ここ数年で、ビジネス業界では「D2C」がトレンドワードになっていることでしょう。
D2Cは、消費形態が大きく変化する中で登場したビジネスモデルであり、コト付きのモノ消費とも呼ばれ、世界観を構築することを重視しているブランドが多く取り入れている手法です。
企業やブランド自らが商品を企画、製造し、そして代理店や小売店を介すことなく、消費者と直接を行うビジネスモデルです。
特にアパレルや美容業界において注目されているので、導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。
D2Cブランドを作りたい、成長させたいと考えている方にとっては、国内外での大きな成功事例は非常に参考になりますよね。
そこで今回は、世界的に有名なD2Cブランド「Away」にフォーカスしてみたいと思います。
Awayをご存知の方であれば、「スーツケースを売るブランド」と思われているかもしれませんが、実際は大きな間違いなのです。
そこで今回は、世界的なD2C成功事例「Away」から学ぶ5つのことについて、詳しくお話させていただきたいと思います。
今後D2Cビジネスを成功させたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
Contents
Awayを知っている多くの人のうち、表面的な理解のみをしている人であれば、Awayと聞くとスーツケースをイメージする方も多いことでしょう。
もちろん、スーツケースを販売しているブランドではあるのですが、D2CブランドであるAwayはそれのみを目的とはしていません。
AwayのWebサイトには「Awayが行うすべてに触れることでこれからの旅がより良くなる」と掲載されており、スーツケースというプロダクトを販売するのではなく、「良い旅の体験」を提供することを目的としているのです。
Awayは次から次へとさまざまな取り組みを行っているのですが、中でも特にユニークであるものが、Awayが創刊している雑誌「HERE」です。
ですが、Awayに関しては右下に小さなロゴが入っているだけで、Awayの存在感がまったくありません。
HEREはAwayが届ける「良い旅にまつわる世界観」を体現するものであり、オンライン施策はもちろんのこと、雑誌やホテルなどのオフライン施策にも注力しています。
なぜホテルの話が出るのかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ホテルこそ雑誌の延長線上にあるメディアですので、あらゆる角度から見て旅を紐解き、多様なコミュニケーションチャネルによって展開する狙いが見えてくるのです。
Awayの創業者である、ジェン・ルビオ氏とステフ・コーリーは、「Warby Parker」出身なのです。
Warby Parkerは数あるD2Cブランドの中でもユニコーン企業と呼ばれており、ブランディングはかなり逸材で、中でもビジネススタート当初の認知度が低いブランドのストーリーテイングや世界観の作り方には特に長けており、Warby Parkerでの経験があってこそのAwayの成功とも言えるのです。
Awayを見ると、そのブランディング力に非常に注目してしまうのですが、実際のプロダクトのポジショニングが非常に優秀であることも忘れてはいけません。
Away創業当初、高品質高価格のモノ、そして低品質低価格のモノが存在していたものの、その中間となるモノを取り扱っているブランドがありませんでした。
この中間こそユーザーに対しての分かりやすい提案に繋がり、さらにユーザーに納得感を与えることができ、このポジショニングこそマーケティングに有利に働いたと言えるでしょう。
従来まで、スーツケースブランドは数多く存在していたものの、やはりそれらと大きく異なったことといえば、
旅は人の心を魅了するということを深く理解していたことでしょう。
ユーザーがプロダクトに対して自然に魅了されることが理想ではあるのですが、それはなかなか上手くはいきません。
Awayは、旅にまつわるさまざまなプロダクトを世の中に出しており、スーツケースはスタートだったのです。
今後もAwayが行うすべてによって、旅をより良くしようと考えていることでしょう。
以上、世界的なD2C成功事例「Away」から学ぶ5つのことについて、お話させていただきました。
この5つの通り、Awayはプロダクト単体だけではなく、ブランドの世界観を作りこむことに注力し、顧客の期待をはるかに上回る旅への魅力を提供していたからこそ成功したのでしょう。
これからD2Cビジネスを始めようと思われている方は、ぜひAwayの成功事例を元に、基本的な考え方を学んでくださいね。