を企画開発します。
そして、新たに開発された商品は、1つの用途に限定せず、様々な用途に利用できることを訴求して売り出され、実際に顧客から高い支持を得ることに成功したのです。
また、同じようなケースとして、男性用ビジネススーツを取り扱うブランドでは、ビジネスシーンだけでなく、プライベートでも活用できるジャケットとパンツがヒットしています。
これは、男性用ビジネスアパレルがカジュアル化し、プライベートと分ける必要が無くなったことが大きな要因です。
これが、モノを増やしたくない消費者のニーズに上手く合致し、ヒットに繋がったのです。
これらの例からも分かるように、多くの消費者はむやみにモノを増やさず、あるもので代用する、新たに商品を購入する際も、様々な用途で使用できる商品を選択するようになっているのです。
そして、このように考える消費者が注目しているのが、D2Cブランドなのです。
D2Cは、消費者とコミュニケーションを取り、消費者の意見や要望を取り入れながら、商品を企画開発していくビジネスです。
先ほどの例のように、消費者が求めているモノが、様々な用途に使用できるバッグであれば、それを消費者と共に作り出していくのです。
D2Cブランドが若い世代から支持されているのは、この消費者に寄り添う姿勢なのです。
ただ商品を売るのではなく、消費者が求めている商品を作り出し、それを購入してもらい、消費者のライフスタイルに入り込んでいく、この姿勢が、現代の消費者に支持されているのです。
D2Cブランドにおいて、消費者はモノを買っているのでなく、モノによって得られる体験を買っているのです。
現代は、モノが売れない時代と言われていますが、消費者が全くモノを買わなくなったわけではありません。
それほど必要ではないモノを買うことが無くなったのであり、本当に必要なモノであれば、消費者の多くは、積極的にそれを購入するのです。
実際に、消費者から高い支持を得るようなヒット商品を生み出しているブランドも多く存在しています。
これからの時代にモノを売るためには、消費者が本当に求めているモノ、必要なモノを見極め、提供していかなくてはならないのです。