D2Cビジネスを成功させるために知っておくべき「D2Cブランドのメディア化」

今アパレル業界や美容業界を中心に広がりを見せる「D2C」ビジネスモデル。

D2Cとは、Direct to Consumerの略称であり、企業やブランド、メーカー自らが商品の企画や製造、販売を行い、仲介業者を介すことなく直接顧客に商品を販売するビジネスモデルです。

類似するビジネスモデルとしては、SPAなどが挙げられるのですが、このSPAと大きく異なる点は、店舗での販売を行わず、自社が運営するECサイトのみで商品を販売するということでしょう。

仲介コストと店舗運営のコストを大幅に削減することで、質の高い商品を低価格で販売することを可能にしており、このD2Cをベースとしたスタートアップも急激に増えてきているのです。

このD2Cビジネスを行っていると、「ブランドがメディア化する」という言葉を耳にすることもあるでしょう。

これはよく見ると、かなり不思議な表現にも思えますが、D2Cビジネスを理解する上ではこの言葉の意味を理解することも非常に重要なことなのです。

そこで今回は、D2Cビジネスを成功させるために知っておくべき「D2Cブランドのメディア化」について、詳しくお話させていただきたいと思います。

今後D2Cビジネスを展開し、成功させたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

「D2Cブランドのメディア化」とは

海外の有名なD2Cブランドとして「Away」「Casper」「Warby Paeker」「Everlane」などがありますが、これらはメディア化したD2Cブランドと言えます。

雑誌を作成し、ポッドキャストの配信、そして日々Instagramのストーリー機能を活用し、読者スナップをリポストして、写真コンテンツのクオリティに配慮しています。

上記海外D2Cブランドすべてに共通して言えることは、コンテンツを毎日継続的に発信しているということでしょう。

様々なコンテンツの形態がありますが、どれであっても「常に発信姿勢、体制」こそまさにメディアと言えるのではないでしょうか。

たとえばLouis VuittonやCHANELなどの高級ブランドの場合、建物の壁面に大々的な広告を出したり、雑誌の見開きに広告を出稿したりしていても、顧客に対し毎日情報を発信することはしていません。

もしあなたが毎日あるD2Cブランドのコンテンツに触れていれば、ブランドがメディア化しているということを肌で感じることができるでしょう。

「D2Cブランドのメディア化」の背景の変化

D2Cブランドがメディア化している背景にはどのような変化があるのか、それにはモノが溢れる現代だからこそ、機能性だけで勝負するのではなく「意味レベルの価値を作る」ということに注力することが大切なのです。

今、モノ自体が飽和状態にあるからこそ、機能的価値での差別化が難しくなっており、消費者は意味レベルの価値を求めていると考えられるのです。

だからこそブランドはただ機能を伝えたとしても売れることはなく、より深く顧客と関係性を構築しなければなりません。

だからこそブランドは、継続的にコンテンツを発信するという努力をし、顧客との関係を構築しなければならないのです。

D2Cブランドがメディア化した事例

D2Cブランドがメディア化した事例として、海外D2Cコスメブランド「Glossier」を挙げてみましょう。

Glossierの創立者、Emily Weiss氏は、自社ブランド自らを「コンテンツ企業」と名乗っており、ブランドとして扱っているプロダクトすらもコンテンツと言っています。

「コンテンツ=プロダクト」と聞くとあまり意味が分からない方も多いかと思いますが、コンテンツ自体を「何らかの理由で人々が話題にする対象」として捉えると、意味が分かってくるのではないでしょうか。

もしそのプロダクトが機能的価値しかない場合、よっぽどその機能に新規性が高いなどの理由がない限り、人々の話題に上がることはありません。

様々なプラットフォームを用いて、継続的にコンテンツの配信を行い、さらにプロダクト単体としてみても、人々が話題にするようなコンテンツと言えるほど、しっかり考えられた世界観やデザインを掲げているのです。

まとめ

以上、D2Cビジネスを成功させるために知っておくべき「D2Cブランドのメディア化」についてお話させていただきました。

D2Cビジネスは、特にそのブランドでしか表せないしっかり世界観を構築し、顧客を魅了し続けなければなりません。

そのためには、ブランド自体をメディア化するという言葉の意味をしっかり理解することも、D2Cビジネスを存続させるには非常に重要なことなのです。

今後さらにD2Cビジネスとして事業を拡大させたいと思われている方も、ぜひこのような考え方を持ってD2Cビジネスに取り組んでみてはいかがでしょうか。