現在のサブスク市場には、様々なサービスが提供されていますが、中でも、そのユニークさから注目を集めているのがおむつのサブスクです。
おむつのサブスクと聞いただけでは、定期購入のサービスかと思われがちですが、このサービスは、保育園とそこに子供を通わせる保護者にとって、大きな問題を解決してくれる救世主とも言えるような仕組みなのです。
そこで今回の記事では、おむつのサブスクの成功の理由について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
サブスクサービスは、ここ数年の間に、消費者の生活に浸透し、定着しつつあります。
中でも、動画や音楽などの配信サービスは、既にサブスクの代表的なサービスとして広く認知されています。
また、その他にも、あらゆる業界から多種多様なサービスが提供されており、もはや、サブスク化されていないサービスは無いとも言われているほどです。
しかし、それほどサービスが増えている中で、成功している事例と言うのは、そう多くはありません。
集客に苦戦しているサービスがほとんどであり、密かに撤退しているサービスも多くあるのです。
その中で、多くのメディアに取り上げられ、成功事例として注目を集めているサービスもあります。
その一つが、保育園向けの紙おむつのサブスクサービスです。
このサービスは、大手企業ユニ・チャームとベビージョブが共同で行っている、紙おむつの使い放題のサービスです。
料金は定額制で、年齢によって料金が分けられ、0歳児であれば月額3.000円、1歳児であれば月額2.800円、2歳児であれば月額2.500円で、保育園において、紙おむつやおしり拭きが使い放題となります。
このサービスが、短い間に利用者を増やすことに成功したのは、保育園側と保護者側の双方に大きなメリットがあったからです。
これまで、保育園に子供を通わせている保護者は、紙おむつをその日に必要な分、保育園に持っていくのが一般的となっていました。
これは、一人一人サイズやメーカー、使用量に違いがあるため、それぞれが用意する必要があったのです。
また、間違いがないように1枚1枚名前を記載する必要もあり、保育園によっては、使用済みのおむつを持ち帰らなければならないケースも多くあったのです。
これは、以前より保護者の大きな負担となっていましたが、これだけ保護者に負担がかかっていても、保育園側がそれほど楽になると言うわけでもなかったのです。
保護者側にも負担はありますが、保育園側もこの仕組みが負担になっていたのです。
保育園では、一人一人紙おむつを保管、管理しなければなりません。
間違わないように管理するのは非常に手間がかかりますし、さらに保管場所も必要となります。
また、紙おむつが足りなくなることもあり、その度に紙おむつを貸し出し、それを保護者に伝え、返却してもらうと言う手間もあるのです。
これらは、保護者側、保育園側双方にとって、長らく大きな負担となってきました。
しかし、様々な事情から、改善することもできなかったのです。
そこに、第三者でありながら、紙おむつを販売していると言う形で関わりのある、ユニ・チャームと、保育園サポート事業を展開するベビージョブと言う企業が手を組み、この大きな問題を解決するべく動き出したのです。
そして、それが前述の保育園向け紙おむつのサブスクサービスなのです。
このサービスを導入することにより、保護者側、保育園側双方の負担は格段に減ることとなり、利用者からの高い支持を得ることに成功したのです。
このサービスが成功したのには、様々な要因が関わっていますが、その中で、特に大きいのが、利用者の問題を解決すると言う価値を提供していることです。
この保育園の紙おむつ問題から、安易に考えられるのが、紙おむつの定期購入サービスです。
確かに、定期購入も便利なサービスではありますが、それだけでは、この問題を解決することにはならないのです。
紙おむつに関する保護者側の問題も、保育園側の問題も、同時に解決できるサービスであるからこそ、このサービスは高い価値があると考えられたのです。
サブスクは、単に利便性が高いと言うだけでは、利用者の支持を得る事はできません。
この事例のように、利用者にとって、価値のあるサービスを提供することが、サブスク成功のために必要なことなのです。
サブスク市場には、現在多くのサービスが存在していますが、成功しているサービスはそれほど多くありません。
その中で、今回説明した紙おむつのサービスは、利用者の高い支持を得ている成功したサービスであるのです。
この事例の成功の要因は、利用者の大きな問題を解決する画期的な仕組みを考案したことにあります。
単に便利なだけのサービスではなく、利用者にとって非常に価値のあるサービスであるからこそ、このサービスは大きく成功することができたのです。