アパレルD2Cブランドの課題とは

今アパレル業界やコスメ業界、美容業界を中心にD2Cビジネスが台頭しています。

D2Cビジネスとは「Direct to Consumer」の頭文字を取った略語であり、企業自らが商品開発から製造、販売までの一連の流れを行うビジネスモデルです。

すべてを担うことで、ビジネスの自由度がかなり高く、変化できるポイントが多いことが特徴でしょう。

また顧客からのフィードバックを得やすい環境にあるため、フィードバックをすぐに反映させ、商品開発の役に立てることができるでしょう。

PDCAを早く回すことができるという点においても、大きな特徴ですね。

一般的に考えると、商品が購入者のもとに届くまで、いくつかの中間業者を介して販売されるのですが、この過程がなくなりますので、他社の事情に左右されず、またコストを大幅に削減しながらビジネスを進めることができますので、高品質な商品を低価格で提供することができるのです。

D2Cはアパレルビジネスとも非常に相性が良いと言われていますが、実際日本国内でのファッション市場は縮小しているとも言われていますので、D2C導入を機にグローバル進出を図りたいと考える方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、アパレルD2Cブランドグローバル進出の課題についてお話させていただきたいと思います。

今現状のよくある課題と解決策をお教えいたしますので、ぜひ今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

課題1:日本向けのデザインに拘り過ぎると受け入れられにくい

そもそも日本と海外を比較しても、生活習慣から始まり、天候、趣味嗜好が大きく異なりますので、日本向けのデザインを作ってもグローバル市場では需要が低く、受け入れられにくい傾向にあります。

日本から見た「良い商品」とグローバルから見た「良い商品」では異なりますので、日本で拘って作った自信の商品に固執してしまうと、失敗してしまうことがあるのです。

この状態になってしまいやすいのが、日本である程度の業績を作っているブランドでしょう。

日本ではある程度のファンを付けたブランドは、なおさらその商品へ固執してしまいますので注意が必要です。

この解決策としては、現地ユーザーの声を多く集め、そのニーズに合わせた商品を開発することでしょう。

D2Cビジネス導入時であれば、そもそも最初からグローバルに向けた商品を開発することも一つの方法ですし、すでに日本で業績のあるブランドであっても、そのブランドの根本的なブランドヒストリーはブレさせずに、ユーザーニーズに沿った商品やサービスの開発を進めていきましょう。

そのためにも進出先のローカルコミュニティ、ローカルユーザーとの繋がりを作る必要があるでしょう。

課題2:販売価格が日本より大幅に高くなる

海外へ日本の商品を輸出して販売する場合、関税や輸送税が上乗せさせられますので、価格が高くなってしまうでしょう。

D2Cとして高品質な商品を低価格で販売したいと思っても、どうしても日本での販売価格に加算される金額が大きいので、商品価値を上げなければ価格に見合った妥当な商品だと判断されなくなってしまうのです。

この課題の解決策としては、D2Cビジネスをグローバル規模で展開するということでしょう。

日本国内用のD2Cビジネスを展開するのではなく、D2Cであれば加算される金額を考慮した商品価格設定を行うことができますので、できるだけ中間業者を介さずコストカットに繋げていきましょう。

もちろん最終的には最小限にコストを抑えたグローバル向けの価格設定であっても、ユーザーに求められるほどの商品やブランド作りは大切です。

進出先にもよりますが、たとえばアメリカであれば、日本よりもECでモノを購入する習慣が定着していますので、妥当な価格設定と魅力的な商品を開発することができれば、越境ECでも十分に成功する可能性はあるでしょう。

課題3:海外でブランドメッセージを伝えることが難しい

グローバル進出した多くの企業、店舗が口を揃えて言うことは、世界に向けて日本人として届けたいメッセージを、現地ユーザーに届けることが難しいということです。

たとえばD2Cビジネスとして試着専用の直営店を出店した場合、そこで働くスタッフは日本のことをあまり知らない現地人になるでしょう。

日本にあまり馴染みのない現地のスタッフを通じて、自社だけのブランドメッセージやブランドの世界観を伝えることはかなり難しいのです。

この課題の解決策としては、現地でのコミュニケーションを円滑化させることを目的として、進出先の土地の文化や言語を理解することができる人材を巻き込んで、そこから商品開発やサービスの考案などを行うことでしょう。

ブランドの作り手と進出先の国の文化的背景や言語を理解している人物が入っていることが望ましいのです。

その人物が両者の間を取り持つ役として、日本に馴染みのない現地スタッフとのコミュニケーションを取っていかなければなりません。

グローバル化を図る場合は、現地パートナーはもはや必須とも言える存在です。

まとめ

以上、アパレルD2Cブランドグローバル進出の課題についてお話させていただきました。

D2Cビジネスと同様、越境ECへの参入も大きな注目を集めていますので、D2Cビジネス展開の機に越境ECへの参入を検討される方もきっと多いでしょう。

上記3つの課題は、よくある課題として壁になるものでありますので、ぜひ対策を行い対応してくださいね。