D2Cブランドのブランディングに必要な要素とは

2010年頃、アメリカでD2Cというビジネスモデルが登場して以降、その市場はどんどん拡大し、今は日本国内でもD2Cを導入する企業が多くなってきました。

D2Cとは、Direct to Consumerの略称であり、メーカーやブランドが自社内で商品の企画や生産を行い、流通業者を介すことなく自社Webサイトで消費者に直接商品を販売する仕組みです。

このような直販型のビジネスモデルは、もうすでにIT業界では一般的に採用されているものの、D2Cの場合はファッションアイテムや生活用品など、実体があるということが特徴的で新奇性があるでしょう。

D2Cビジネスを成功させるためには、ブランディングが非常に重要になってきますので、ブランディングに関する知識は絶対的に必要です。

数年前とは違い、モノが溢れている今の時代だからこそ、顧客が抱える課題を解決するだけの機能的価値だけでは顧客の目を惹くことができません。

だからこそブランディングを行い、自社にしかない魅力を積極的にアピールしていかなければならないのです。

そこで今回は、D2Cブランドのブランディングに必要な要素について、詳しくお話させていただきたいと思います。

今後D2Cビジネスの展開を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

D2Cブランドのブランディングに必要な要素

ブランディングの責任者を置く

ブランディングを行うためには、専任の責任者が必要です。

実際ブランディングを行っていたとしても、責任者を設けていない、そこまで重要視していない、マーケティングと兼任で十分、という考えもあるでしょう。

ですが、ブランディングを行う場合は絶対に責任者を置くべきなのです。

D2Cビジネスでのマーケティングは、PDCAサイクルをスピーディーに回すことで顧客の反応を素早くキャッチし、それを商品に落とし込んでいき、顧客の課題解決のためのより良い商品を制作します

ですが一方でのブランディングは、課題に対する解決ではありません。

ブランディングは情緒的価値を高めますので、課題解決とは別に「買う意味」を作るので、これら二つはバランスを取るべきであり、ブランディングには専任の責任者を置くべきなのです。

たとえば、影響力が強いインフルエンサーに自社商品を紹介してもらうと、一瞬で多くの支持を得ることができるでしょう。

ですが、長い目でビジネスを見たとき、本当にそのインフルエンサーで良いのか、そしてインフルエンサーが発信するメッセージはブランドのためになっているのか、ということを考えなければなりません。

全ての施策をブランディングの視点で考えるための責任者を設け、バランスが取れる体制が理想的です。

ブランドDNAを作る

ブランドには人の思想や価値、方向性などすべてをまとめた、核となるものが重要であり、これをブランドDNAと言われています。

ブランドDNAという言葉はあまり聞きなれていないという方も多いかと思いますが、顧客像やプロダクトの価値ブランドのビジョンブランドの人格ブランドストーリーなどの14項目を概念化したものであり、これが明確なものでなければ、その後のブランディング力も非常に弱くなってしまうのです。

ブランディングと聞くと、デザインを思い浮かべる方も多いかと思いますが、そもそもそのデザインを起こすためには、まず先にブランドの本質を明確に概念化しなければならないのです。

ブランドVIを作る

ビジュアルアイデンティティであるVIを作りましょう。

VIとは、これから作り上げるブランドのビジュアルの基礎のルールであり、すべてのビジュアルがこのVIに従って作られるのです。

ブランドVIの目的は、ブランドDNAによって作り上げたものを視覚的に伝え、そして顧客に対し魅力的に表現することです。

ブランドデザインと聞くと、Webサイトやリーフレットなどをもう既にアウトプットされた制作物が多いのですが、VIはこれらを作るためのルールであり、世界観やコンセプト、色の彩度やトーンなどを決めていくので、VIができてなければ制作物を作ることができないのです。

全方位にブランドの世界観を伝える

D2Cビジネスでは顧客とのタッチポイントは、Webサイトや広告、SNS、メール、梱包、同梱物、コールセンターなど非常に多くあります。

だからこそ、ブランディング担当者や事業者のみが理解していても意味がありませんし、ブランドDNAとVIを作っただけでは意味がないのです。

ブランディングを成功させるためには、顧客とのどのタッチポイントにおいても良い印象を作り、そして全方位にブランドの世界観を伝えなければなりません。

これがD2Cブランドのブランディングで、一番重要な要素と言えるでしょう。

まとめ

以上、D2Cブランドのブランディングに必要な要素とは何か、ということについてお話させていただきました。

もちろん、業種やブランドによって状況は異なるものの、これらの要素はD2Cビジネスには非常に重要で、出来れば良いのではなく、必要なことであるということを忘れてはいけません。

もし今現状この中で1つでも要素を満たすことが出来ていない場合は、すぐにブランディングの方法を再検討することをおすすめします。

ぜひこの要素を参考に、D2Cビジネスでのブランディングを成功させてくださいね。