2010年頃、アメリカでD2Cというビジネスモデルが誕生し、日本の企業でも徐々にD2Cの市場が拡大していることでしょう。
D2Cとは、Direct to Consumerの略称であり、ブランドやメーカーが自社内で商品の企画や生産を行い、流通業者を介すことなく、自社Webサイト内で直接消費者に商品を販売するというビジネスモデルです。
自社内で開発した商品を、直接消費者に販売するという手法は、Web上でデジタルサービスを提供するIT企業において、すでに一般的に採用されているのですが、D2Cビジネスの特徴は、ファッションアイテムや生活用品など、実体のある商品を取り扱うブランドやメーカーということですので、非常に新奇性があると考えられているのです。
D2Cビジネスにおいて重要なことは、LTVをどのように向上させるか、ということであり、CPAの視点から見ても、いかに新規顧客を増やすか、ということと同時にいかに顧客に継続利用してもらうことができるか、ということを考えなければならなくなっています。
D2Cビジネス自体は、その概念が生まれてまだ歴史が浅いので、情報が少ないことも現状でしょう。
そこで今回は、D2CビジネスでLTVを向上させるためのアプローチ方法について、詳しくお話させていただきたいと思います。
今後D2Cビジネスの展開を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
LTVの算出方法は、「年間購入回数×購入当たりの単価×解約抑止率」の3つにより算出されます。
そして、LTVを向上させるには、「解約抑止率を上げること」「購入当たりの単価を上げること」以上のアクションが必要です。
なぜこれらのアクションが必要なのか、それには、実現した時のインパクトが大きいこと、PDCAを明確に回すために検証しやすいことが理由として上げられるでしょう。
解約抑止率の向上
解約抑止率の向上を目的とする場合、ただ単に解約率を下げれば良いと考えてしまいがちですが、実際に顧客視点に立って考えるとまた違う考え方ができるでしょう。
解約を希望する顧客はまずどのような状態なのかを考えてみると、契約当時の期待値からはかなり下がっていることが考えられるでしょう。
そうなると、再度自社に対する期待値を向上させなければなりません。
再度期待を持ってもらうことで、再び継続への選択肢が浮かび上がってくるのです。
そのために重要であることは、初回購入時の気持ちを思い出してもらうことですよね。
解約抑止率を向上させるためには、ここにアプローチする必要があります。
これには、対話型のチャットボットが良いでしょう。
チャットボットにより、顧客の解約理由をヒアリングし、再度初回購入時の気持ちを思い出してもらいましょう。
最近のチャットボットは非常に機能が優秀なため、さまざまな条件分析によりシナリオを作ることができますので、それぞれの解約理由に応じた適切なコンテンツを配置しましょう。
究極を突き止めると、顧客に対しパーソナライズされた会話をすることが理想ですが、重要なことは解約理由が明確にわかるように条件分岐をさせ、そして分析結果に合わせて適切な会話をすることが大切なのです。
購入あたり単価の向上
購入当たりの単価を上げるアプローチは、アップセルやまとめ売りにより、顧客が一度に買う量を増やすことで達成できます。
顧客が商品を購入する瞬間、期待値を最大化することで、結果的に購入あたりの単価を向上させることに繋がるのです。
たとえば初回購入時、サンクスページでアップセルを行うことで、実現する可能性が高まりますよね。
サンクスページでアップセルを成功させるためには、どのような構成でページを作成するか、ということが重要です。
そのためには、顧客を引き止める魅力的な画像を配置すること、継続購入者の生の声を口コミ形式で用意すること、価格自体のメリットを確実に伝えることが有効でしょう。
これらの条件を満たすページを制作することができると、アップセルに成功する可能性が格段に上がります。
ですが、一度購入を完了している顧客であるからこそ、LPのように非常に長いページになってしまうと、離脱の可能性も高まってしまいますので、内容をコンパクトにまとめることが重要です。
以上、D2CビジネスでLTVを向上させるためのアプローチ方法をお教えさせていただきました。
顧客の感情を動かすためには、ただ安売りするのではなく、「あなただから」という特別感を伝えることが重要です。
D2Cビジネスで売り上げを作るためには、LTVを向上させることが必要不可欠です。
しっかりポイントを抑え、PDCAを回すことで必ずLTVは向上しますので、ぜひ継続して試してみてくださいね。