サブスクリプションビジネスに重要な、想起の入り口

サブスクリプション 2022年2月17日

消費者が商品やサービスを購入して利用するのではなく、利用したい時に利用したい料金だけを支払って利用する、サブスクリプションビジネスが注目を集めています。

少し前までサブスクリプションと言えば、デジタルコンテンツが中心であったのですが、最近では自動車やアパレルなどもサブスクリプションビジネスの展開を始めており、その幅はどんどん広がっているのです。

消費者自身がモノを所有するよりも、利用することに価値を感じ始めたことが、サブスクリプションビジネスの追い風にもなっているでしょう。

サブスクリプションビジネスを行うと、ブランド戦略の次となる手法がなかなか見出せない、様々な施策を実施しているものの、中々効果が出ないということがあり、そんな時の重要なマーケティングが「エボークトセット」なのです。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスに重要な、想起の入り口について、ご説明したいと思います。

効率良くサブスクリプションビジネスを進めたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

Contents

エボークトセットマーケティング

人それぞれエボークトセットは異なり、内容に関しても非常に流動的で、日々変わっています。

消費者が「〇〇が欲しい」と思った際、思い起こされるブランドは2つ未満とも言われておりますので、自社商品を購入してもらうためには、自社商品が入るカテゴリー内では真っ先に思い起こされるブランドでなければなりません。

ですが、商材によってはどうしても市場シェアが強いブランドが真っ先に思い起こされやすいので、そのポジションを奪うことは簡単なことではありません。

また、広告施策などにより自社ブランドの認知を向上させたとしても、その認知度と比例してエボークトセットに入るか、ということもまた別なのです。

消費者の記憶に残り、いざという時に思い出されるブランドになるためには、まず自社は市場の中でどこにいるのか、ということを把握し、その上で戦略を立てなければなりません。

この戦略こそ、エボークトセットマーケティングなのです。

エボークトセットマーケティングを考える上では、カテゴリーエントリーポイントの理解は欠かせません。

何かを購入しようと思った際に、自社ブランドを想起するためのヒントとなるものがカテゴリーエントリーポイントです。

たとえば今現在、清涼飲料水の種類は非常に多くあるのですが、ハンバーガーと一緒に飲むもの、と聞くとどの清涼飲料水を思い浮かべるでしょうか。

きっとほとんどの方が「コカ・コーラ」を思い浮かべるでしょう。

この場合、「ハンバーガーと一緒」ということが、コカ・コーラのカテゴリーエントリーポイントとなります。

その他にも、コカ・コーラのカテゴリーエントリーポイントは、「暑い日に」「爽快な気分になる」というようなカテゴリーエントリーポイントもありますよね。

もちろん、独自性もあるのですが、時間や場所、ターゲット、シチュエーションなど、ブランドと紐づいたイメージを持ってもらいましょう。

カテゴリーエントリーポイントからマーケティング戦略を考えた場合、もうすでに大きなカテゴリーにて1位を取っているブランドは、カテゴリー自体が拡大すれば、自然と自社の売上も向上しますので、さらにカテゴリーエントリーポイントを強化する施策が重要です。

ですが、それ以外のブランドに関しては、新しいカテゴリーエントリーポイントを見つけ、そこに注視し、そこで1位を狙う、ということが基本的な戦略です。

まずエボークトセット調査を行い、カテゴリーの実態を把握しましょう。

そのカテゴリーに対する消費者の記憶構造はどうなっているのか、などを追求していきます。

購入する目的、シーンはそのままカテゴリーエントリーポイントをになりますので、自社や他社のブランドの浸透性などを調査していきます。

このように把握したカテゴリーの利用シーンや目的、理由と、ブランドの利用シーンや目的、理由が合致している部分こそ、他のブランドがまだ明確に獲得できていないカテゴリーエントリーポイントであり、自社が狙うべきものだと仮設定しましょう。

そしてカテゴリーエントリーポイント調査を行い、ブランドの浸透度や市場ボリューム、現状のブランドイメージを調査して、仮設定したカテゴリーエントリーポイントに優位性があるか、そこで1位を取った場合の経済的なメリットは何か、ということを判断していきましょう。

その結果によって、自社がフォーカスすべきカテゴリーエントリーポイントを決め、次の施策を考案し、実行していきます。

サブスクリプションビジネスに重要な、想起の入り口について、詳しくお話させていただきました。

エボークトセット調査により、自社ブランドをしっかり理解して、どこにフォーカスを当てるべきなのか、ということを考えることは、サブスクリプションビジネスでのマーケティングにおいて必要不可欠です。

ぜひこの考え方を基に、効率的にビジネスを進めることができるような戦略を考案してくださいね。