成功するD2Cブランドの共通点とは?

D2Cは、中間業者を介さず、直接商品を販売できるビジネスモデルとして、小規模事業者から名の知れた大手企業に至るまで、高い注目を集めています。

実際に、多くのD2Cブランドが誕生しており、今後もこの流れは続くことが予想されています。

しかし、これらのD2Cブランドのすべてが成功しているわけではありません。

成功するブランドは成功するために様々な努力をしており、誰でも簡単に成功できるわけではないのです。

そこで今回の記事では、成功するD2Cブランドの共通点について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

D2Cが注目される理由

D2C(Direct to Comsumer)は、ダイレクトの名前の通り、企業やメーカーが消費者に直接商品を販売するビジネスモデルであり、商品の企画から販売までを自社で一貫して行う仕組みとなっています。

このD2Cは、現在、最も注目されているビジネスモデルであり、小規模な事業者から大手企業までもが、このD2Cに注目しているのです。

D2Cがこれほど注目される背景には、スマートフォンの普及によりインターネットがより身近になったことが挙げられます。

これにより、ECで商品を購入する消費者が増加し、ECの売り上げが飛躍的に伸びているのです。

インターネットを利用するのにPCが主流であった以前では、ECの利用に抵抗を感じる消費者が多く存在していましたが、スマートフォンの手軽さによって、その抵抗感が薄れ、利用率が大幅に向上したのです。

実際に、EC市場において、スマートフォンを経由した利用者は、全体の5割近くを占めるようになっています。

このECの利用率の増加に伴い、あらゆる業種においてEC化が加速し、EC市場は拡大化しているのです。

また、SNSが広く普及し、日常的にSNSを利用するユーザーが増えたことも、D2Cが注目される理由の一つです。

従来のビジネスでは、間に多くの中間業者が介在し、消費者と直接コミュニケーションをとることは困難でした。

しかし、このSNSが消費者の間に広く浸透したことにより、企業やメーカーは消費者と直接コミュニケーションをとることが可能となり、ターゲット層に個別にアプローチすることができるようになったのです。

このように、インターネットの普及、スマートフォンの登場、SNSの普及と言った、デジタルの進化によって、D2Cは注目されているのです。

成功したD2Cブランドの共通点

D2Cがこれほど注目されているからと言って、全てのD2Cブランドが成功しているわけではありません。

成功しているのには、必ず理由があり、成功しているD2Cブランドには、共通した成功の理由があるのです。

具体的な事例として挙げられるのは、アパレルブランド「COHINA」です。

COHINAは、小柄なためにサイズ選びに苦戦する女性のために立ち上げられたD2Cブランドですが、SNSを最大限に活用し、顧客の共感を誘い、フォロワーを400人から14.8万にまで増やすことに成功しています。

この事例の成功の秘訣は、女性に人気のSNSであるInstaglamを最大限に活用したことにあります。

創業当社から、Instaglamでのライブ配信を毎日続け、地道にフォロワーを増やしていったのです。

この配信がユーザーに支持されたのは、露骨に商品の宣伝を行うものではなく、商品を通してユーザーとコミュニケーションをとる場として活用されたからです。

この場で、ユーザーからの意見を直接聞くことにより、さらに商品を改善し、ユーザーが本当に求める商品を作り続けたのです。

これらの地道な努力がユーザーに評価され、今では多くのユーザーから高い支持を集めるD2Cブランドとなったのです。

また、宅配食のブランド「BASE FOOD」も、成功事例としてよく取り上げられるD2Cブランドです。

BASE FOODは、1日に必要な栄養素を含んだ完全栄養食を、主食として提供するブランドです。

この補助食でなく主食と言う切り口は、栄養食の業界の中では革新的であり、販売前から大きな注目を集めていました。

そして、実際に、販売直後から人気商品となり、たった3年で海外進出を果たすまでになったのです。

立ち上げたばかりのブランドであるBASEFOODがこれほどまでに急速に人気を集めることができたのは、ECやSNSなどを最大限に活用し、ブランドの理念やストーリーを消費者に伝え、共感を得ることができたことが挙げられます。

BASEFOODは、顧客を一緒に革命を起こす仲間と位置づけており、様々な方法で顧客と接点を設け、一体感を育んでいるのです。

これにより、消費者の熱狂的な支持を得ることに成功し、その消費者がさらにSNSによって情報を広く拡散させ、幅広い層からの支持を集めることができたのです。

この2つの成功事例では、商品を強いこだわりを持って作り出してはいますが、その商品そのものを強く訴求するのではなく、その商品やブランドを通して顧客とじかに向き合い、それをまた、商品の改善や開発に活かしています。

そして、両社ともSNSを単なる情報発信の場としてだけでなく、顧客と直接コミュニケーションをとる場として有効活用し、SNSの効果を最大限に活かしているのです。

この2つの事例の共通点から言えることは、D2Cとは、単に商品を販売するビジネスではなく、顧客との関係性を重視し、顧客と一体となってブランドを盛り上げ、育てていくことで成り立つビジネスであると言うことです。

D2Cで成功するためには、この点を忘れないようにすることが大切なのです。

まとめ

D2Cは、現在大ブームと言っていいような状況になっていますが、簡単に成功できるビジネスモデルではありません。

自社ですべてを一貫して行うと言うのは、聞こえは良いですが、非常に難しいことでもあるのです。

また、マーケティングなどすべてにおいてデジタルを活用するのが特徴でもありますが、これもまた難易度の高いことなのです。

成功しているD2Cブランドは、これらの困難とも言えることを、それぞれに創意工夫しながら、地道に乗り越えているのです。