商品ありきではD2Cは成功しない!

D2Cビジネスは、従来のビジネスとは異なり、商品よりも、ブランドの世界観やストーリーを強く消費者に訴求するビジネスです。

これは、現代の消費者がそれを求めているからであり、時代のニーズがこのように変化しているからなのです。

つまり、従来のような商品ありきのビジネスは、現代では通用しなくなっているのです

そこで今回の記事では、商品ありきのビジネスが通用しない理由について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

時代が求めるD2Cビジネス

D2Cビジネスは、消費者に直接商品を販売する直販モデルと混同されていることもあるようですが、これまでの直販モデルとD2Cには大きな違いがあります。

従来のメーカー直販のビジネスモデルは、単に商品を売ることが目的となっています。

一方D2Cビジネスは、商品力も重要ではありますが、それよりも、世界観やストーリーを優先し、これに対する共感を得ることにより、顧客を囲い込むことを目的としているのです。

そして、そのために、デジタルを最大限に活用し、自社ECを軸とした販売戦略や、SNSやブログなどのメディアを利用したマーケティング戦略など、最先端のデジタル技術を活用したアプローチを行っているのです。

そして、D2Cビジネスが、このように商品よりも世界観やストーリーを重要視するのは、現代の消費者のニーズがそれらを求めているからなのです。

ミレニアル世代の心を掴むことが重要!

D2Cブランドが、現在ターゲットとしているのは、ミレニアルと呼ばれる世代です。

このミレニアル世代とは、基本的には、1981年以降に誕生し2000年代の初めに成人、もしくは社会に出た世代を指しており、現在の年齢は、20代後半から40歳くらいです。

この世代は、現在消費の中心となっており、2025年には、全世界の労働人口のうちの7割以上がミレニアル世代となると言われています。

そのため、D2Cに限らず、あらゆるビジネスがこの世代を取り込もうとしているのです。

そして、この世代を取り込むために、重要となるのが、この世代の考え方や行動などの特徴を深く、そして正しく理解することなのです。

このミレニアル世代には、大きく7つの特徴があると考えられています

まず1つ目の特徴が、デジタル技術に対しての親和性が高いということです。

この世代は、成長の段階でインターネット環境が整備され、スマートフォンが普及しています。

それ故に、デジタルに精通しており、日常的にデジタル機器を使いこなすのです。

2つ目の特徴は、モノを所有することにこだわらず、コトを重要視するということです。

従来では、モノは購入し所有するのが一般的となっていましたが、この世代はモノを自身の所有物とすることにこだわらないのです。

モノそのものではなく、そのモノが自身に何を与えてくれるのかと言うことに価値を見出すのです。

3つ目の特徴は、共感を強く求める傾向があるということです。

この世代は、SNSを利用することで、他者と繋がり、自身の体験に共感を求めたり、他者の体験に共感しそれらを広く拡散したりすることで、多くの共感を求めていくのです。

4つ目の特徴が、環境問題など社会的な問題への関心が高いということです。

この世代は、成長の段階で、大きな事件や災害、気候変動による災害などを目の当たりにしています。

この影響は大きく、社会的な問題への関心が他の世代よりも高く、ボランティア活動などにも積極的に参加する人が多いのです。

さらに、他者や企業に対してもこれらの問題への取り組みを求めるのです。

5つ目の特徴が、健康志向であるということです。

この世代は、従来よりも、添加物や農薬などに過敏に反応する傾向があります。

無添加やオーガニック製品を好み、自身の健康への関心が非常に高いのです。

6つ目の特徴が、プライベートを大切にするということです。

仕事への関心が低いわけではありませんが、自身のプライベートな時間も大切にし、バランスの良い働き方を求めています。

7つ目の特徴が、独立心が高いということです。

会社に捉われるのではなく、自身が望む仕事を望んだ通りに行いたいと考える人が多いのです。

D2Cビジネスがターゲットとするミレニアル世代には、上記のような特徴があり、これを踏まえて戦略を練ることが必要となります。

例えば、ブランドビジネスの場合、従来では、そのブランドの商品を持つことがステータスとなると考える消費者が多く、そこをついたマーケティング手法が良く行われていました。

しかし、モノを所有することを好まないミレニアル世代には、その手法は通用しません。

これまでのような、まず商品ありきのビジネスが、この世代には全く受け入れられなくなっているのです。

そこで、求められているのが、D2Cビジネスなのです。

ミレニアル世代が日常的に利用するSNSを軸とし、共感を誘う訴求を行い、商品そのものではなく、商品を通した質の高い体験を提供することが、このミレニアル世代を取り込むために重要なことなのです。

まとめ

現代は、モノが売れない時代と言われていますが、これには、今回説明したミレニアル世代の特徴も大きく影響しています。

現代の消費の中心であるこの世代は物欲が少なく、モノよりもモノに付随するコトに価値を見出すのです。

このような世代を取り込んでいくためには、商品そのものだけを訴求しても意味がないのです。

商品を購入することで何が得られるかがミレニアル世代の関心を引くのであり、そのため、商品に付加価値を与えることが必要となるのです。