D2Cビジネスを成功させるために必要な「カスタマーサクセス」のスキル

ここ数年で、D2Cというキーワードを耳にする機会が多くなり、今では自社ブランドを持つ多くの企業がD2Cビジネスを展開しています。

D2Cとは、Direct to Consumerの頭文字を取った略称であり、製造者が消費者に対し、商品を直接販売するビジネスモデルです。

なぜD2Cビジネスが脚光を浴びているのか、それは、モノと情報が溢れる社会において、生活者の価値観が変化し、従来までの流行や高級ブランド志向から、顧客自身に合った商品を重視する、という方向にシフトしていることが挙げられるでしょう。

また、新型コロナウイルスの影響により、ECサイトの利用率が大きく上がり、日常生活において定着が進んでいることが挙げられます。

D2Cビジネスを行う上では、カスタマーサクセスの重要性に関する理解は欠かすことができません。

カスタマーサクセスはただの一過性のブームではなく、消費者の消費形態がシフトしているからこそ、さらに重要視されているのです。

商品を購入してもらうだけでなく、購入を通して顧客が「成功した」「良かった」と思わせ、ファンにすることが重要であり、これを実際に導く考え方が、カスタマーサクセスなのです。

そこで今回は、D2Cビジネスを成功させるために必要な「カスタマーサクセス」のスキルについて、詳しくお話させていただきたいと思います。

D2Cビジネスにおけるカスタマーサクセスへの理解を深めたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

カスタマーサクセスが注目される背景

なぜ今ここまでカスタマーサクセスが注目されているのか、その理由は「市場の成熟化」が挙げられます。

先進国の多くでは、さまざまな分野において同様の商品が溢れていますので、購入者に幅広い選択肢が与えられています。

販売企業にとっては競合が多い状態であるからこそ、差別化が非常に難しくなっているので、より長く顧客に利用してもらうためにも、カスタマーサクセスを重要視し、継続的に顧客満足度を向上させることが重要なのです。

カスタマーサクセスに必要なスキル

・業務設計と企画のスキル

カスタマーサクセスでは、入手した情報をしっかり分析し、そこから問題や課題を発見し、解決策を見出していきます。

そして、その解決策を、実際の業務に落とし込んでいかなければなりませんので、業務設計のスキルが重要になってくるでしょう。

改善や追加、省略などの変化があれば、自然と業務フローも必要な人員だけでなく、業務に関する時間や人件費、費用まで変わってきますので、最終的に成功に導くためのプロセスまでをしっかり考えて提案していかなければなりません。

・ファシリテーションスキル

カスタマーサクセスは、人と人とのコミュニケーションを円滑にするための調整力である、ファシリテーションスキルが必要です。

もし、顧客と自社開発メンバーとの間に立つ場合には、スムーズにコミュニケーションを取るための「翻訳」が必要不可欠でしょう。

顧客はIT技術的なことにはあまり詳しくない、という場合も多い上、開発者が顧客のビジネスに関して知識がない、という場合もあります。

また、企業内のチームの連携を良好に保たなければなりません。

特に開発やマーケティング、営業、サポートなどの他部署との連携では、利害関係にも考慮しなければならず、それぞれの立ち位置の状況をしっかり見極めながら進めることが大切です。

カスタマーサクセスのKPIと成果指標

カスタマーサクセスのKPIと成果指標は、「LTV(ライフタイムバリュー)」「CAC(カスタマー獲得コスト)」「チャーンレート(解約率)」です。

LTVの最も単純な計算式では、プロダクト、もしくはサービスのコストに、カスタマーの平均利用年数を掛けたものであり、1人当たりの顧客がどれくらいの利益を生むか、ということを測ります。

CACは、新規顧客獲得のために必要なコストであり、営業やマーケティング、オンボーディングなどの人件費を含め、どれだけ企業全体でコストをかけたか、ということを把握しなければなりません。

そしてその費用の金額を新規顧客の人数で割ることで求められます。

CACが低ければ低いほど良いので、企業は効率を改善し、リード件数を増やすことに注力すべきでしょう。

チャーンレートは、ある期間に失った顧客の割合であり、通常のCACの上昇と、LTVの低下に繋がる重要な指標です。

解約が多く発生している場合は、今のプロダクトやサービスに根本的な問題がある、という可能性が非常に高いでしょう。

まとめ

以上、D2Cビジネスを成功させるために必要な「カスタマーサクセス」のスキルについてお話させていただきました。

これからどんどん自社D2Cビジネスを成長させていくためには、今までとは異なる改善を意識した取り組みが重要です。

D2Cビジネスを成功させるためには、カスタマーサクセスのスキルを身に付けることは非常に重要ですので、ぜひ今後の参考になさってくださいね。