D2Cに必要なニッチとは何か?

ニッチは、近年ビジネスシーンで良く耳にする言葉であり、ニッチ市場、ニッチ産業などというように使用されています。

現在ではこの言葉は、一般の消費者の間にも広く普及していますが、中には本来の意味を理解していないケースもあるようです。

このニッチという言葉は、特にD2Cビジネスでは他のビジネスよりも重要なキーワードとなるため、その意味合いを正しく理解することが必要です。

そこで今回の記事では、ニッチの意味やD2Cビジネスとの関係について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

ニッチとは何か?

ニッチの語源となる英語のnicheは、巣や巣窟、壁龕、くぼみ、割れ目という意味を持ち、くぼみという意味からイメージされる「隙間」、くぼみに何かを飾るというイメージから「適所」「得意分野」という意味合いでも使用されます。

この英語のnicheは、ラテン語の巣や巣窟という言葉を語源とし、それがフランス語に転じ、その際に壁龕や避難所という意味が加わり、さらに英語に転じた言葉ですが、フランス語に転じた際に加わった避難所という意味は英語のnicheには踏襲されていません。

しかし、現在日本で使用されているニッチは、英語のnicheが持つ意味合いを全て踏襲しているだけでなく、この避難所の意味合いも踏襲しており、語源となるフランス語の部分までも広く踏襲した言葉となっています。

ただし、このニッチという言葉はあくまでも英語のnicheを語源として産み出された言葉であり、カタカナ語に分類されるためカタカナでニッチと表記されるのが一般的となっています。

ニッチの使われ方

このカタカナ語ニッチは、近年になって使用されるようになった比較的新しい言葉ですが、現在では様々な分野において広く使用されています。

主に、建築、生物学、経済などの分野で使用されており、さらには一般でも日常語として使用されることもありますが、それぞれに異なる意味合いで使用されているためこの点を正しく理解することが重要です。

  • 建築にかかわる分野では、
  • 建物の一部を窪ませて創り出す空間

  • 地学の分野では、
  • 岩などの割れ目や窪み

  • 都市建築の分野では、
  • 橋やトンネルの退避用の空間

  • 生物学にかかわる分野では、
  • その生物に適応した生息場所や生態的役割

    を表しています。

    これらの使用方法はその業界における専門的な用語となるため、一般に使用される機会はあまりありません。

    一般的に使用されているニッチの意味合いは、上記の専門的な意味合いとは異なり、人や物の特徴を表す言葉として用いられます。

    くぼみや割れ目などのイメージから、小さくて目に付きにくい盲点的といった意味合いで使用され、マニアック、風変りと言った言葉と同様のイメージで用いられています。

    このマニアックや風変りという言葉はネガティブなイメージがありますが、ニッチの場合はネガティブな意味合いは少なく、個性的、オリジナリティが高い、着眼点が良いと言ったポジティブな意味を多く含んでいます。

    そして、このニッチが最もよく使用されているのが、経済の分野やビジネスの業界です。

    この場合のニッチは、隙間という意味合いで使用され、既存の商品やサービスではカバーできていないビジネスの隙間を指しています。

    具体的には、規模が小さく大企業が進出していない市場のことをニッチ市場と称したり、誰も手を付けてない分野のことをニッチ産業、需要が低く、万人受けはしないものの、一定数の支持を得ることができる商品をニッチ商品というように使用されています。

    D2Cビジネスとニッチの関係

    上記のように、ビジネスにおいてニッチとは隙間という意味合いで使用されている言葉です。

    そして、大企業が目を付けていないこのニッチというビジネスの隙間は、小さな事業者であっても成功できる可能性を大いに秘めているのです。

    D2Cビジネスは、中間業者など従来ブランドビジネスに必須とされていたコストを削減することで、小規模な事業者であってもブランドを立ち上げることを可能としたビジネスです。

    そもそも大企業と同じ土俵に立つことを目的とはしておらず、特定の需要に応えていく事が求められているのです。

    つまり、D2Cビジネスは、その存在自体がニッチなビジネスと言えるのです。

    実際に現在展開しているD2Cブランドは、あらゆる分野に存在しているニッチを見出し、消費者のニッチなニーズに応えています。

    万人に広く受け入れられるのではなく、特定の分野に特化することで、ビジネスとして成功することができているのです。

    D2Cビジネスにおいてニッチは欠かせない重要な要素であり、ニッチなニーズをどう捉えていくかがD2Cビジネスの成功の鍵となっているのです。

    まとめ

    ニッチという言葉は、ビジネスにおいて良く聞かれる言葉でしたが、最近では一般にも広く普及しています。

    しかし、本来の意味やその言葉に含まれる意味合いを正しく理解していないケースも多く見受けられます。

    ニッチには、今回説明したように深い意味を含んでおり、D2Cビジネスにおいて使用する場合には、その意味を正しく理解することが必要なのです。