顧客から信頼されないD2Cは成功しない!

D2Cビジネスに限らず、現在のビジネスでは、顧客を重視し、その顧客との関係性を構築していくことが求められるようになっています。

しかし、関係性を築くためには、顧客から信頼されなくてはなりません。

特に、デジタルを活用するビジネスでは、顧客の個人情報を預かる必要があり、その点において、十分な配慮が必要となるのです。

そこで今回の記事では、D2Cにおいて顧客からの信頼を得るために必要なことについて説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

ECで問題となるプライバシーの保護

現在、EC市場は急速に成長しており、ECの利用者も大幅に増加し続けています。

これに伴い、ECを販売の軸とするD2Cビジネスも順調に市場を拡げています。

この成長は、今後も続いていくものと考えられていますが、このようにECが躍進するその一方で、オンラインを利用した場合の個人情報の取り扱いが大きな問題となっているのです。

これほどECの利用が増えれば、個人情報の扱いが問題となるのは当然のことです。

そもそも、これまでECを利用していなかった消費者の中には、この個人情報の扱いに対し不安を感じていた人も多いのです。

さらに、現在消費の中心となっている世代が、これまでとは異なる価値観を持っていることもこの問題の背景にあります。

この世代は、これまでよりも自身のプライバシーや権利を守ろうとする傾向が高く、これはデジタルの世界ではさらに顕著となっています。

また、この世代はデジタルの世界において、相手に対して透明性や本物であることを求める傾向もあり、企業やメーカーはプライバシーや権利を守ること、そして、自社の透明性を消費者に伝えることが求められるようになっているのです。

顧客がD2Cに求めるものとは?

D2Cビジネスでは、自社ECやSNSなどのデジタルを顧客接点の軸としていますが、中には、リアルな顧客接点を求めて実店舗を持つブランドも多くあります。

どちらにおいても、D2Cビジネスでは、商品を売るためだけの接点としてこれらを活用しているわけではありません。

顧客一人一人と向き合い、それぞれに最適な体験を提供するために、顧客との接点を設け、顧客との繋がりを強固なものとしているのです。

また、この接点において、D2Cブランドが提供するのはそうした体験だけではありません。

商品がどのような環境でどのように作られているか、どのような材料を使っているのか、原価はどのくらいなのかと言った、従来では、消費者が知り得なかった事までも顧客に伝えているのです。

こう言ったことを包み隠さず伝えていくことで、ブランドや企業は顧客から信頼を得ることができるようになり、より強く繋がっていくことが可能となるのです。

このように自社の透明性を顧客に明確に伝えることを重要なことと考え、実際に伝えているブランドは、前述の個人のプライバシーや権利を守ることも重要と考えており、それらに対し何らかの対策を行っています。

デジタル技術が進化し、ECの利用者が増えるのは、多くのビジネスにとって喜ばしいことではあります。

しかし、先ほども述べたように、企業側が考えているよりも、消費者は個人のプライバシーの保護や権利の厳守に関して、厳しく企業を見極めているのです。

そして、これらのことに対して企業がどのような姿勢で臨んでいるかによっては、その企業やブランドを支持しない、その企業やブランドの商品を購入しないということもあるのです。

つまり、この個人のプライバシーや権利の保護の問題や企業の透明性を求めていると言うのは、顧客が企業やブランドに対し、信頼できる関係を望んでいると言うことなのです。

この顧客が望む信頼できる関係と言うのは、デジタル上でビジネスを行う以上、当然求められるべきことと言えます。

従来では、実店舗で商品を購入する場合、顧客側が望まなければ、必ずしも個人情報を提供する必要はありませんでした。

しかし、デジタル上では個人情報の提供は必須であり、利用すればするほどその情報は蓄積されていくのです。

D2Cビジネスは、この情報をもとに、顧客それぞれに合った体験を提供していくため、このような顧客の情報の収集は欠かせません。

それ故に、顧客の情報を保護すること、つまり、顧客に不安を与えないことは当然求められる事なのです。

そして、顧客に安心して個人情報を提供してもらうためには、顧客から信頼してもらうことが必要であり、そのために重要となるのが企業の透明性を伝えることなのです。

まとめ

デジタルを活用することが当然となった現代においては、このような、プライバシーの保護や個人の権利の厳守、そして企業の透明性が求められるのは当たり前のことです。

信頼できない企業に、自身のプライベートな情報を好んで提供する顧客はいないのです。

D2Cビジネスは、これらの点において、現代の消費者の価値観に適っており、顧客と同じ方向に進んでいると言えるのです。