D2Cをただの流行で終わらせないためには何が必要か?

D2Cは、現在あらゆる業界から注目を集めているビジネスモデルであり、大流行していると言っても過言ではありません。

そのため、中には、この流れに乗って安易に参入するケースも多くあるのです。

しかし、この流行がいつまでも続くわけではないですし、そのようなD2Cブランドが成功できるほど、D2Cビジネスは簡単なものではないのです。

D2Cで成功するためには、この流行に影響されないことが必要なのです。

そこで今回の記事では、D2Cを流行で終わらせないためのポイントについて説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

D2Cはなぜ新しいビジネスと呼ばれるのか?

D2Cは、アパレル業界を中心として、近年広く普及しているビジネスモデルです。

商品の企画、生産の段階から、販売までを自社で一貫して行うことにより、高品質な商品を適正な価格で、消費者に直接販売すると言う仕組みとなっています。

この仕組み自体は、従来から存在するものであり、それほど目新しいものではありませんが、D2Cではここにデジタルテクノロジーを掛け合わせると言う特徴があるのです。

SNSなどを主体としてデジタルマーケティングを行い、自社ECを軸として販売を行うと言うデジタル主体のビジネスがD2Cが新しいビジネスとされる所以なのです。

このD2Cと言うビジネスモデルは、2010年頃にアメリカで誕生し、その後世界中に広く普及しています。

日本国内では、2013年頃からD2Cと言う名前がアパレル業界を中心に聞かれ始め、現在ではアパレル業界だけでなく様々な業界でD2Cの波が広がっています。

しかし、この流れがいつまでも続くわけはなく、すべてのD2Cブランドが生き残れるわけではありません。実際に、流行に乗って安易に参入したD2Cブランドも多く見受けられるのです。

D2Cにおけるデジタルとは?

D2Cには、前述のように、自社ですべての工程を一貫して行い、デジタルを活用すると言う特徴があります。

つまり、中間業者を介することはないため中間マージンは発生せず、実店舗を持たないため運営にかかるコストも発生しないのです。

これにより、高品質な商品を従来よりも低価格で販売することが可能になるのですが、立ち上げにかかるコストも削減できるため、安易に参入するケースも増えているのです。

しかし、そのように従来よりも容易にD2Cブランドを立ち上げることができたとしても、難しいのはそこからなのです。

D2Cビジネスは、デジタルを起点として、消費者と繋がり、消費者とともにブランドの価値を高めていくビジネスです。

どのような商品を作るのかと言う、商品の企画段階から、デジタルを駆使して消費者とコミュニケーションをとり、消費者の声を基に商品を作り出しているD2Cブランドもありますし、商品の改良にSNSを利用しているブランドもあります。

また、ほとんどのブランドは、SNSで商品やブランドの情報やメッセージを発信し、消費者と直接コミュニケーションをとれる場所を設けています。

そして、これらから得た消費者の意見や要望をフィードバックして、商品の開発、改良、サービスの改善に繋げているのです。

さらに、D2Cが従来のビジネスと大きく異なるのは、商品購入後も積極的に消費者とコミュニケーションをとるという点です。

ほとんどのD2Cブランドは、商品を販売したら終わりではなく、購入した商品を使用することで消費者がどのような体験をすることができるかということを重要と考えるのです。

D2Cとは、このように、消費者の体験に重きを置くビジネスであり、この点を理解していないブランドは、D2Cブランドとして成功することは困難なのです。

そして、このD2Cの考え方は、現在では新しい考え方であり、流行りの考え方と捉えられていますが、今後はビジネスにおいてこの考え方が一般的になっていくと予想されています。

従来のビジネスでは消費者の支持を得ることができず、D2Cがこれほど支持されている以上、D2Cの考え方が広く普及していくのは当然のことなのです。

D2Cが日本よりも早く普及しているアメリカでは、このD2Cの考え方が定着しており、多くのD2Cブランドが、ユニコーン企業と呼ばれる、企業評価額が10億ドル以上の大企業に成長しています。

日本では、まだ100億円規模となるD2Cブランドは誕生していませんが、現在成長を続けているブランドの中には、その可能性のあるブランドも存在しています。

つまり、D2Cの考え方とは、これからのブランドビジネスに必須となる考え方なのです。

現在の日本は、D2Cと言う新しいビジネスが普及している、ビジネスの過渡期であると言えます。

そして、この時期は、従来のビジネスからの転換を図るために、多くの企業が、D2Cと言うビジネスに何らかの形でかかわりを持とうと進出してくるのです。

それらの企業の中には、D2Cと言うビジネスを理解せず、利用して消費するだけと言うケースも多くあります。

しかし、そのようなケースも、D2Cを正しく理解していない以上、長続きするわけはないのです。

このような企業やブランドは遅かれ早かれ淘汰され、それとともに、この現在のD2Cブームも終息していくことが予想されています。

しかし、D2Cは、デジタル化が加速する現代に最も適したビジネスモデルであり、ただの流行ではありません。

D2Cを正しく理解し、その利点を最大限に活かしているブランドが流行の終息により淘汰されることはないですし、流行が去った時には、本物のD2Cブランドだけが残るはずなのです。

まとめ

D2C市場は、急速に成長を続け、拡大化しています。

しかし、この状況は、流行りに乗ったブランドが増えているだけと言うことなのです。

この流行がいつまで続くのかは分かりませんが、流行が収束したからと言って、D2Cビジネスそのものがなくなることはないのです。

そして、D2Cの考え方を理解しているブランドがこの流行に影響されることもないのです。