D2Cのターゲットにはブランドバリューは必要ない!

これまでのブランドは、消費者に広く認知されることが重要であり、そのためにコストをかけて大掛かりな広告や宣伝活動を行ってきました。

そして、実際に、認知度の高いブランドは、そのブランドのネームバリューで消費者からの支持を獲得してきたのです。

しかし、現代では、そのブランドに対する消費者の意識が変化しており、ブランドのネームバリューだけでは、消費者の関心を引くことができなくなっているのです。

そこで今回の記事では、ブランドのネームバリューの重要性について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

ブランドバリューとは何か?

ブランドバリューとは、企業価値と言う意味を持ち、企業のブランディングにおいて良く用いられる言葉です。

しかし、その一方で、その定義は曖昧であり、その企業ごとに様々な解釈がされているのです。

これは、バリューと言う言葉が、現在のマーケティングやブランディングにおいて、あらゆる場面で多用されていることが原因と考えられます。

バリューと言う言葉の響きに惑わされ、深い意味もなく使用しているケースや間違った意味合いで使用しているケースも多く見受けられるのです。

その中でも、多いのがそのブランドのネームバリューと言う意味合いで使用しているケースです。

これはそのブランドが世間に広く名の知られたブランドであるかと言う意味です。

特に、マーケティングやブランディングに深く関わりのない消費者は、このような意味でブランドバリューと言う言葉を捉えていることが多いのです。

このように、その場面により様々に解釈されているブランドバリューと言う言葉ですが、基本的には、企業やブランドが、消費者や社会に対し提供している全ての価値を表しており、その企業やブランドの独自の特長と言った意味も含んだ、深い意味のある言葉なのです。

しかし、先ほども述べたように、一般には、ブランドの知名度の高さを表す言葉として受け取られているケースが多いため、企業やブランドもその意味でこの言葉を使用していることが多いのです。

このように、ブランドバリューとは、現代の消費者にとっては、そのブランドがどれだけ知名度のあるブランドかと言う意味になります。

そして、その意味であれば、ブランドバリューは、現代の消費者が求めるモノではないのです。

これまでは、このブランドのネームバリューを重要視する消費者が多くいました。

その企業やブランドに魅力を感じているわけではなくても、ブランドバリューがあるから支持をすると言う消費者も多かったのです。

実際に、内容に変わりはない商品が複数あった場合、消費者のほとんどが選ぶのは、名の知れたブランドが提供している商品であったのです。

しかし、現代は消費者の意識や価値観がこれまでとは大きく変化しています。

現代の消費の中心となる世代は、名の知れたブランドであるかどうかと言うことに重きを置いてはいません。

この世代が、それよりも大切だと考えているのが、そのブランドを利用することによって、どのような体験ができるのかと言うこと、そして、そのブランドが信頼できるブランドであるかと言うことなのです。

消費者が求める信頼

この現代の消費者がブランドに求める信頼と言うのは、先ほどから述べているように、名の知れたブランドであるかどうかは関係ありません。

確かに、これまでは、名の知れたブランドであることが、信頼に繋がっていました。

しかし、それは、単に名が知れた大手企業であるから大丈夫と言う程度の安易な考えでしかないのです。

これまでの消費者は、企業やブランドに関して、一方的に提供される情報だけしか知ることができませんでした。

しかし、現代はインターネット環境が整い、誰でも簡単に情報を入手することができるようになっています。

これにより、企業やブランドは、これまでであれば隠していたであろう情報であっても、広く知られてしまう事となったのです。

そして、現代の消費者はそれらの情報をもとに、その企業やブランドがどのようなブランドであるのか、信頼できるのかを判断するようになったのです。

つまり、現代では、いくらブランドバリューのある大企業であっても、これまでのように商品をただ提供しているだけでは、消費者からの支持を得ることが難しくなっているのです。

また、現代の消費者は、広告や宣伝に対しても、厳しい目で判断するようになっています。

ネームバリューのある企業やブランドは、大掛かりな広告や宣伝を実施していますが、これは、現代の消費者には無意味であるとも言えるのです。

これは、ネームバリューを求める企業やブランドでも同様です。

ネームバリューを求めるばかりに、過剰な広告や宣伝を実施しても、消費者の支持を得られるどころか、反対に、距離を置かれてしまうことにもなるのです。

現代において、消費者の支持を得るためには、ネームバリューにこだわってはいけないのです。

例え、広く名の知られていないブランドであっても、そのブランドが信頼できるブランドであることが分かれば、現代の消費者は支持をしてくれます。

今ブランドがやらなければならないのは、美辞麗句を並べた広告や宣伝活動ではなく、信頼できるブランドあることを消費者に伝えることなのです。

これは、どのようなビジネスでも同じですが、ターゲットが現代の消費者であるD2Cビジネスの場合、特に気を付けなければならないポイントとなります。

D2Cビジネスは、新しく立ち上げられた企業であることが多く、スタートの時点で、認知度は全くありません。

そのため、ブランドを認知してもらうために、過度な広告や宣伝活動に走るケースも多くみられます。

しかし、それでは、D2Cのターゲット層に響くことありません。

D2Cビジネスにおいて、成功するためには、その点を肝に銘じておく必要があるのです。

まとめ

これまでは、ブランドと言うと、高級ブランドや有名ブランドのような、広くの名の知れたブランドのことと捉える人が多く、それらのブランドの商品を持つことが、一種のステイタスともなっていました。

しかし、時代は変わり、デジタル化が進んだこともあり、消費者のブランドに対する意識は大きく変化をしています。

現代の消費者にとってブランドは、名が知れている必要など全くなく、そのブランドが信頼できるかどうかが重要だと考えられているのです。

特に、D2Cブランドの場合、これが顕著であり、認知度を高めるよりも、信頼性を高めることのほうが必要となっているのです。