D2Cは、近年急速に成長し、多くのD2Cブランドが誕生しています。
このD2Cはアパレル業界から高い注目を集め、インテリアや日用品にも広く普及していますが、現在では食品の分野にも広がりを見せています。
そこで今回の記事では、食の領域に及ぶD2Cについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
Contents
D2Cは、商品の企画、製造から販売までを、中間業者を介さず自社ECを中心として行い、商品を直接消費者に販売すると言う仕組みのビジネスモデルです。
このモデルは、アメリカで誕生し世界中に広く普及しており、現在では日本国内でも定着しつつあります。
このモデルのメリットは、全てを自社で一貫して行うことができるということにあります。
これにより、中間マージンなどのコストを削減することが可能となり、高品質な商品を適正な価格で販売できるのです。
また、SNSを主としてマーケティングを行うため、消費者と直接繋がることが可能となり、考え方やブランドの世界観を共有し、強い信頼関係を構築することができます。
そのため、小規模な事業者であっても、一定のファンを獲得することができ、利益を生み出すことができるのです。
このような特徴により、D2Cでは、従来ではブランド設立が難しかった企業でも、容易にブランドの立ち上げができるようになったのです。
D2Cは、アパレル業界を中心として成長し、日本でも多くのアパレルD2Cブランドが誕生しています。
この流れは、他の業界にも及んでおり、現在では食品の分野にもD2Cの波が押し寄せているのです。
その中でも、注目度が高くなっているのが、お取り寄せグルメと呼ばれる領域です。
このお取り寄せグルメは、お店で味わうような本格的な味を自宅で楽しむことができると言うもので、従来ではお祝い事やイベントなど特別な時に利用されることが多かったものです。
しかし、新型コロナウイルスの流行により、消費者の多くは、店内での飲食を避け、テイクアウトやお取り寄せを利用するようになり、このお取り寄せグルメが注目を集めるようになったのです。
この注目を集めるお取り寄せグルメの領域の中で、現在人気を博しているのが、D2Cブランド「Mr.CHEESECAKE」です。
このブランドは、チーズケーキに特化したチーズケーキ専門ブランドで、取り扱っている商品は1種類のチーズケーキのみとなっています。
しかし、ECやSNSを活用し、ブランドのコンセプトやチーズケーキに対する思いなどを発信することにより、消費者の共感を誘い、熱狂的なファンを生み出しています。
さらに、自社ECのみで、週に二度、決められた時間に販売を行うと言う制限された販売手法により、さらにブランドや商品の価値を高めているのです。
これは、D2Cの特徴を最大限に生かした好事例であり、多くの食品分野のD2Cブランドがこのブランドの成功を参考にしているのです。
チーズケーキは、一般的に広く知られているものであり、洋菓子店だけでなく、コンビニやスーパーなど、誰でもどこでも簡単に手に入れることができる商材です。
その商材の価値をここまで高めることができたのは、商材をチーズケーキだけに絞り、そのこだわりを消費者と共有したことが要因と言えます。
自社サイトでは、創業者のチーズケーキに対する思いやチーズケーキの魅力だけでなく、チーズケーキの材料や作り方まで惜しみなく公開し、消費者の共感を得ています。
また、チーズケーキの美味しい食べ方の提案や限定レシピの公開などコンテンツも充実させ、訪れるだけで楽しめるサイトを構築しているのです。
また、このチーズケーキの美味しい食べ方の提案やレシピなどのコンテンツは、SNSでも発信されています。
特に力を入れているのが、チーズケーキに合うドリンクの提案であり、チーズケーキを購入してくれた消費者が、最高の状態で味わうことができるような提案を行っています。
このようにSNSでメッセージの発信し、商品を購入する前にも、購入した後にも、消費者と積極的にコミュニケーションをとっているのです。
そして、消費者はこのSNSでの提案に対し、購入した商品をどのように楽しんでいるかをSNSで発信し、他の消費者に伝えているのです。
つまり、SNS上で消費者同士のコミュニティが自然と形成され、それが、さらなるファンの拡大に繋がっているのです。
さらに、販売数を限定していることも、商品やブランドの価値を高める事に役立っています。
消費者は限定と言う言葉に弱いものですし、こだわって作っていると言う証明にもなるため、消費者の関心を強く惹きつけるのです。
D2Cは、今やあらゆる業界に普及し、様々なブランドが誕生しています。
中でも、食品分野のD2Cブランドは増加しており、それぞれがこだわりの商品を提供しているのです。
しかし、だからと言って、食品のD2Cブランドを立ち上げれば成功すると言うわけではありません。
成功しているブランドは、それぞれがD2Cの利点を生かし、様々な工夫を地道に積み上げていく事により、消費者の支持を得ているのです。
今回説明したD2Cブランドはその好事例であり、このような事例を参考に、地道に努力をしていくことが大切なのです。