D2CビジネスにおけるそれぞれのECサイト構築方法の費用感

企業と顧客の間に新しい関係性を作り出していると言われているD2Cビジネスモデルが今、海外だけでなく、日本でも多くの注目を浴び、どんどん事例が多くなっています。

D2Cとは、Direct to Consumerの頭文字を取った略称であり、企業やブランド自らが商品の企画や製造を行い、顧客に直接商品を販売するビジネスモデルです。

このような直販型のビジネスモデルは、過去にも存在していたものの、D2Cビジネスはアパレルや美容業界を中心に展開する企業が多くなっているのです。

D2Cビジネスの特徴としては、ビジネス内のすべてを担うこと、自由度が高く柔軟に変化をすることができるポイントが多いこと、顧客からのフィードバックが得やすいこと、PDCAを素早く回すことができることでしょう。

コロナ禍に伴い、消費者のライフスタイルのすべてが急激に変化していく中で、今後もさらにD2Cビジネスの成長が期待されています。

D2Cビジネスを行う上では、ECサイトを構築することが必須になってくるのですが、ECサイト構築時はどれくらいの費用がかかるのか、気になるところでしょう。

実際にかかる費用と、コスト関連の注意点は、事前にしっかり理解してくことが重要です。

そこで今回は、D2CビジネスにおけるECサイト構築方法の費用感と、コスト関連の注意点について、詳しくお話させていただきたいと思います。

今後D2CビジネスにてECサイトを構築しようと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

ECサイト構築別の費用感

国産SaaS型ECシステム

国産SaaS型システムは、利用者が必要としている機能を手ごろな価格で安心して利用することができ、カスタマイズ性が非常に高いクラウド型のシステムです。

まったく何もない状態から開発する、フルスクラッチと比較すると、どうしても独自性は低くなってしまいますが、開発企業が時の流れに合わせて、機能のアップデートを行うという点においては、独自性以上に重要だと考えられるでしょう。

費用感は、初期導入費用が約10万円~、制限が緩いプランでは、月額約5万円~です。

この金額を見て、少し高いと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、ある程度の年商規模を目指す場合であればROIをしっかり考え、優れたシステムに投資することは重要です。

海外SaaS型ECシステム

日本でも、世界で利用されているブランドが展開されていますが、開発企業であるベンダーが、日本国内での支援実績があるか、という伴走者の立場での見極めも非常に重要です。

海外SaaS型ECシステムは、費用感に差があり、初期導入費用が約2万円~100万円です。

ブランドとプランによって、大きく差がありますので、もし制限が緩い標準的なプランでの月額は上記の国産SaaS型ECシステムと同様、約5万円程度をイメージしておくと良いでしょう。

パッケージ型ECシステム

パッケージ型ECシステムは、ECシステムとして必要としている機能を一式装備しており、それでいて、企業内で利用している他のシステムとの連携が可能であったりと、自社向けにきめ細やかにカスタマイズをすることができるのです。

イメージとしては、パッケージを自社で買い上げる、というイメージですので、基本的にはその都度毎の販売手数料は不要です。

ですが、初期導入費用としては数十~数百万円、月額で見ると10万円単位、そして開発期間が3ヵ月~6ヵ月ほどかかってしまいますので、これを理解すると良いでしょう。

オープンソース

オープンソースは、無料で公開されているコードを利用してECサイトを構築する手法です。

そもそも自身で立ち上げてしまえば、無料なのですが、この場合は企業内に専用の人材が必要となるでしょう。

また、オープンソースによる開発そのものを外注するということも一般的になっています。

この場合、外注企業によって初期費用は数十万円~100万円以上と大きく異なってきますので、自社ECサイトの要件定義をしっかり行い、委託するようにしましょう。

また、アフターフォローなどの契約もしっかり確認することも重要です。

これらを全て踏まえると、無料だからといって安易な選択ではないことが分かるでしょう。

フルスクラッチ

フルスクラッチは、何もないゼロの状態から既存のASPパッケージ、SaaSなどを利用せず、すべて自社内で開発しますので、かなり高価な手法です。

ですがフルスクラッチを用いることで、自社ブランドの独自性が発揮しやすく、収集した顧客データをすべて自社内にて自由に取得し、活用することができるのです。

初期費用としては、数千万円~数億円が必要となり、さらにそこから専門の人材を抱えなければなりませんし、システムの時代の流れに応じて更新や新規の立ち上げにも膨大な費用が発生します。

そして、自社内で全てを完結させますので、セキュリティ上のトラブルも、自社内で対処しなければならないので、もしフルスクラッチを選択するのであれば、これらすべてをしっかり理解すべきでしょう。

無料ASP

無料ASPは、とにかく費用を抑えたい、という人向けの初期費用が無料の構築方法です。

スモールビジネスや、実験的にECサイトを構築したい、という場合には最適な選択肢でしょう。

ですが、すべてが無料というわけではありません。

決済手数料だけを見てしまうと、他の選択肢よりも高くつく場合がありますので、「無料」という言葉に惑わされず、正しい判断をすることが重要です。

まとめ

以上、D2CビジネスにおけるそれぞれのECサイト構築方法の費用感についてお話させていただきました。

D2CビジネスにはECサイトは必要不可欠になりますので、どれでECサイトを構築するか、ということが非常に重要になってきます。

それぞれの企業によって、適切な手法は異なってきますので、ぜひこの記事を参考に、しっかり判断してくださいね。