ビジネスには、B2BやB2C、C2Cなどさまざまな仕組みがあるのですが、中でも特に注目が集まっているものが「D2C」ですよね。
D2Cとは、Direct to Consumerの略称であり、ブランドやメーカーが自社内で企画、生産した商品を、流通業者を介すことなく自社ECチャネルで直接消費者に販売するビジネスモデルことを言います。
ブランドサイトの立ち上げ、顧客への情報発信、広告、マーケティング、購入すべてがデジタルで完結していることがD2Cの特徴であり、SNSやECサイト、また直営店舗で消費者とコミュニケーションを取りながら商品を生産し、販売します。
D2Cビジネスを行う上で、事業者は非常に多くの業務に追われてしまうのですが、特に重視すべきことは、つい後回しにしてしまう「物流」に関してでしょう。
物流のことを考えずにビジネスを進めてしまえば、想像よりもはるかにコストがかかってしまったり、結果的にビジネスの存続自体が困難になってしまう可能性があるのです。
ではD2Cビジネスをスタートする際、いつから物流に対して考えるべきなのでしょうか。
そこで今回は、D2C事業計画、物流に関してはいつ考えるべきか、ということについてお話させていただきたいと思います。
D2Cビジネス初心者の方、D2Cビジネスを成功させたい方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
結論から申し上げると、D2Cビジネスを行う際、物流に関しては事業計画の「はじめから」考えなければなりません。
つい後回しに、そして後で考えようと思ってしまいがちですし、よくあることなのですがそれでは後戻りができない状態になってしまうのです。
事業計画の際、もし物流に関して考えておらずそのまま採算計画を立ててしまった場合、予算と実績の乖離が激しくなってしまい、「物流コストが思っていたよりも高くなってしまった」という状況になってしまうのです。
採算計画を行う際は、さまざまな角度からビジネスを見て、その上で収益と支出を計算するのですが、もちろん物流に関しても計算の対象になります。
物流にいくらかかる予定でビジネスを進めるのか、ということをしっかり考え、正確な想定を行わなければ、物流を含めていない採算計画は間違いなく外れてしまい、無駄になってしまうでしょう。
物流のことを考慮せずに、商品や配送箱、同梱物などの企画や設計を行うと、商品そもそもを発送できなくなってしまう、もしくは無駄なコストがかかってしまう状態になってしまい、規格が合わない状態になってしまいます。
たとえば商品発送の際、安い発送手段としてネコポスを検討していたにも関わらず、企画や設計時に発送商品サイズが「厚さ2.5mm以下」におさまらなければ、ネコポスを利用することができません。
ネコポスが使えないとなると、60サイズで発送しなければならなくなり、そうなると約倍ほどのコストが必要になってくるでしょう。
規定のコストから大きく外れてしまいますので、採算計画がズレてしまいますよね。
また、そもそも配送会社に運んでもらえる規定の商品でなければ、発送すらもしてもらうことができません。
そうなると、もはやビジネスとして成り立ちませんので、発送商品のサイズや重量はもちろん、品目や法令などもしっかり検討し、あらかじめ良く考えておくことが大切なのです、
はじめから物流のことを考慮せず、オペレーションを組んでしまうと、その後いざ物流のことを考慮した際オペレーションコストが大きく膨れ上がってしまう、もしくはそもそもオペレーション対応が不可能である場合も予想でき、オペレーションに無理が生じてしまうのです。
自社内での業務や作業、物流委託先とのデータのやりとりなど、一日にどれだけの人数が必要でどれだけの時間がかかってしまうかを想定し計算していないとなると、想定以上の人件費が必要になってしまいます。
何をオペレーションに使用するのか、物流委託先との相性はどうなのか、その相性に応じたオペレーションはどう組めば良いのか、ということをあらかじめしっかり検討しなければなりません。
もちろんビジネスの内容と物流委託先によっては不可能な場合もありますので、それをしっかり確認しておくことで、ビジネススタート目前、もしくはスタート直後に「やっぱりできない」ということを回避することができるのです。
以上、D2C事業計画時、物流に関してはいつ考えるべきか、ということについて詳しくお話させていただきました。
上記で説明したことは、はじめから物流のことを考えていればすべて防ぐことができたことです。
はじめから考えることが大切なのですが、もちろんそのときだけ考えれば良いというわけではありません。
物流コストは想定していても、その後の商品の仕様や配送資材の詳細によって大きく変わります。
だからこそ、商品の設計途中であるのであれば、まずは事業計画に沿って採算を見直しながら行い、そして設計が終わるとそれに沿って何度も事業計画を修正することが大切なのです。
これからD2Cビジネスをスタートさせる方は、ぜひまずは物流のことをしっかり考慮することから始めてくださいね。