企業や個人が、小売店舗や流通企業を介すことなく、自社Webサイトで消費者に直接商品やサービスを販売するビジネスモデルにことを言います。
ビジネス業界では今非常に話題になっているビジネスモデルですよね。
アメリカではここ数年で何社ものD2Cブランドが、資金調達を達成し、ユニコーン企業となっており、日本企業においてもスタートアップを中心にD2Cビジネスをスタートさせる企業が多くなってきています。
D2Cを簡単に言うと、消費者に直接モノを届ける、ということです。
このように聞くと、従来までも自社ECサイトで商品やサービスを販売することはあったものの、それとは何が違うのか、と思われる方もいらっしゃるでしょう。
D2Cビジネスは、従来までのビジネスモデルとは異なり、ブランド独自の世界観を伝える設計であること、ユーザーへの利益還元があること、SNSインフルエンサーの拡散力が影響することが特徴です。
そしてここ最近D2Cブランドの多くが、サブスクリプション型として提供されていることが多いことをご存知でしょうか。
サブスクリプションとは、ユーザーに継続的にサービスを提供する仕組みであり、D2Cとサブスクリプションは非常に相性が良いと言われているのです。
そこで今回は、D2C×サブスクリプションの成功事例をご紹介していきたいと思います。
今後D2Cとサブスクリプションを掛け合わせたビジネスを行いたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
「COLORIS(カラリス)」
COLORISは、顧客一人一人に合わせてセルフヘアカラーセットを提供する、美容D2Cブランドです。
ユーザーの初回登録時、美容師監修によるWebカウンセリングを約3分程受けることで、1万以上もの組み合わせの中から、そのユーザーに最適な処方が提案されます。
COLORISのターゲットユーザーは「仕事や育児が忙しく、中々美容室に行くことが出来ない女性」「そもそも美容室をあまり好まない女性」「近隣に合う美容室がない女性」です。
LINEやInstagramを積極的に活用し、商品の使用例を具体的に発信していますので、ユーザーは安心して正しく商品を使うことができますよね。
正しく商品を使うことができるからこそ、商品の効果も実感しやすく、結果的に顧客生涯価値であるLTVを向上させることができるのです。
「VALX(バルク須)」
VALXは、プロテインや紗プリンメントなどに特化したマッスル系の食品D2Cブランドです。
VOXY商品を監修した方は、ボディビル界のレジェンドとも呼ばれており、YouTubeなどにより積極的に情報発信をしています。
VALXは、「本物の商品を本物の情報とともに顧客に届ける」という思いを持ち、その思いを体現するかのように、商品の宣伝だけでなく、筋トレやダイエット方法などのコンテンツも継続的に発信しているのです。
このようなYouTubeコンテンツを経由してVALXを契約したユーザーの解約率は非常に低い上、EC業界における広告比率の一般的な数値は30%と言われている中で10%以下に押さえることができており、高品質の商品やコンテンツを顧客のもとへ届けることを可能にしたのでしょう。
「北の快適工房」
北の快適工房は、健康食品や化粧品のD2Cブランドであり、一番に掲げていることは、顧客に「ご満足いただけること」です。
顧客にご満足いただくための取り組みとしては、何度もモニター調査を行い、その結果が「びっくりするほど良かった」ものだけを商品化する、新成分や流行している成分を簡単に取り入れず、実用的なもの、もしくは顧客満足度向上に影響する成分のみを取り入れる、「北海道」の素材を使用する頻度は高いが、商品の品質自体が最優先であるので、場合によっては北海道以外からの素材も調達する、というように、商品開発の段階で、これが本当に顧客が満足するのだろうか、と問い続けることは、D2Cビジネスの目指す姿勢ともいえるでしょう。
上記の事例のように、D2Cビジネスとサブスクリプションビジネスを掛け合わせ、成功しているブランドに共通していることは何でしょうか。
まずは、顧客に新しいライフスタイル、もしくは価値観を提案していること、そしてサービスの品質を向上させるために顧客の声をよく聞き、知ること、ユーザーが自社商品やサービスに共感し、自らを広めていることでしょう。
D2Cブランドを展開する上で、自分たちのサービスがユーザーに対し、どのような価値観を提案しているか、という観点が重要になってきます。
そして、D2Cビジネスとサブスクリプションビジネスを掛け合わせることで、事業者にとっても、顧客の声を反映させやすいので、メリットになりますよね。
また、良質なサービスを提供していれば、サービス利用者がオンラインやオフライン問わず、口コミを通じて自発的にサービスを広げてくれます。
これらをいかに効率よく回していくか、ということこそ、D2Cとサブスクリプションの成功法なのです。
以上、D2C×サブスクリプションの成功事例をご紹介させていただきました。
D2Cとサブスクリプションを併せてビジネスを進める事業者は、顧客を起点としてサービスを作り上げていく、という姿勢が求められています。
この二つのビジネスモデルは、インターネットやスマートフォンの普及、ネットショップ開設の簡易化、物流の発達などのテクノロジーの発展と活用に支えられおり、これこそ顧客満足度の高い商品やサービスの提供を促進させています。
今後D2Cとサブスクリプションを掛け合わせたビジネス領域に挑戦したいと思われている方は、ぜひこれらの成功事例を参考に、今後のビジネスの役に立ててくださいね。