近年、サブスクリプションビジネスの注目度が非常に高まってきています。
サブスクリプションサービスの最大の特徴は、商品を所有しなくても、その商品の利便性を享受することができる点であり、ユーザーが企業に対し、商品やサービスを一定期間利用するための権利に対して料金を支払います。
インターネットの普及と消費者の価値観の変化により、サブスクリプションサービスが急増しているのです。
サブスクリプションビジネスが拡大し始めた当初は、音楽や動画などのデジタル商材が中心であったのですが、市場の拡大につれ、家具や家電、洋服、車などもサブスクリプションサービスとして提供されるようになっています。
市場が今後もさらに拡大し、競合他社が多くなることが予想されているサブスクリプションビジネスをスタートさせ、確実に成功させるには「プロスペクト理論」の考え方を理解することが非常に重要です。
人は、買い物をする状況や投資をする状況など、不合理な判断をしてしまうことがあるのですが、その不合理な判断に意味を付けるものこそ、プロスペクト理論なのです。
そこで今回は、サブスクリプションビジネスで知っておくべき「プロスペクト理論」について、詳しくお話させて頂きたいと思います。
サブスクリプションビジネスを戦略的に進めるためにも、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
何かが生じる確率や、損得を分かっていればどのような意思決定を行うか、という不合理な判断を表す理論が、プロスペクト理論です。
各種の実験から得られた事実をもとに展開されており、プロスペクト理論を十分に理解した上でビジネスを行うことで、より顧客心理を理解した販促活動やアピールを行うことができますので、サブスクリプションビジネスとして損をするリスクを軽減することができます。
人間の傾向として、得をすること以上に損をすることを避けたいと思う傾向があります。
たとえばもし、利益となった金額と損失になってしまった金額が同じ場合は、利益が出たことに対する喜びよりも損失を出してしまった苦しみの方が上回る、ということです。
得られる利益が同じであっても、自分の今の状況や環境によって、喜びの感じ方が変わってきます。
たとえば、ギャンブルをしていて5万円負けている人にとっての10万円の利益は大きな喜びになるのですが、もうすでに50万円勝っている人にとっての10万円の利益は小さな喜びになってしまいます。
つまり、損をしている状況では安定志向であり、損をしている状況ではリスク志向になるのです。
たとえばもうすでに、5000万円の貯金がある人が100万円をもらった状況と、貯金が0円の人が100万円をもらった状況では、ありがたみの感じ方も大きく違いますよね。
利益や損失が大きくなればなるほど、主観的な喜びや苦しみの変化が小さくなり、この傾向が消費者の買い物や投資などの行動に繋がっています。
プロスペクト理論をサブスクリプションマーケティングで応用するには、「損をしたくない」というユーザーの気持ちに訴求すること、そしてリスクリバーサルが有効でしょう。
得をしたいという感情ではなく、損をしたくないという感情に働きかけることで、より効率的に顧客に訴求することができるでしょう。
そして、商品やサービスに魅力を感じていたとしても、損をしたくない、という気持ちが購入の妨げになることがありますので、このような顧客の不安を販売者が肩代わりする、リスクリバーサルも有効です。
たとえば、無料期間や返金保証を設けたり、アフターサポートを充実させることなどが良いでしょう。
顧客が持つ商品やサービスを抱える不安は異なりますので、見込み顧客が何に対して不安を抱えているのか、ということを明確にした上で、リスクリバーサルを実施しましょう。
以上、サブスクリプションビジネスで知っておくべき「プロスペクト理論」についてお話させて頂きました。
プロスペクト理論をしっかり理解することで、特にサブスクリプションビジネスでのマーケティング分野では、良い影響を与えることでしょう。
顧客に対し、満足度の高い商品やサービスを提供し、顧客から選ばれ続けるブランドにならなければならないサブスクリプションビジネス、そして今後さらに拡大し続けるサブスクリプション市場で勝ち残るためには、このプロスペクト理論の考えを導入することは欠かせないと言えるでしょう。
ぜひ早速プロスペクト理論を応用したサブスクリプションマーケティングを実践してみてくださいね。