企業のD2C進出は顧客データの収集が目的?!

D2Cビジネスは、あらゆる分野に普及し、多くの企業が従来のビジネスからの転換を図っています。

そして、その中には、消費者の誰もが知っているような大企業も含まれているのです。

これらの企業が、D2Cビジネスに注目するのは、D2Cが時代に即したビジネスであることが大きな理由ですが、従来では入手できなかった顧客データをビジネスに活用できるということも理由の一つであるようです。

そこで今回の記事では、D2Cにおける顧客データ活用戦略について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

なぜ大企業までもがD2Cに注目するのか?

D2Cビジネスは、日々成長を続けており、続々と新たなブランドが立ち上げられています。

中でも、著しく増加してているのが、一般に名の知れた企業が立ち上げたD2Cブランドです。

現在、成功を収めているD2Cブランドの多くは、スタートアップ企業ですが、これらのブランドの成功を見て、D2Cに注目し参入する有名企業が増えてきているのです。

消費者の誰もが知っているような企業が、D2Cビジネスに注目するのは、それだけD2Cと言うビジネスモデルが、現代の消費者にニーズに即しているからに他なりません。

多くの企業が、従来のビジネスのままでは、消費者の支持を得ることができないと感じているのです。

現代の消費者は、以前のように積極的に消費活動を行わなくなっています。

その背景には様々な理由がありますが、中でも大きな理由として挙げられるのが、消費者のライフスタイルが変化し、ニーズが多様化していることです。

従来のように、大量に生産されたどこにでもあるようなものではなく、消費者一人一人がそれぞれの嗜好や関心にあった、本当に必要なものやサービスを求めるようになっているのです。

企業のD2C参入の成功事例

有名な企業がD2Cに参入した具体的な例として、コーヒーメーカーの「UCC」があります。

このUCCでは、顧客の好みに合わせてコーヒー豆を販売する「MY COFFEE STYLE」と言うD2Cブランドを、2019年にスタートさせています。

このブランドは、専用のWEBサイト上で必要な情報の登録を行うことで、顧客の好みに合わせたコーヒー豆が毎月届けられると言う仕組みのサービスです。

このサービスでは、顧客が新しいコーヒー豆を試し、その感想や意見を登録することにより、顧客の嗜好性データが蓄積され、毎月より適したコーヒー豆を届けることが可能となります。

顧客がこのサービスを利用すればするほど、顧客自身の嗜好が可視化されていきます。

そして、顧客は自身でも気付かなかった嗜好をこのサービスを利用することで発見することもができるのです。

これは、顧客にとって非常に魅力的な体験型のサービスです。

また、このサービスは顧客に取って魅力的なだけではありません。企業にとっても貴重な顧客データを収集できると言う大きなメリットがあるのです。

いくら有名な企業であっても、顧客の詳細なデータを入手するのは簡単なことではありません。

ましてや、顧客の嗜好と言った、細かいデータを集めると言うのは通常では難しいことです。

今の時代は、個人情報の提供に抵抗を感じる顧客が多く、安易に自身の情報を提供することはないのです。

しかし、このような魅力的な体験型のサービスであれば、顧客自身が楽しんで利用することが可能ですし、楽しむことができれば、進んで詳細なデータを提供してくれるのです。

UCCでは、このように商品そのものだけでなく、商品を購入することで得られる魅力的な体験を顧客に提供しているのです。

そして、それにより、顧客のデータの入手が容易となり、そのデータを活用し、さらに魅力的な体験を顧客に提供するのです。

この顧客データの活用は、今後のD2Cビジネスには欠かせない要素となります。顧客それぞれに合わせたサービスを提供するためには、UCCの事例にように、顧客データを最大限に活用することが重要なのです。

今後のビジネスでは顧客データの活用が重要となる!

従来のビジネスは、この顧客データを活用すると言うことを、あまり重要視していませんでした。顧客に満足してもらうと言う名目で様々な施策を行っている企業もありますが、その多くは、ポイント制度の導入や割引クーポンの配布と言ったような、経済的なメリットを提示する施策ばかりなのです。

しかし、顧客が本当に求めているのは、経済的なメリットばかりではないのです。

商品やサービスを割引価格にすれば、一時的に集客することは可能かもしれませんが、そこで集まった顧客が継続して利用してくれるかと言うとその可能性は低いのです。

UCCの例を見ればわかるように、現代の顧客は商品やサービスを利用することで得られる体験を、自身にと手価値のあるものと考えるのです。

そして、顧客それぞれにこの体験を提供するためには、顧客データを活用していくことが重要となるのです。

まとめ

D2Cビジネスは、単なる流行りのビジネスではなく、今や大企業までもが注目するビジネスとなっています。

その理由はいくつもありますが、中でも注目すべきなのが、今回説明したデータの活用です。

顧客一人一人に合わせたサービスの提供が求められている現代では、顧客データの収集、活用は必須であり、それを容易とするビジネスがこのD2Cなのです。